人気ブランドがコラボ!『はじめてのフルーチェジュレ』開発の舞台裏
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アサヒグループ食品が3月9日に新発売する『はじめてのフルーチェジュレ』は、2026年にブランド誕生120周年を迎える和光堂と、発売50周年を迎えるフルーチェがコラボしたプレキッズ向けのジュレ飲料です。フルーチェは、ハウス食品が販売する牛乳と混ぜるだけで作れるプルンとした独特の食感が特長のデザート。長年親しまれてきたロングセラーブランド同士がタッグを組んで誕生した新商品について、開発の舞台裏を支えた二人のマーケターに話を聞きました。
本企画を担当したのは、アサヒグループ食品でベビーフードの商品開発に携わる権田かほりと、ハウス食品でデザートとスナックブランドを担当する馬場崎麻子さん。ともに食品開発に携わるマーケターであり、プライベートでは二人の子どもを育てるママでもあります。
INDEX
“親子の時間”がつないだ、和光堂×フルーチェの出会い
-まずは『はじめてのフルーチェジュレ』について教えてください。
権田:フルーチェらしい味わいを大切にしながら、1歳半頃からのお子さまがおいしく飲めるように仕上げたジュレ飲料です。牛乳を混ぜる本家のフルーチェとは異なりそのまま飲むタイプで、「いちご」「もも」の2種類を展開しています。やわらかくすりつぶした果肉に加え、乳酸菌を配合しています。
-このコラボ、どちらからのアプローチだったのですか?
馬場崎:話は少し遡るのですが、実は和光堂より前にアサヒグループのブランドとコラボした商品がありました。「カルピス」とのコラボで、2023年から夏季限定で発売している「フルーチェ×カルピス®」と「シャリーチェ×カルピス®」です。
私が2022年にフルーチェの担当になった時、カルピスとの親和性を感じて熱烈アタックして商品化にいたりました(笑)。フルーチェは牛乳と混ぜる、カルピスは好きな濃さに水で割る。どちらも“ちょっと手作り”の楽しさがある商品です。子どもの頃、親子で一緒に作った経験のある方も多く、それぞれ“親子の絆”が感じられるブランドだなと思っていたので、コラボが実現できた時はとても嬉しかったです。
-今回、和光堂とのコラボに至った背景は、アサヒグループとのつながりがきっかけだったのですね。
馬場崎:そうなんです。「カルピス」担当の方に「和光堂さんを紹介してほしい!」と今回もハウスから猛烈アタックしました(笑)。
和光堂については、私自身が育児中にベビーフードに助けられた経験が大きく影響しています。子どもが生まれて5か月頃から離乳食づくりをはじめたのですが、いきなり壁にぶち当たりまして。ほうれん草をすりつぶすってこんなに大変なんだと・・・。和光堂の商品は月齢ごとに幅広いラインアップがあって、忙しい時やお出かけの時には本当に助けられました。ジュレについては、子どもがイヤイヤ期でなかなかゴハンを食べてくれず困っている時に、これなら喜んで飲んでくれる!という存在で、フルーツや野菜のジュレは私にとって“神アイテム”でした。
権田:そう言っていただけて、とても光栄です。私はハウス食品さんからのお話を伺って、素晴らしい機会をいただいたと思いました。ちょうど、和光堂ブランドではベビーフードを卒業する1歳半頃からのプレキッズ向け商品のラインアップを増やしたいと考えていたタイミングでした。ベビーフードのジュレはフルーツや野菜そのものの味を生かしたものが中心なので、プレキッズ向けに、もう少し“おやつ”っぽい商品を作りたいという思いがあり、国民的デザートのフルーチェとのコラボはまさに理想的でした。
“フルーチェらしさ”のカギは“ミルク感”
―まさに相思相愛ですね。開発で特にこだわった点はどこでしょう。
権田:最大の課題は “フルーチェらしさ”をどう再現するかでした。フルーチェのブランドイメージを損なうわけにはいきませんから。フルーチェは食べる直前に生の牛乳を混ぜますが、この商品は加工食品。生の牛乳を直前に、というわけにはいきません。どうやって牛乳由来のマイルドな味わいの“ミルク感”をだすか・・・ 試作品は80パターンを超え、何度も味わいのチェックを重ねました。両ブランドの周年である2026年に発売したかったので、時間との勝負でもありましたね。
馬場崎:でも、比較的早い段階から“フルーチェらしい味わい”に仕上がっていましたよ。また、私たちに幼児向けの商品の知見が少ないので、そこは和光堂さんにぜひお願いしたいと思っていました。
フルーチェは3歳頃から食べ始めるご家庭が多い商品なのですが、幼児期までブランドの接点を広げる商品を作りたいという思いがずっとありました。実は、自社生産を検討したこともあったのですが、幼児向けの商品となるとハードルが高く、断念した経緯があったんです。
だからこそ、私自身の育児において強い信頼を寄せていた和光堂ブランドにお願いしたいと考えました。今回一緒に商品を開発して、アサヒさんの商品づくりに向き合う姿勢や技術力、品質へのこだわりには大きな安心感がありました。
-フレーバーに「いちご」と「もも」を選んだ理由は?
権田:フルーチェで一番人気のいちごは当初から候補でした。加えて、ママがどんなフレーバーをお子さまにあげたいかも調査しました。ベビーフードのジュレは複数の果物を組み合わせた方が人気なのですが、調査の結果では、果物単体の支持が高かったんです。そこで調査で上位だったいちごと桃に決めました。
馬場崎:1976年の発売当時は、いちごとピーチとオレンジの3アイテムでした。50年間愛されている基幹フレーバーを選んでいただけたのは嬉しかったです。
ちなみにフルーチェでは50周年記念として、いちご・ピーチ・オレンジをミックスした「フルーチェ」<夢のスペシャル3MIX! イチゴ×ピーチ×オレンジ>を数量限定で発売しています。実はフルーチェの購入者のおよそ6割は、お子さまがいらっしゃらないご家庭の方が購入してくださっているのです。お子さまから大人まで幅広い世代に楽しんでいただけるので、ぜひ皆さんもお試しください。
50年・120年の歴史が語る、愛され続けるブランドの理由
-改めて、それぞれのブランドの原点を教えてください。
馬場崎:フルーチェは、1976年に「火を使わずに、親子やこども一人でも安心してつくれるデザートを届けたい」という思いから誕生しました。牛乳と混ぜるというシンプルな工程でありながらも、フルーツのおいしさとプルンとした食感が楽しめるユニークなデザートです。小さなお子さんでも簡単に作れるので、お子さんの「できた!」という自信につながること、きょうだいや親子で作って一緒に食べる時間そのものが、家族の記憶として残る。それが「フルーチェ」ならではの価値だと思っています。
権田:和光堂は1906年、日本の小児科の生みの親である弘田長博士が乳幼児死亡率の高さに危機感を抱き、育児製品を輸入・販売する和光堂薬局を開設したことから始まりました。1937年には国産初のベビーフードを発売し、国産発の育児用粉ミルクも開発しました。現在はアサヒグループ食品のベビーカテゴリーブランドとなっています。
ベビーフードは、最も安全性や品質が求められる食品の一つですので、一般食品よりも厳しい基準が求められますし、大変なことがたくさんあります。でもお子さまや育児に関わるすべての人たちの“かけがえのない時間”に寄り添うことが、和光堂の使命だと思い、120年蓄積してきた乳児向けの栄養設計や製造技術、品質管理のノウハウを活かして取り組んでいます。
次の100年へ。ブランドが描く未来と新たな挑戦
-最後にそれぞれのブランドのこれからについて教えてください。
馬場崎:フルーチェをグルグル混ぜるお子さんの小さな手や、わくわくした顔、「おいしいね」と笑い合う時間が、親子の信頼や安心感を育む。そんな何気ないひとときが、心の栄養になると信じています。時代が進んで、家族の形や暮らし方が変わっても「大切な人と向き合う時間」の価値は変わりません。あたたかい思い出と共に、家族の記憶に残り続けることや、世代を超えて受け継がれ「また一緒につくろう」と言っていただけることを励みに、これからも親子の愛情をつないでいく存在として、よりお客様に愛されて必要とされるブランドであり続けたいと思っています。
フルーチェだからできること、お客さまに届けられることがまだまだたくさんあると思っていますので、その可能性を広げていくことをこれからも楽しみにしています!
権田:育児スタイルや社会は大きく変化してきましたが、赤ちゃんの成長に必要なこと、そしてご家族の不安や願いは、今も昔も変わりません。私たちには120年という積み重ねの中で、便利さとお子さまの成長支援の両立に取り組んできた強みがあります。
これから先も安定的に永続的に安全で価値ある商品をお届けしていくために、海外展開やプレキッズなど新たな挑戦にも取り組んでいます。この社会に必要な存在であり続け「ずっと、赤ちゃん品質。もっと、赤ちゃん品質。」を守り続ける和光堂として、育児にかかわるすべての方に変わらない安心と新しい価値を提供していきたいです。
text「ハレの日、アサヒ」編集部


和光堂とフルーチェ。長い歴史を持つ2つのブランドが出会い、生まれた『はじめてのフルーチェジュレ』。その背景には、数字や企画書だけでは語れない、育児の実感や親子の時間へのまなざしがありました。忙しい毎日の中で、ふと手に取った商品が、親子にとって心地よい時間をつくるきっかけになる。そんな願いが、この小さなジュレには込められています。