【アサヒ・nishikawa対談】眠りと食で育む、子どもの可能性
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「最近、子どもの寝つきが悪くて…」「離乳食、何をどれだけ食べさせればいいの?」など、子育てって毎日がちょっとした悩みの連続ですよね。そんな子育て世代の“あるある”に寄り添うべく、「眠り」と「食」の専門家がタッグを組みました。
教えてくれるのは、450年以上の歴史を持つ寝具メーカーnishikawaのスリープマスター※ 城山 紗也(きやま さや)さんと、
アサヒグループ食品の栄養士 荻原 淑子(おぎわら よしこ)。ともに、2人の子どもをもつママでもあります。
両人と考えるテーマはズバリ、「眠りと食で育む、子どもの可能性」。対談を通して、子どもの成長に欠かせない“寝ること・食べること”のヒントをお届けします。子どもの未来を育むために、今日からできることを一緒に見つけてみませんか?
※スリープマスター・・・nishikawa独自の社内資格制度。寝具の知識のみならず、睡眠生理学などの睡眠全般の知識、また繊維の知識などを学び、お客さまにより良く眠る方法や寝具の選び方を伝えている。
INDEX
健やかな成長に欠かせない「眠り」と「食」
—まずは城山さんと荻原さん、それぞれのお仕事について教えてください。
nishikawa城山さん(以下、城山):現在は商品部門という開発セクションの中で、ベビー、ジュニア、キッズ用品を担当しています。以前は大人向けの寝具を開発する部署にいたのですが、2人目の出産と復帰を経て今のチームとなりました。
おかげさまでその子もいまや5歳ですが、今も子育て中だからこそ、よりご家族の悩みに応える商品づくりをしていくことが、私の使命だと感じています。
アサヒグループ食品荻原(以下、荻原):アサヒグループ食品株式会社の学術部に所属し、当社のベビーフード・ベビー用品ブランド「和光堂」を担当しています。
栄養士という資格を生かし、子育てしているママとパパ向けの栄養相談をおこなったり、取引先企業の従業員さま向けの勉強会や研修などにて、離乳食の進め方の目安や、幼児食について、そして商品説明などをお話しさせていただくお仕事がメインです。
お医者さまをはじめ医療従事者の方々と保健師さん、保育園の栄養士さんや保育士さんの研修などにも登壇させていただくこともありますね。
子どもの成長における睡眠の役割
—では、城山さんに質問です。子どもの成長においては、睡眠がどのような役割を果たすのでしょうか?
城山:まずは、成長ホルモンですね。骨や筋肉の発達に関わるホルモンの多くは睡眠中に分泌されます。体の成長を促すためにはよく寝ることが大切です。さらに、免疫力の向上や脳の発達にも睡眠は深く関係しています。
赤ちゃんって、1日でたくさんの新しい情報を吸収していくんですね。これは大人になってからも同様ですが、活動中のインプットを脳が睡眠中に記憶として整理する仕組みになっているので、赤ちゃんの場合は言葉や運動能力の発達にも直結するといわれています。
荻原:昔から「寝る子は育つ」っていいますよね。
城山:そうなんです。あとは、十分な睡眠をとることで機嫌がよくなる、情緒が安定するともいわれます。いわばストレスの解消や軽減ですね。
睡眠によるストレスケアは大人でも同じことがいえますが、子どもの場合は十分に眠れていないと泣きやすくなったり、怒りやすくなったり、感情が不安定になるなど精神面に影響しますね。
適切な食事と同じくらい、睡眠もやっぱり大切。起きる、寝るという昼夜のリズムが健やかな成長を促しますので、心と体の健康を育むために、ぜひ快眠できる環境づくりにも取り組んでいただきたいと思います。
子どもの成長における食事の役割
—続いては荻原さんに。食事の役割についてはいかがでしょう?
荻原:成長や発育のために必要な栄養とエネルギーを摂ることが第一ですが、それ以上に「食の楽しさ」を伝えることが大切だと思います。おいしいものを食べることは多幸感につながりますし、家族で共有すれば心の健康も育まれます。
特にはじめての離乳食は張り切りがちですよね。作った離乳食を全部喜んで食べてほしいなと、つい力んでしまうと思うんです。ただ、赤ちゃんからするとプレッシャーを感じてしまうかもしれません。
赤ちゃんが食べてくれないと、「口に合わなかったのかな?」と心配される方もいらっしゃるんですね。そんな時はベビーフードを上手に取り入れて、親子でリラックスして食事を楽しむことをおすすめしています。
城山:すごく共感します。私自身の経験でも、上の子のときは真面目に離乳食のレシピを読んで、それこそ肩に力が入っていました。離乳食を楽しめるほどの余裕は、なかったかもしれません。
離乳食を食べてくれなくて自分を責めることもありました。ベビーフードを活用する大切さは慣れてから実感しましたけど、ママやパパが楽しむことも大事ですよね。私たちが笑ってないと子どもも笑わないって、確かにそうだよなってすごく思います。
荻原:ありがとうございます。私も城山さんのお話を聞いて、睡眠と食の関連性に関してもっと意識するべきだと実感しました。
ママとパパが笑顔でいるためには生活リズムも大切ですよね。改めて赤ちゃんも、ママもパパも本当に、よりよい睡眠があってこそ心の安定だと思いますし、食事も睡眠もリズムが大切。すごく近い関係なんだなと、勉強になりました。
快眠を支える寝具と生活習慣
―ここからは、より具体的な快眠のコツについて、城山さんに伺います。子どもの睡眠に関して、保護者からよく寄せられる悩みにはどんな声がありますか?
城山:0~2歳頃までは、夜泣きで起きる回数が多い、昼夜の区別がつかない、お昼寝の時間にばらつきがある、抱っこで寝かせても布団で横になるとすぐ目覚めてしまうといった声が多いです。
もう少し年齢を重ねた子でも、睡眠時間が十分なのか心配という声は、よく聞きますね。
―快眠のために家庭でできる工夫にはどんなものがありますか?
城山:大前提となるのが、生活リズムを整えることです。朝はしっかり光を浴びて、あとは赤ちゃんとママやパパとで触れ合いながら、ハイハイでもあんよでも、少し体を動かすと夜も眠りやすくなると思います。
寝る前の過ごし方も大切ですね。たとえばテレビや動画が流れていたり、音が鳴っている部屋にいたりすると赤ちゃんも刺激されるので、なかなか入眠モードに入れません。寝室に移る30分前には部屋の照明をちょっと暗くし、静かでリラックスできる環境を作ることで、眠りやすくさせてあげてください。
ほかには、寝室の温度や湿度にも入眠しやすい環境があります。目安にはなりますが、室温の場合は冬で18~23度、夏は26~28度。湿度は50%がよいと思います。赤ちゃんは大人より少し体温が高いので、少々涼しげな空間を意識するといいですよ。
―赤ちゃんの体温調整にもコツがあると思います。おすすめの寝具を教えてください。
城山:衣服でしたら、「ベビーホーム 組み合わせて使うスリーパー4枚組」が好評です。ポイントは、ガーゼ2枚、綿毛布1枚、ダウン1枚の4枚組スリーパーとなっていること。夏は裏表ガーゼ、冬は表がダウン、裏は綿毛布にするなど、季節などに合わせて自由に組み合わせができるんです。
赤ちゃんって、背中に汗をかきやすいんですね。こちらは秋をイメージして、表面を綿毛布、裏が汗をよく吸い風通しもいいガーゼにしているんですけど、適度に体温を保ちながら、汗はふんわりやわらかな6重のガーゼが、しっかり吸ってくれます。
生活リズムの観点では「これを着たらおねんねの時間だね」と約束することで、寝るスイッチを入れる習慣づくりにもお役立ちできるかと。対象年齢は、お子さまの体格によって変わりますが、新生児から2歳くらいまでご利用いただけると思います。出産祝いのプレゼントにも喜んでいただけますよ。
text&photo 中山 秀明


睡眠と食事は、子どもの成長に欠かせない両輪です。生活リズムを整え、親子で楽しみながら取り組むことが、子どもの未来を育む第一歩。次回の後編では、成長段階に合わせた眠りと食事のポイント、さらにアサヒグループ食品とnishikawaの商品を交えた具体的なアドバイスをお届けします。後編もお楽しみに…!