おうちで楽しむナイトシネマ【2】映画界の巨匠が手がけるワインとは?
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秋の夜長のリラックスタイムは、ワインと映画を楽しんでみませんか?映画好きのエノテカ社員が、ワイン×映画のマリアージュについて語る連載を全3回にわたりお届けします。第2回は、映画界の巨匠フランシス・フォード・コッポラ氏が手がけるワインについて紹介します。
プロフィール
佐野昭子(さの あきこ)
タウン誌やフリーの編集業を経て、2006年、ワインの輸入・販売を行うエノテカに入社。現在はエノテカ広報担当。
INDEX
映画界の巨匠が手がけるワイナリーとは?
「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」など数々の名作を生み出し、6度のアカデミー賞受賞歴を誇る映画監督、フランシス・フォード・コッポラ氏。実は映画に劣らない情熱を注ぎ、ワインを造っていることをご存じですか?「全てのシーンに寄り添い、飲む人の人生に喜びをもたらしたい」という想いで造られるワインは、数々のアワードで高評価を得ています。まずは、映画とワインが深く結びついているコッポラ氏の人生をひもといてみましょう。
イタリアにルーツを持つコッポラ家では、祖父の代から自宅でワインを造っていました。自家製のワインを食事と共に楽しんでいたコッポラ家には、ワインは「毎日の食卓に寄り添うもの」として根付いていたのです。やがて映画監督の道へと進んだコッポラ氏は1972年に「ゴッドファーザー」を手がけ、アカデミー賞3部門を受賞。1974年に公開された続編「ゴッドファーザーPARTⅡ」でもアカデミー賞6部門を受賞し、連続して作品賞を受賞するというアカデミー史上で大快挙を収めました。これらの映画の興行的な大成功を背景に、1975年、コッポラ氏はカリフォルニアのグスタフ・ニーバム氏の邸宅と土地の一部を購入。ここから彼がワインビジネスに深く関わることとなります。
『ゴッドファーザー』
4K Ultra HD + Blu-ray: 6,589 円 (税込み) Blu-ray: 2,075 円/DVD: 1,572 円 (税込み)
発売元: NBCユニバーサル・エンターテイメント
(C)1972, 2022 Paramount Pictures. THE GODFATHER (R) is a registered trademark of Paramount Pictures. All Rights Reserved.
※商品情報は記事公開時点のものです。 最新の内容をご確認ください。
2010年には、カリフォルニアのソノマ・カウンティにフランシス・フォード・コッポラ・ワイナリーをオープンしました。「ワインはライフスタイルと食を彩るもの」という考えのもと、テイスティングルームやプール、博物館まで併設されています。子どもから大人まで楽しむことができる、まさに“ワインワンダーランド”です。中でも、レストラン「ラスティック」のメニューはイタリアにルーツを持つコッポラ氏のお気に入りの料理が満載。ワインと食の組み合わせを大切にしている彼のこだわりを感じ取ることができます。
ワインと映画が深く結びついている人生
ワインメイキングについては生産部門の総指揮を執るコーリー・べック氏に一任しつつ、コッポラ氏が直接担当しているのはコンセプトやラベルデザイン。そこには、映画監督ならではの細やかなこだわりを感じ取ることができます。「想像力を妨げるな」、これはコッポラ氏が映画製作の現場においても、そしてワインづくりの現場においても口にしていること。映画は配役、ロケーション、美術、音楽などまさに総合芸術ですが、ワイン造りも同様で、コッポラ氏ならではの発想が缶入りワインに代表されるような新しい商品を生み出すなど、広い視野で携わっていることがよく分かります。
また、コッポラ氏のワインは自らのストーリーが落とし込まれていることも特徴の一つ。妻エレノア氏を称え、結婚50年を記念して造られたワインはその名も「エレノア」。エレノア氏がデザインしたラベルには、ワイン、アート、テキスタイルへの情熱が表現されています。そんな家族を大切にするコッポラ氏が手がけるワインは最も高いものでも1万円ほどで、これは「ワインは家族と毎晩の食卓で楽しむもの」というコッポラ家の伝統を継承しているため。全てのシーンに寄り添い、日々を豊かに彩るワインとして、多くの方に親しまれています。
コッポラ氏は、2021年にワイナリーを一部売却しましたが、映画の製作費用を捻出するためだったとも言われています。84歳の今もワイナリーの運営に携わりつつ、「Megalopolis(原題)」という新作映画に取りかかっているようです。映画のヒットがきっかけでワインビジネスに携わり、今度はワインが映画づくりを助けることに。彼の人生は常にワインと映画が密接に結びついています。
コッポラ作品を堪能しよう!ワインと映画のマリアージュ
コッポラ氏のこだわりが詰まったワインと映画のマリアージュを楽しんでみませんか?
ダイヤモンド・コレクション・クラレット
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/051140330
まず初めての方におすすめしたいワインは「ダイヤモンド・コレクション」。フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリーを代表するシリーズです。中でも、このシリーズのシグネチャーワインである「クラレット」(ボルドーの赤ワインの意味)は、その名の通り、ボルドースタイルのブレンドで造られています。しっかりとしたタンニンと熟した果実味にスパイシーなニュアンス。濃厚な味わいでこれからの季節にゆっくりと楽しみたいワインです。
ディレクターズ・カット・ソノマ・コースト シャルドネ
https://www.enoteca.co.jp/item/detail/051140040
映画好きの方にぜひおすすめしたいのはこちら。「ディレクターズ・カット」とは、映画監督が撮影したフィルムを自らが表現したい形に編集したものを指しますが、これはまさにワインにおける「ディレクターズ・カット」。ソノマという産地の特性を、ワイナリーが考える最高の方法で品種ごとに表現しています。
もう一つ映画ファンにとってたまらないのが、回転のぞき絵「ゾートロープ」からデザインされたラベル。「ゾートロープ」とは、等間隔にスリットをつけた円筒の内側に、連続する絵を帯状にして貼り付けたもの。コッポラ氏がコレクションしている「ゾートロープ」のレプリカがラベルにデザインされています。リンゴ、パイナップル、そしてほのかなバターの香り、ふくよかさがありつつも洗練された味わいが特徴です。
これらのワインと一緒に楽しんでいただきたい映画としては、もちろん「ゴッドファーザー」もおすすめですが、1982年に公開された「ワン・フロム・ザ・ハート」はいかがでしょうか。ベトナム戦争を描いた「地獄の黙示録」に続く作品ですが、こちらは一転、ラスベガスを舞台に揺れ動く男女の心を描くラブロマンス。トム・ウェイツが初めて担当したという音楽も素晴らしく、加えてオール・スタジオという豪華なセットが醸し出す独特の空気感、ナスターシャ・キンスキーの思わず目を引く美しさなど、見どころ満載。深まる秋の季節、ワインを飲みながら観るのにぴったりな映画ですよ。
コッポラ氏の愛がギュッと詰まったワインと映画のマリアージュを楽しんでみてくださいね。
第3回はドキュメンタリー映画から、ワインの世界をひもときます!