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ヒットの裏側 「ミンティア」の1粒に情熱を注ぐ開発者の熱き思い

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ヒットの裏側 「ミンティア」の1粒に情熱を注ぐ開発者の熱き思い

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薄型の容器からシャカシャカと1粒出して口に入れると、爽やかなミントの香りが鼻をス~っと抜けてキリっとした味が口の中に広がるミント菓子「ミンティア」。仕事や勉強の合間や車の運転時、人に会う前、ご飯を食べた後などなど、日常生活のさまざまな場面で私たちのリフレッシュタイムに寄り添ってくれる身近な存在ではないでしょうか。今回はこの小さなミント味のタブレットに情熱を注ぐ開発者を紹介します。

左から、アサヒグループ食品研究開発本部 尾上 恵美(担当22年)、海老名 彩乃(担当1年半)、高林 周平(担当7年)

1996年に発売した「ミンティア」のデザインは縦型だった!?

―「ミンティア」開発歴が22年の尾上さん。開発担当当初は「ミンティア」が発売されて間もない頃ですね。当時の「ミンティア」について教えてください

(尾上)私は「ミンティア」が発売された5年後の2001年から担当しているのですが、発売当初の話は先輩たちからよく聞いています。当時はすでに他社からタブレット菓子が発売されていたのですが、気軽に携帯できるおいしいミント味のタブレットを作りたい!という思いで、このタブレット菓子の市場に参入したそうです。

1996年8月に『ミンティア ペパーミント』と『ミンティア カシス&ミント』の2つの味を首都圏先行で発売しました。「ミンティア」の名前の由来は、ミントタブレットと一目でわかり、語感と英文にした時のバランスの良さからだそうです。今ではすっかりおなじみの名前になっていると思います。

1996年に発売した「ミンティア」(左:ペパーミント、右:カシス&ミント)

―あれ?デザインが縦型になっていますね。

実は発売当時の「ミンティア」のデザインは縦型だったんですよ。社内でも社歴の浅い人はこのデザインを知らない人が結構多いんです(笑) 翌年の1997年に今の主力商品となる「ワイルド&クール」と「ドライハード」が登場するのですが、こちらも当時は縦型でした。歴史を感じますね。

現在の主力商品『ミンティア ワイルド&クール」(左:1997年発売)、『ミンティア ドライハード』(右:1998年発売)

―どうして横型のデザインに変わったのですか?

(尾上)「ミンティア」を発売した当初は店頭の棚の下の方に箱に入って並んでいることが多かったのですが、手前の商品から売れると奥に並んでいる「ミンティア」が前に倒れてしまいます。正面のデザインも見えなくなるので何の商品かわかりませんよね。そんな状態では正直売り上げも伸び悩んでいました。そこで発売から6年目の2002年に横型の平置きに変わりました。これなら棚の下の方でもしっかりと商品を見てもらえます。ここから「ミンティア」は急成長し、多くのお客さまにご支持をいただくようになりました。

当時の縦型デザインでは、手前の商品がなくなると斜めに倒れてしまう問題が(左)  今は横型デザインの平置きで、店頭でも分かりやすくなりました(右)

ー横型デザインで店頭での存在感も大きく変わりましたよね。中身の方はいかがですか?

(尾上)「ミンティア」は粉末の原料を機械でタブレット状に押し固めるのですが、口に入れた時のタブレットの固さ、なめらかさを改良しました。またミントの味や香りの立ち方もより良いものを目指し改良を進めました。例えば、フレーバーの入った小粒カプセルを混ぜることで、口に入れた瞬間に清涼感とミントの味わいを感じられるようにしています。

―あの小さなタブレットの中にさらに小粒のカプセルが入っているとは!

(尾上)そうなんです。タブレットをよく見ると小さな粒があるのがわかると思います。粉をタブレットにする際は相当の力で押し固めるので、小粒カプセルが潰れちゃったり、タブレット表面のカプセルが外れちゃったりと、1粒にうまく固めるにはどうしたらよいかと何度も試作しました。「ミンティア」こだわりの一つですね。今では多くの商品に採用しているんです。

よく見ると、1粒の中に小さな粒が・・・

「ミンティア」の強みはミント!ミントの産地まで出向き徹底的にこだわり抜く

―ミントの風味こそ「ミンティア」の強み!ミントに対してたくさんのこだわりがありそうですね。

(尾上)もちろんです。ミントにはペパーミント、スペアミント、ハッカなどさまざまな種類があります。日本のお菓子だとペパーミントやハッカが主流ですね。そしてペパーミントと一言で言ってもメーカーによって味や香りが大きく違うんです。商品を開発する時にはたくさんのミントフレーバーの原料を集めて香りを選定し、さらに原料をミックスすることで商品に求める理想の香りを探し出します。

フレーバーの素になるミント原料も産地によって違うんですよ。なので、ミント栽培最大の産地であるアメリカのミント畑を訪問してミントの葉を確認することもあります。気候や土壌によって収穫されるミントの風味は全然違うんです。昔、ある商品の原料で使用していたミント農家の方がミント栽培をやめることになって・・・。同じようなミントを探し出すのに非常に苦労した思い出があります。そのくらいミントにはこだわりを持って開発をしています。

アメリカのミント畑

―たくさんのこだわりが1粒にギュッと詰まっているのですね

(尾上)そうなんです。そして最も大切なことは1粒でどれだけ満足いただけるかということです。口に1粒入れた瞬間から口からなくなるまで、味と香りをバランスよく調整して作り出すことが我々の開発力と開発員の腕の見せどころなのです。

1粒のミント味と向き合い、新しい商品へチャレンジ

―開発力とは力強い言葉ですね!「ミンティア」の担当になって7年目の高林さんは、ミントのこだわりで苦労したことはありますか?

(高林)はい、ミントのこだわりは担当直後からひしひしと感じています。開発メンバーになってすぐ担当した商品に、2017年6月に期間限定で発売した『ミンティア フローズンピーチミント』という商品があるのですが、商品コンセプトを企画するマーケティング部からの味の要望は、「食べた瞬間に氷を口に入れたようなひんやりとした冷涼感とミントの爽快感、そしてほんのりとピーチの香りがある商品を作ってほしい!」ということでした。

『ミンティア フローズンピーチミント』

―要望がたくさんですね。担当歴が浅い分、開発を進めるのは大変だったんじゃないですか?

(高林)確かに大変でした。ミントの爽快感はチーム内に知見がありましたが、冷涼感は新たな試みでした。先輩のアドバイスをもらいながらメントールキャンディチップとキシリトールを入れて冷涼感はクリアしたのですが、実は一番難しかったのがミント味とピーチの香りのバランスでした。果物と合わせるとミントの苦味が強く出てしまい味のバランスが崩れてしまうんです。
最適なバランスにたどり着くまで何度も試行錯誤を繰り返して、やっと商品化にたどり着きました。初めて菓子の開発に携わった思い出深い商品ですし、自分自身の経験値が一気にアップしました。この経験は今の開発業務にも大いに役立っています。

―ミントの味づくりも本当に奥が深いんですね。海老名さんは担当1年半とのことですが、「ミンティア」の担当になって感じていることはありますか?

(海老名)私は入社時の配属先が「ミンティア」の開発担当でした。担当になって1年半が経ちますが「ミンティア」は本当に奥が深いなって改めて感じています。
とても単純に見えるけど味づくりは繊細で、タブレットにする前後では風味が全然違うんです。研究所で粉末を混ぜている時に「いい感じだな!」と思っても実際に試作機でタブレットにすると味が全然違うということも度々あります。工場で量産テストをするとさらに味が変わることもあるので、その前に何度も確認作業をして量産テストに入ります。培った経験を基に、現在は最初からある程度課題を想定しながら開発を進めるように努めています。

タブレットになった時の味を考えながら調合します
試作機でタブレットにしていきます

―さまざまな工程で分かることがたくさんあるのですね。

(海老沢)「ミンティア」は焼菓子と違い熱をかけていないので、タブレットに固めた直後は香りが良く最もおいしいんですよ。このおいしさを維持しながらお客さまの手元に届くにはどうしたらよいか、日々先輩に相談をしながら開発を進めています。学生時代は「ミンティア」があまりに自分の生活になじみ過ぎて何も考えずに気軽に食べていたのに、今は毎日「ミンティア」のことで頭がいっぱいです(笑)

3月4日に私が担当した『ミンティア クリアプラス ペパーミント』が発売になりました。ミントが苦手な方でも食べやすい味に仕上げていますので、ぜひ試してもらいたいです。

2024年3月4日発売『ミンティア クリアプラス ペパーミント』

―最後に「ミンティア」についての思いを一言お願いします

(海老名)「ミンティア」は入社のきっかけにもなったブランドです。しかも私は「ミンティア」と同じ年なんです(笑) これからも自分の人生と一緒に大切にしていきたいです。将来家庭を持ったら家族にも食べてもらいたいですね。

(高林)通勤途中などでふと「ミンティア」を食べている人を見つけると嬉しくなります。「ミンティア」にはたくさんの味があります。ぜひ味の名前も覚えてもらってみなさんの身近な存在であり続けられる商品にしたいです。

(尾上)コロナ禍ではお客さまのリフレッシュに対する考えを見つめ直すことができました。世の中の生活スタイルに合わせて、これからもみなさんの生活に長く寄り添えるブランドにしていきたいです。

1粒のミントの裏にはさまざまなストーリーがありますね。多くの方の身近なミント菓子として、これからもミンティアの展開を楽しみにしていてください。

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