寒い冬はやっぱりこれ!商品開発者が語る、コーンポタージュ缶の粒を残さない方法とは?
この記事のキーワード
SHARE
寒い季節に飲みたくなるホット飲料。外出先やオフィス、学校で体を温めながら、ちょっと小腹を満たしたいときに、自動販売機でコーンポタージュやおしるこを手にしたくなりませんか?
でも、そんな時に気になるのがコーンや小豆が缶に残ってしまう問題です。実は、この問題を解決するべく、缶の形状が進化していたことをご存じでしょうか?
今回は、アサヒ飲料の『アサヒ コクうまコーンポタージュ』『アサヒ おしるこ』のマーケティング担当者である芳賀俊哉に、容器の進化やおいしいアレンジ方法について聞いてみました。
INDEX
コーンの粒が口にジャンプ!?そのしくみとは
― 早速ですが、よく聞かれる缶のコーンポタージュやおしるこの粒が残ってしまうという問題、何か工夫があるのでしょうか?
実は、アサヒ飲料のコーンポタージュやおしるこの缶は、2013年から「粒ジャンプ缶」という缶を採用しています。「粒ジャンプ缶」は飲み口から6mmほどの段差をつけているんです。以前から、コーンの粒が出てこないというお客さまの声があり、段差をつけることで粒が飛んで出てくる仕様にしています。
― 本当だ!段差がありますね。今まで気づきませんでした。
段のところで粒が当たり、液体の流れを変えることでジャンプして出てくるような仕組みになっているんです。飲み口までまっすぐ平らな缶は、端に粒がひっかかってしまいがちですが、ジャンプ缶の場合、粒が残りにくくなっています。「粒ジャンプ缶」の採用を検討する際には、出てくる粒を数えながら検証したと聞いています。
― さらに粒を残さない裏ワザはありますか?
最初、粒は底にたまっているので、缶をひっくり返して粒を飲み口の方に移動させてから飲むといいですよ。粒が動いていることをイメージしながら移動させてください。
一度開けた後は中身を混ぜる様に缶を軽く回してからお飲みいただくと粒が動いて比較的粒残りが少なくなります。
コーンの粒は何粒?粒の数にもこだわりあり
― コーンポタージュに入っているコーンの粒にもこだわりがあるのでしょうか?「ハレの日、アサヒ」編集部でコーンの数を数えてみたところ、今回は1缶に23粒※入っていました。
飲み物としてのポタージュの液体部分と固形のコーンの粒のベストバランスを考え、粒の数にもこだわっています。そして、コーンの食感も大切にしています。一般的に粉末のコーンスープはコーンを固く感じることがあると思いますが、缶入りのコーンはみずみずしくてシャキシャキしている食感が特長。コーンポタージュは、こだわり国産バターを使用し、甘みだけでなくほどよい加減の塩味を効かせ、シャキシャキしたコーン本来の味わいを楽しんでいただけるように仕上げています。
※缶によって入っている粒の数は異なります
濃すぎて製造できる工場が限られる、老舗あんこ屋特製おしるこ
― おしるこも冬になると飲みたくなるホット飲料の一つです。
アサヒ飲料のホット飲料の中でも、おしるこは人気商品の一つです。『アサヒ おしるこ』のこだわりは濃さにあります。遠藤製餡という老舗のあんこ屋さんの餡を使っているのですが、あまりに濃くて一般的な工場だと「製造ラインが詰まってしまうので嫌だ」と言われてしまうくらいの濃さ。それを実現してくれる工場でのみ製造ができる商品なんです。
おしるこは煮詰めた餡に豆を入れてつくりますが、豆は小豆の他に竹小豆、いんげんまめと3種類使っていて、豆にもこだわっています。お客さまからは「この濃さがいい」という声が多く、実は缶入りおしるこ市場の約半分のシェア※が『アサヒ おしるこ』なんです。
おしるこにも粒ジャンプ缶を使用していますが、小豆の粒残りについてはお客さまからお声をいただくことがあり、改善を目指して飲み方も色々と試しています。コーンポタージュ同様に、まず開ける前に缶をひっくり返し、粒を飲み口の方に移動させてから開けるのがコツです。開けた後は、中身を混ぜる様に缶を時計回りに回して、粒が動いてからお飲みいただくと比較的粒残りが少なくなります。
飲み方以外の解決策としても、小豆のサイズや飲み口について工夫できないか、今後も考えていきたいと思っています。
※富士経済「食品マーケティング便覧」
マーケティング担当者が教える、おすすめの飲み方はスープにパンをつけて食べる「しみパン」
― コーンポタージュやおしるこは外出先で飲むことが多いと思いますが、自宅でできるおすすすめの飲み方はありますか?
ご自宅で飲む場合、試していただきたいのがスープにパンをつけて食べる、というもの。私は「しみパン」と呼んでいます。マグカップにコーンポタージュやおしるこをあけて電子レンジで温め、スープにパンをサッとつけて食べてみてください。サクッとした食感のトーストと温かいスープが混ざり合って、幸せな気持ちになります。
コーンポタージュは食パンやフランスパン、おしるこは食パンにバターをたっぷり塗って焼いたものや少し甘みのあるパンが合うと思います。寒い冬の朝食には、ぴったりですよ。
― 我が家では冬におしるこを時々作るのですが、小豆缶の量が少ないとシャバシャバになってしまいます。缶入りおしるこは活用できそうですね。
缶入りおしるこをマグカップにあけて、薄切り餅や小さく切った餅を固いまま入れて、一緒に電子レンジで温めると手軽に老舗あんこ屋のおしるこが楽しめますよ。ご自宅でおしるこをつくるのは少し手間がかかるので、時間をかけずに安定したおいしさが楽しめるのでおすすめです。
― 最後に読者の皆さんに一言お願いします。
夕方、お腹がすいた時や勉強や仕事で少し疲れた時に飲んでいただけると嬉しいです。手軽な小腹満たしにもなりますし、優しい味わいで心がほっとできるのではないでしょうか。私自身、夕方の少し疲れた時に飲むと、心に沁みる感じで「さぁ、もうひと頑張り!」と気分転換につながっています。飲んだ人のお腹と心を満たす飲み物でありたいですね。
プロフィール
芳賀俊哉 (はが としや)
アサヒ飲料マーケティング本部マーケティング三部コーヒーグループプロデューサー。入社後、工場で経理業務担当後、社内公募制度でマーケティング本部に異動。その後、営業部門を経て、再度、マーケティングに従事。2023年9月より現職。ファミリーレストランのスープバーやホテル朝食でコンポタがあるとテンションが上がり、絶対に飲んでしまうほどのスープ好き。