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フェムケア商品担当者が語る“やさしさが連鎖する社会に”

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フェムケア商品担当者が語る“やさしさが連鎖する社会に”

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アサヒグループ食品は「女性の健康課題解決に貢献したい」という思いをこめて2つのフェムケア商品を発売しました。商品開発の過程ではさまざまな発見があったといいます。開発担当者に話を聞きました。

「フェムケア」って、知っていますか?

「フェムケア」とは、「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」をかけあわせた用語で女性の体や健康のケアをする商品やサービスのことを指す造語です。

最近よく耳にする言葉ですが、海外で盛り上がりを見せていた「フェムテック」※1が日本でも取り上げられ、ここ数年で話題に上る機会が急激に増えたことから、これらを機に女性特有の健康課題について正しく向き合おうという風潮になってきました。

さらに、最近は、女性の体調変化を知ってサポートできるようにしたいと思う男性も増え、社会ではオールジェンダーでフェムケアに向き合おう!とする動きが広がっているようです。

※1:女性特有の健康課題をアプリやAIなどのテクノロジーで解決する商品やサービスのこと。「Female(女性)と「Technology(テクノロジー)をかけあわせた用語

アサヒグループのフェムケア新商品は、ちょっと変わったブランド名

アサヒグループでは、2024年春、女性の健康をサポートする新商品を発売しました。

1月に発売した『わたしプロローグ』は、アサヒグループ独自の乳酸菌「CP2305ガセリ菌」を配合した商品で、日本で初めて※2月経に関する機能性を訴求した機能性表示食品です。「CP2305ガセリ菌」には正常な月経周期を有する健康な女性の「月経前の一時的な晴れない気分、精神的疲労感、眠気を軽減する」機能があると報告されています。20~30代の女性に向けた商品です。

アサヒグループ食品・ダイレクトマーケティング部・藤澤侑衣が開発を担当しました。

※2:アサヒグループ食品調べ(2023年12月)

わたしプロローグ
アサヒグループ食品 ダイレクトマーケティング部 藤澤侑衣

もう一つの新商品は3月に発売した「ララフェム」 。40~50代のゆらぎ世代の女性に向けた商品で、大豆イソフラボンや「乳酸菌CP2305」などが配合されています。サプリメントタイプの『ララフェム シトラスミックスの香り』と、スティックゼリータイプの『ララフェム ゼリー ピーチティー風味』の2アイテムを展開しています。

*「ララフェム」は機能性表示食品ではなく、「CP2305ガセリ菌」を含有する機能性表示食品に示される機能性が適用されるものではありません。

「ララフェム」の担当は、アサヒグループ食品・マーケティング三部・中島舞子です。

『ララフェム シトラスミックスの香り』『ララフェム ゼリー ピーチティー風味』
アサヒグループ食品 マーケティング三部 中島舞子

『わたしプロローグ』と「ララフェム」というちょっと変わったブランド名。その由来や、どのような思いを込めて開発したのか担当の2人に商品誕生までの経緯やこだわりなどを聞きました。

「フェムケア」を理解することからスタートした商品開発

ー 2ブランドは「フェムケア」の注目度が高まってきたことから開発を始めたのですか?開発の経緯を教えてください

藤澤:実は最初は女性向け商品を開発しようということではなかったんです。私たちは長年にわたり「カルピス」由来の乳酸菌研究を続けているのですが、アサヒグループ独自の乳酸菌の1つ「CP2305ガセリ菌」活用の可能性を探っていたところから始まります。「CP2305ガセリ菌」は優れた機能を持つ乳酸菌で、2017年頃に女性ホルモンの変動や調節に影響を及ぼすのではないかということがわかってきたのです。そこで女性に向けた商品を開発することになったのですが、当時はまだ「フェムケア」という言葉は聞いたことがありませんでした。

ー 2017年頃?!では、商品化まで約6年かかっているのですね。

藤澤:そうなんです。研究成果を生かすべく、どのように商品化していくか検討している中、2019年に「フェムケア」という言葉を聞いて、こういった分野があることを知りました。そこでまず「フェムケア」を理解することから始めたんです。また、機能性表示食品として発売しようと決めたのですが、これまで「月経」に関する機能性表示食品は存在していなかったので、商品化するまでにとても時間がかかりました。

―「ララフェム」の開発はもう少し後ですよね?

中島:そうですね。開発がスタートしたのは2022年です。私は女性向けの健康食品ブランドも担当していて、その一環で各年代の女性に日常のお悩みごとをヒアリングする機会があったのですが、そこで印象深かったのが40~50代の女性、いわゆる“ゆらぎ世代”の方々特有のお悩みがとても多い事でした。人それぞれに悩みごとは違うのですが、調べていく中で、多くの女性が体験することだとわかり、なにかサポートする商品を提案できないかと考えました。『わたしプロローグ』のターゲットと年代は違いましたが、先行してフェムケア商品の開発を進めていた藤澤さんにアドバイスをしてもらったこともありました。

女性に共感してもらえる商品を目指して

ー 商品開発を行なう上でのこだわりや、苦労したことはありましたか?

藤澤:こだわったのは商品名やパッケージですね。サプリメントっぽくない名前だなと自分でも思いますが、毎日飲むことを負担に感じずに、お客さまのお守りのような存在にしたい、という思いがありました。仕事や生活スタイルにおいて変化を感じやすい20代後半から30代の女性に対して、前向きな新しい人生の始まりに寄り添う商品に、という意味をこめて「プロローグ」と名付けました。朝焼けの空のデザインは、つらいときこそ上を向いてほしい、という思いを表現しています。また朝焼けは一日の始まりに見ることができるため、商品名の「プロローグ」とかけた意味合いもあります。

でも、これに対して、当初社内の、特に男性社員から「何の商品かわかりにくいのでは?」という声がとても多かったんです。確かに男性にはわからないかもしれないと思い、女性社員にアンケートを取るなどして理解を深めていきました。女性からは「デザインがかわいい」「バッグにいれていて恥ずかしくない」など共感の声をたくさんもらいました。そうしてコンセプトをぶらすことなく進めることができました。

中島:私も商品名にはこだわりました。ゆらぎの時期を少しでも前向きに過ごしてもらいたいという思いを込めて「ラララ~」と歌っているような気持ちを表現した「ララ」と「フェム」を組み合わせました。そして、ドラッグストアなどの店頭で自分向けの商品だと一目でわかってもらうために、この年代の女性が摂りたい成分である「大豆イソフラボン」や、乳酸菌の名前が目立つように大きくデザインしました。ただ、文字ばかりでは固くなってしまうので、情緒的な要素としてバラの花をデザインしています。赤いバラの花言葉は「美」、オレンジのバラは「健康美・健やか」なんですよ。水彩画風の柔らかいトーンにして、ゆらぎを表現したのもこだわりです。

サプリメントにはシトラスミックスの香りをつけて、薬っぽいイメージにしないよう工夫し、ゼリーはデザート感覚で、より手軽に成分を摂りたい方向けにしました。

ー 売り場やターゲットは違えど、女性のお客さまに前向きになってほしい、寄り添いたい、という思いがこもっているのですね。

中島:私は20代なので、『わたしプロローグ』にとても共感しているのですが、40~50代女性のお悩みは実感できないんですね。男性が月経をわからないのと同じように自分も対象でなければわからない。なので、母や周りの先輩方、お客さまにたくさんお話を聞きました。当時は近しい人にしか聞けませんでしたが、「フェムケア」の話題が多くなって、最近少しオープンになってきたなと感じています。話して共感してもらうと気持ちが楽になったという方も多くいらっしゃいました。たださまざまな方がいらっしゃいますので、話すことに抵抗がある方は無理に話す必要はないですし、このように社会の環境が変わってきたことが良いなと感じています。

40~50代の女性は、心や体に変化が生じやすい時期ですので、自分の心や体をケアする健康食品をちょっと使ってみたいなという方に試していただきたいです。この商品を自分をケアする選択肢の一つにしてもらえるといいなと思っています。

藤澤:月経って一生で400回あると言われているんです。1回で終わりではない、ずっと寄り添っていきたいという思いから定期的にご自宅にお届けができる通信販売の形態でお勧めすることがあっていると感じています。まだ“プロローグ(始まり)”、にすぎないので、少しでもお客さまの健康課題やお悩みに寄り添えるような商品になれば嬉しいです。

また、この商品を通して新しい発見がたくさんありました。60代のお客さまがお孫さんのために申し込んでくださったり、展示会で話した男性は「妻に良さそう」と言ってくださったり。自分だけの問題ではないと感じている方が多いんだなと思い、この商品をきっかけに優しさが連鎖していくといいなと思っています。

女性だけでなく、誰もが生きやすい社会に

ー 最後に、商品を通じてどのような社会にしていきたいと考えていますか?

中島:実は、私たちの社内もちょっとずつ変化してきているんです。これまでは女性の健康課題について男性は「よくわからない」だったのが、「わからないから教えてほしい」という意識になっています。商品を発売して事業としてスタートしたことが「フェムケア」への理解が進む一つのきっかけになっていると思います。

先日、社内勉強会で「生理痛疑似体験会」を開催したんですよ。体験した男性社員からは「数分でもきついのに、女性はずっとこんな思いをしているなんて本当に大変・・・」「妻や娘に対するケアを考え直すべきだと思った」などの声がありました。さまざまなグループ会社から約100名が参加したのですが、こういった取り組みを通じて、みんながお互いを理解し合えるようになると良いなと思います。

藤澤:社会全体がもっともっとこの領域に注目して、理解が進んで広がっていって、いつもとちょっと違う自分に対して、そんな時も含めて自分自身であるという“自己受容”や、一緒にいる相手の状況を理解してあげることのできる“他者理解”が進んでいく、今までタブーとされていたことを取り払うことで一人一人が生きやすい世の中になって欲しいなと思います。

機能性表示食品について
・本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
・本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
・食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

「カルピス」は、アサヒ飲料株式会社の登録商標です。

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