夏休みに行きたい!探検気分で楽しめる“防災地下神殿”
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いよいよ夏休みが近づいてきましたね。おでかけ先のマンネリに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。今回は、近年その役割が注目され、撮影などでも使われている大迫力の“防災地下神殿”を紹介します。探検気分で楽しめて、知的好奇心をくすぐられること間違いなしです。夏休みの宿題にも役立つかもしれませんよ!
INDEX
“防災地下神殿”とは?洪水から街を守る世界最大級の地下放水路
皆さんは、埼玉県春日部市にある“防災地下神殿”こと首都圏外郭放水路をご存じですか?
埼玉県の中川・綾瀬川流域は、大河川に囲まれ、土地が低く水がたまりやすいため、昔から浸水被害に悩まされてきました。この地域の中小河川の洪水を大河川である江戸川に排水し、洪水被害を軽減するために建設された世界最大級の地下放水路です。
1992年に着工、2006年に完成以降、周辺地域で浸水する家屋の戸数や面積は大幅に減り、被害を大きく軽減しています。施設に水を取り込むのは平均年7回程度、最も多かった2015年9月の台風17号・18号のときには約1,900万m3を排水しました。
迫力満点!見学コースを体験
この“防災地下神殿”は一般見学が可能で、今回は4コースの中から立坑体験コースに参加してきました。他には、地下神殿コース・ポンプ堪能コース・インペラ探検コースがあり、それぞれ事前予約制で有料です。
※詳細は防災地下神殿のホームページをご確認ください。
まずは龍Q(りゅうきゅう)館で概要のレクチャーからです。
放水路の主な施設は、中小河川の水を地下に取り込む「立坑(たてこう)」、地下で水を送り込む「トンネル」、水勢を弱めてスムーズな排水を促す「調圧水槽」、調圧水槽に集めた水を江戸川に排水する「ポンプ設備」など。地下トンネルは全長6.3㎞にもなるそうです。
水位や雨量の監視や設備の操作など、放水路全体をコントロールしている中央操作室も窓越しに見学することができます。特撮ドラマなどの撮影にもよく使われているので、見覚えのある方もいるかもしれません。
次はいよいよヘルメットとハーネスを装着し、一番の見どころの地下神殿「調圧水槽」に入ります。今回は数日前の大雨の影響で泥水が残っていて地下の底部分までは降りられず、作業用の通路であるキャットウォークからの見学となりました。少し残念でしたが、それでも大迫力。
内部は気温15℃ほどで、シンっと静かで荘厳な雰囲気です。サッカーグラウンド2面分の巨大な空間に、高さ18m・重さ約500tの柱が59本立ち並び、まるで神殿のような光景が広がっています。ARアプリを使うと洪水時の様子を疑似体験することもできますよ。
最後に、第1立坑の見学です。第1立坑は、深さ約70m、直径約30mの巨大な縦穴で、他の立坑と異なり流水機能はありません。下部のトンネルでつながっている他の立坑が取り込んだ中小河川の水を調圧水槽に流す施設です。 作業用通路(キャットウォーク)を一周し、その大きさを体感できます。スペースシャトルや自由の女神がすっぽり入ってしまう大きさだとか。のぞき込むと足がすくむほどの迫力です。
いかがでしたか?まだまだ知らない世界があって、未知の体験ができる場所がたくさんありそうです。皆さんもこの夏はぜひ未知の体験をしてみませんか?