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Bean to Barチョコレートの魅力とドリンクのペアリング術

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Bean to Barチョコレートの魅力とドリンクのペアリング術

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2月といえばバレンタインデー。チョコレートを目にする機会が増えますよね。大切な人に贈るのもいいですし、頑張っている自分にご褒美チョコレートを贈るのも素敵です。今回は、最近話題のBean to Barスタイルでチョコレートの製造・販売を行うMinimal – Bean to Bar Chocolate – 代表の山下貴嗣さんに、チョコレートへのこだわりやドリンクとのペアリングについて聞きました。皆さんも自分好みのチョコレートとドリンクの組み合わせを見つけてみませんか?

プロフィール

山下 貴嗣

Minimal – Bean to Bar Chocolate – 代表

カカオ豆の選定からチョコレート製造まで一貫して手掛ける新しい製法である「Bean to Bar」に感銘を受け、クラフトチョコレートブランド「Minimal – Bean to Bar Chocolate – 」を設立。1年のうち4カ月強は赤道直下のカカオ農園に自ら足を運び、100%フェアトレードでの買付と、毎年農家と協働し品質改善に取り組む。

Bean to Barって何?

最近Bean to Barという言葉を耳にする機会も増えたと思います。Bean to Barとはチョコレートの製法スタイルの一種です。チョコレートの原料であるBean(カカオ豆)を直接仕入れて自家焙煎し、Bar(板チョコレート)に仕上げるという一連の工程を自分たちで一貫管理して担うスタイルを指します。

Minimalでは、カカオ豆の素材を最大限に生かすことにこだわり、チョコレート作りを行っています。カカオ豆は品種や国によって味が違うため、本来素材が持っている香りや味わいを最大限に引き出すことを大事にしています。

産地から届いたカカオ豆(写真:Minimal – Bean to Bar Chocolate – )

素材の香りや味わいを最大限に引き出す2つのポイント

素材の香りや味わいを最大限に引き出すためには、素材選びと製法の2つのポイントがあります。

厳選したカカオ豆の仕入れ

Minimalでは、30~40カ国を訪れ、特定の産地からだけではなく、世界中の産地からカカオ豆を厳選。さらに、発酵や乾燥の研究を行い、素材のおいしさを最大限に生かす方法で仕入れています。

独自の製法

Minimalのチョコレートは、独自の粗挽き製法でザクザクした食感を残しているものが多いです。カカオ豆を挽くとすり潰すような形になり、素材にストレスがかかってしまうので、ストレスをかけない粗挽きにすることで、フレッシュでカカオ本来の香りや味わいが残りやすいチョコレートを作ることができます。全てのカカオ豆を粗挽きにしているわけではなく、素材に合わせて最適な挽き方を採用しています。

その他にも、カカオ農家の技術改善を支援したり、カカオの焙煎温度を1分1秒単位で調整するなど、素材×製法のかけ合わせにこだわっています。

写真:Minimal – Bean to Bar Chocolate –


この2つのポイントを大事にした上で、お客さまにチョコレートの新しい楽しみ方を提供するため、板チョコレートだけでなく、ガトーショコラやチーズケーキなど、チョコレートを使ったいろいろなお菓子を提案しています。カカオは酸味があるものや、果実味があるもの、ハーブのような香りがするものなど個性があるので、素材に合わせて、それぞれの個性を最大限に表現できるお菓子を常に考えています。チョコレートの幅を広げることで、お客さまにいろいろな楽しみ方があるということに気づいてもらえたらうれしいです。

Minimal The Specialty 麻布台ヒルズにて

チョコレートに合うドリンクペアリングで、新しい楽しみ方を体験

チョコレートは単体でも楽しめますが、ドリンクとの合わせ方で“味わいが変わる”ことをご存知ですか?ここではおすすめのチョコレートとドリンクのペアリングを紹介します。

板チョコレート ’Arhuaco× オレンジワイン

アルアコ族がつくるカカオ豆を使用したぶどうジャムのような甘みや果実味を持っている板チョコレート’Arhuaco(アルアコ)は、オレンジワインと相性バッチリ!

オレンジワインは、タンニンの渋みと果実味のバランスが良く、合わせると、お互いの果実味を感じることができます。先にチョコレートを食べてから、オレンジワインを飲むと心地良い余韻が広がります。

苺の生ガトーショコラ -いちご家めい- × コーヒー

苺の生ガトーショコラ -いちご家めい- は1月~3月まで販売している限定商品です。香川県の苺「女峰」と、埼玉県深谷市の卵「宝玉卵」、タンザニア産カカオ豆を使ったチョコレートを使用しています。ペアリングは、酸味がある華やかな香りの浅煎りコーヒーと。

エチオピア産のコーヒーは、酸味と華やかな香りがあることが多いのでおすすめです。ビターなコーヒーは味が強すぎることがあるので、苦すぎないものを。コーヒーが持っている果実味と苺の果実味がよく合い、コーヒーのコクや苦味が、チョコレートや卵の甘さと相まって心地よく余韻が伸びるのを楽しめるペアリングです。コーヒーを一口飲んでからガトーショコラ、そしてまたコーヒー、と味わってみてください。

生ガトーショコラ -PRIME- × 焙煎紅茶

生ガトーショコラ -PRIME-は、通年販売しているMinimal一番人気の商品です。チョコレートの甘さ、滑らかさ、そして心地よいコク、チョコレートの苦味を表現しています。食べると最初に甘さとか滑らかさ、最後に鼻にすっと残るようなコクが感じられます。これは温かい焙煎紅茶と相性が良いです。

焙煎紅茶は、発酵させた紅茶をさらに焙煎している紅茶で、紅茶の独特で気持ちいい香りや渋みに、焙煎から生まれるほうじ茶のようなコクが特徴です。紅茶の渋みとチョコレートの渋みが、焙煎のコクとチョコレートの甘さにマッチして、心地良いペアリングになります。焙煎紅茶が難しければ、通常の紅茶で渋みを合わせる、ほうじ茶でコクを合わせるのもおすすめです。先に温かい焙煎紅茶を飲んでから食べてみてください。

チョコレートレアチーズケーキ × 赤ワイン

チョコレートレアチーズケーキは、ベリーのようなフルーティな酸味を持っているチョコレートにマスカルポーネを合わせたチーズケーキです。ねっとりとしていて重厚な味わいなので、赤ワインのミディアムボディと相性が良いです。

赤ワインは渋みがきちんとありつつも果実味があるので、チーズや乳酸系に合いますし、チョコレートが持つ果実味ともとても相性が良いんです。フルボディの赤ワインだと渋みが強いので、ミディアムボディの赤ワインがベスト!先に赤ワインを飲んでからチョコレートレアチーズケーキを楽しんでみてください。

アーモンドチョコレート × ラム

アーモンドと同じような食感のザクザクしたカカオ80%のビターチョコレートでアーモンドを包みました。アーモンドチョコレートはナッツのコクと油の甘さが感じられるので、甘さとコクが魅力のラムと合わせて。

ラムは少し焦げたような香りや、コクがある甘いダークラムがおすすめです。ラムを先に口に入れてから、アーモンドチョコレートを食べることで、ラムの甘さとアルコールがチョコレートのビターさに寄り添ってくれますよ。

相性は2階建ての家のように…?山下さん流 ペアリングの考え方

個人的な考え方ですが、ペアリングは2階構造の家のように考えています。1階は味わいや質感の重厚さや強度、2階は香りや味の組み合わせによる変化です。

心地よいペアリングは、1階から考えることがポイント。例えば、赤ワインや蒸留酒などの渋みが強かったり、アルコール度数が高いものはボディが重たくなり、チョコレートがお酒に負けてしまうんです。逆にチョコレートの方が強すぎて、お酒の繊細な香りが消えてしまうこともあります。「赤ワインは渋みがしっかりしているので、チーズケーキのような少し重たいものと合わせるとちょうどいい」といったイメージですね。まずはペアリングするものの強度を合わせることが大切です。

1階の強度が合って土台がしっかりした上で、2階で個性を磨きます。磨き方は3タイプあって、1つは共有で持つ個性を伸ばす「相乗」で、果実味と果実味を合わせるといったイメージです。あとは、どちらかの個性を強調してより感じる「相対」、全く新しい個性を生む「創造」です。皆さんが一番試しやすいのは相乗だと思います。

ペアリングがうまくいくと、心地よく食を楽しめるので、皆さんもぜひいろいろな組み合わせにチャレンジして、自分好みのペアリングを探してみてください。

text・photos 「ハレの日、アサヒ」編集部

「Minimal – Bean to Bar Chocolate -」公式HP

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