皆さん、子供の頃に「スイカって実は果物じゃなくて野菜なんだよ！」といった会話を家族や友達としたことってありませんか？初めてその話を聞いた時に筆者もビックリしたものです。もしかしたら、お子さんに同じ話をしてあげているママやパパもいらっしゃるかもしれませんね。

ということで、今回は普段何気なく口にしている食材の分類について調べてみました！

そもそも野菜と果物って何が違うの？

私たちは普段スーパーに並ぶ野菜や果物を見て、何も疑問を抱かずに分類を理解しています。では、「なぜスイカが野菜に分類されるか？」と聞かれると答えに困ってしまいますよね。野菜と果物それぞれの定義や、区別するための違いはどのようなものなのでしょうか？

農林水産省による分類

まずは農林水産省の分類について見てみましょう。農林水産省では、作物の生産状況を把握するために作況調査を実施しており、その際に用いられる分類を参考にします。その中では、果樹をこう定義しています。

概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。(引用元：農林水産省)

「草本植物(そうほんしょくぶつ)」「木本植物(もくほんしょくぶつ)」というのは聞きなれない言葉ですが、いわゆる草と木のことです。つまり、農林水産省の基準では、収穫に2年以上かかる草木で果実を食べられるものを「果樹」として扱っているという意味になります。私たちが慣れ親しんだ分類とのギャップが生じるのは、ここがポイントになりそうですね。

ちなみに「果樹」と「果物」という二つの言葉も違いがややこしいですが、果物がなる木を果樹、そこに実る部分を果物と言います(日本語って難しいですね…)。

スイカは野菜か果物か？

冒頭でも紹介したスイカは、多くの人が果物と認識していますよね。スーパーマーケットでは果物売り場に並んでいることが多く、その甘みや水分量から果物のイメージが強い食材です。

しかし農林水産省の分類では、スイカは「果実的野菜」という、野菜の仲間として扱われています。これは、スイカが一年生の草本植物であり、先ほど紹介した「収穫に2年以上かかる」という部分が当てはまらないためです。このように、分類上は野菜として扱われているけど、果物と同じように食べられているものを農林水産省独自の分類で「果実的野菜」と呼んでいます。

余談ですが、同じように省庁が実施している調査であっても、総務省が実施している家計調査では、スイカを「果物」として分類しています。

野菜か果物かクイズ

ここからは、農林水産省の分類を元に、クイズ形式でさまざまな作物が野菜か果物かを見ていきます。これまでの認識とは違うものもあるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください！

メロン

【問題】 メロンは野菜か果物かどっち？

アボカド

【問題】 アボカドは野菜か果物かどっち？

いちご

【問題】 いちごは野菜か果物かどっち？

トマト

【問題】 トマトは野菜か果物かどっち？

レモン

【問題】 レモンは野菜か果物かどっち？

オリーブ

【問題】 オリーブは野菜か果物かどっち？

すだち

【問題】 すだちは野菜か果物かどっち？

ピーマン

【問題】 ピーマンは野菜か果物かどっち？

ズッキーニ

【問題】 ズッキーニは野菜か果物かどっち？

栗

【問題】 栗は野菜か果物かどっち？

キュウリ

【問題】 キュウリは野菜か果物かどっち？

梅

【問題】 梅は野菜か果物かどっち？

海外ではトマトが野菜か果物かを決める裁判が起こったことも！？

野菜と果物の分類は国によっても違いますが、1893年のアメリカでは「トマトは野菜か？果物か？」について最高裁判所で判決が下されました。発端は関税法で、輸入野菜には10%の関税がかかる一方、果物には関税がかからなかったのです。

ニューヨークの農産物業者が「トマトは植物学的に果物である」と主張し、税収官のエドワード・ヘイデンを相手取って支払った関税の返還を求める訴訟を起こしました。結果、最高裁は「トマトは一般的な食事での使われ方から見て野菜である」という判断を下しました。スープや魚、肉料理と共に食事の一部として供されることが、その理由だったそうです。

まとめ

普段、私たちが何気なく「野菜」「果物」と呼んでいる食材たちですが、分類がイメージと異なっているものもありましたね。クイズで紹介した中で周りをあっと驚かせられそうな回答のものがあれば、ぜひ披露してみてください。

次にスーパーに行ったとき、野菜売り場と果物売り場、少し違った目で見てみるのも面白いかもしれませんね！

text 「ハレの日、アサヒ」編集部