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「食べチョク」秋元社長に聞く イノベーションに必要なマインドとは

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「食べチョク」秋元社長に聞く イノベーションに必要なマインドとは

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皆さんは今何かチャレンジしてみたいことはありますか?興味があることでも、失敗が怖かったり、何から始めたら良いのかわからなかったりして、一歩踏み出して挑戦するのって難しいですよね。

今回はこだわりを持った生産者から直接食材をお取り寄せできるオンライン直売所「食べチョク」の秋元里奈社長に、起業のきっかけやイノベーションを起こすために大事なマインドをお聞きしました。これを読めば新しいことを始めるときのヒントが見つかるかも?ぜひ参考にしてみてください。

プロフィール

秋元 里奈

神奈川県相模原市の野菜農家に生まれる。 慶應義塾大学理工学部を卒業後、2013年にDeNAへ新卒入社。2016年11月に一次産業分野の課題に直面し株式会社ビビッドガーデンを創業。2017年8月にこだわりの生産者が集うオンライン直売所「食べチョク」を正式リリース。リリース4年で認知度/利用率No.1の産直通販サイトに成長。2024年4月にダボス会議を主催する世界経済フォーラムが選出する世界で活躍が期待される「ヤング・グローバル・リーダーズ(YGLs)」に選出。その他、TBSの報道番組「Nスタ」水曜レギュラーコメンテーター、日本テレビ系列「ウェークアップ」パートナー、内閣府「規制改革推進会議」専門委員、農林水産省「GI学識経験者委員」など。

新卒3年目での退職→起業。そのきっかけは?

―新卒で入社された会社を約3年で退職され、一見畑違いとも言える事業で起業されましたよね。どういった経緯だったのですか?

元々実家が農業をやっていたのですが、中学の時に廃業していまして。社会人になって帰省した時に昔きれいだった畑が耕作放棄地になってしまっているのを見て、当時勤めていた会社で担当していたIT領域で解決できることがあるんじゃないかと考えたのがきっかけです。

自分の実家みたいな小さい規模の農家でも、しっかり収益が得られて、ちゃんと次の世代につなげられる一次産業を作りたい、今の自分だからこそできることがあるんじゃないかというところから、25歳で会社を辞めてビビッドガーデンを創業し食べチョクを立ち上げました。

―事業を立ち上げるにあたり、一番大変だったことはどんなことですか?

創業当時の秋元さん

見切り発車で突然会社を辞めて作ったので、社員もいないし、「農業で何か事業をやりたい」という漠然としたアイディアしかないし、農家の方のツテもないし…全く何も無いところからのスタートでした(笑)だから大変だったというか、もう何もなかったので、1個1個少しずつ構築してきたという感じですかね。

実はスタートした時は「食べチョク」ではなく、空いている農地と使いたい人をマッチングするサービスを考えていたんです。ただ実際にお話を聞くと、「農地は個人所有でも水は周辺の農家と一緒に使っているので知らない人に農地は貸せない」と全くニーズがなくて、起業してすぐに難しいと分かりました。なので起業したのはいいもののアイディアがなくなって、そこから2,3か月くらい農家を回って、お手伝いする中で課題を聞いて、食べチョクの構想にたどり着きました。

「常に動いていたい」と話す秋元さんの活力の源

―普段のお仕事に加えメディアへの露出やトライアスロンへの参加、英会話のトレーニングなど休みなく活動されているとお聞きしたのですが、どういった思いが秋元さんを支えているのでしょうか?

やっぱり初めて誰に言われるわけでもなく自分で「やりたい!」と思った仕事が、この農業や食の領域だったので、大前提として仕事が楽しいんですよね。だからこそプライベートと仕事をあまり分けずに活動しています。平日はなるべくオフィスにいるようにしているので、基本的に土日に農家の皆さんのところを回っています。

―土日ですか?

はい。仕事といえば仕事ですが、そこでエネルギーをもらえるんです。感謝の言葉をもらうこともあるし、逆に課題も教えてもらえる。やることが明確になると燃えるというか、もっと頑張らなきゃと思えて、元気になって帰ってきます。
停滞してるのがあんまり好きじゃないのかもしれません。楽しく、自分がやりたいことを常にやっているという感じです。

イノベーションを起こすために重要なマインドは3つ!

―起業して新しいことにチャレンジし続けている秋元さんですが、イノベーションにはどんな環境やマインドが必要か教えてください。

(左)秋元さん (真ん中と右)生産者のお2人(KAMA FARM/釜ファーム)

自分自身を振り返ってみると、事業を始めるにはスキルや環境よりもマインドがとても大切で、要素としては3つあると思っています。

1つ目が柔軟性。基本的にうまくいかないことがほとんどなので、プラン通りにならなかった時にこれまでの成功体験を切り捨てて、柔軟にやり方を変えていけるかどうかが大事だと感じています。

2つ目は熱量。先ほどプライベートと仕事を分けていないという話をしましたが、やっぱり思いを持ってやれることだと時間を忘れてできるじゃないですか。私は「努力する人は夢中な人に勝てない」という言葉が好きなのですが、自分が夢中になれる領域かどうかは重要だと思います。

最後は瞬発力ですね。周りの“すごい人たち”を見ていると、もう思いついた時には行動しているんです。誰かに相談する前に小さくてもいいからアクションを起こす。人に話すことやSNSで発信するというのもひとつのアクションだと思います。社内でも周りに話してみると、実は私もそれやりたいと思っていたとか、こういう観点あるんじゃないかなとか情報が集まってくるんですよね。1人で抱え込みすぎずにとにかくちょっとでもいいからアクションする瞬発力が大事かなと思っています。

やりたいことは尽きない。秋元さんの今後のビジョンとは?

―イノベーションというと構えてしまいますが、日常でも何かに挑戦するときにこの3つはすぐに意識できそうです。それでは秋元さんの今後のビジョンを教えてください。

やればやるほど、やりたいことが増えているんです。ずっと自分の中では目標に対して進捗が1%ぐらいという感覚が8年続いている感覚です(笑)

―目標自体が高くなっているということでしょうか?

そうですね。目標がどんどん、すごい勢いで高くなっています。「食べチョク」を頑張ることはもちろんなのですが、元々は規模が小さい生産者が持続可能になるために会社を立ち上げたという経緯があります。今は提供できるソリューションが販売だけですが、今後は例えば人材採用の支援や資材の調達のアドバイス、規模を拡大していく時の資金調達のサポートなどもしていきたいです。やっぱり生産者の困り事って販売以外にもたくさんあるので。

私たちができていることってまだまだ限定的なので他のところにも広げていきたい、生産者の経営をトータルサポートできるような存在になりたいなというのが今目指している姿です。

秋元社長のインタビューいかがでしたか。「イノベーション」や「起業」と聞くと遠い世界のことに感じますが、普段の仕事の姿勢や日常のちょっとしたチャレンジでも生かせることがあると思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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