『green cola(グリーンコーラ)』が届けたい新しい価値観への挑戦
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2012年頃にギリシャで誕生した『green cola(グリーンコーラ』。現在は世界50以上の国と地域で展開されており、健康志向のコーラ市場で独自の存在感を示しています。おいしいコーラの味わいそのままに、植物由来のステビアの使用に加え、砂糖不使用、カロリーゼロという特長があり、爽快感のある味わいが特徴です。
アサヒ飲料がその存在を知ったのは海外の展示会。実際に飲んでみたところ、「これはおいしい」「日本のお客様にも受け入れてもらえそうだ」と感じ、発売を決定。今回はgreen colaの発売の裏側や、今後の展望について聞きました。
INDEX
「炭酸のアサヒ」が挑む、コーラ市場の再活性化
「アサヒ飲料として、最大カテゴリーであるコーラ市場に新しい風を吹き込みたい。既存のコーラにはない価値を提供したいと思った時に出会ったのが、この『green cola』でした。」マーケティング部の山上は、プロジェクトの始まりをそう振り返ります。
炭酸飲料市場では近年、健康志向の高まりを背景に、有糖タイプの炭酸飲料が減少傾向にあります。その一方で、炭酸水など無糖炭酸飲料の人気が急速に拡大していきました。しかし、炭酸飲料全体で見ると、今なお市場の4割近くを占めているのは「コーラ」であり、依然として最も巨大なカテゴリーであることに変わりはありません。
ただ、現在のコーラ市場は新たな提案が少なく、やや硬直化した状況が続いていました。その影響もありコーラユーザーは年々減少。特に若い世代からの離反が進み、市場全体の活力低下が課題となっています。
実はアサヒ飲料も過去に「三ツ矢クラフトコーラ」という商品を発売し、この高い壁に挑戦した経緯があります。しかし、長年培ってきた「三ツ矢」ブランドが持つ爽やか・透明感といったイメージと、コーラが持つ特有の世界観を結び付けることが難しく、継続的なブランド展開には至りませんでした。
それでも、「炭酸のアサヒ」を掲げる以上、炭酸飲料最大のカテゴリーであるコーラにもう一度挑戦を始めます。そんな強い覚悟のもと、コーラ市場への再挑戦を模索する中で出会ったのが、ギリシャ生まれの「green cola」でした。
既存のコーラとは異なる新しい価値観を持つその商品に、私たちは大きな可能性を見い出したのです。
ターゲットは若者。自分らしい選択を大切にする世代に寄り添う
green colaは、ギリシャでは「ノーシュガー・ノーカロリーの健康志向なコーラ」として支持を広げてきたブランドです。しかし、日本市場に本国の訴求をそのまま持ち込んでも簡単には通用しないと考えました。
日本には特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品といった制度があり、「健康」を切り口にした商品が溢れています。そのため、単に「ノーシュガー・ノーカロリーだから健康的」という機能価値だけをアピールしても、差別化は困難です。そこでアサヒ飲料が着目したのが、コーラ離れが顕著だった「若年層」でした。
「コーラ市場を分析すると、既存のコーラブランドでは特に若い世代の支持が減少傾向にありました。だからこそgreen colaは、この世代に向けたブランドとして育てていきたいと考えたんです。」
若年層のライフスタイルや価値観を深掘りしていく中で、見えてきたユニークな特徴がありました。それは、「周囲の空気やトレンドに無条件に従うのではなく、自分にとって不要なものには、しっかり“No”と言える」という、芯のある強さです。
周囲に流されず、自分らしい賢い選択を大切にする。そんな彼らの姿勢と、green colaが持つ「NO SUGER」「NO CALORIES」という最大の特徴を重ね合わせることで、単なるゼロ系飲料を超えた「自分らしい選択を後押しするブランド」という日本独自のポジショニングを設計しました。
「いらないものには、ちゃんと“No”と言う。その前向きな意思表示のそばに、いつもgreen colaがある。」そんな存在を目指していきたいとと山上は話します。
若年層との接点を作るため、コミュニケーションの設計も大胆な挑戦をしました。2026年5月の首都圏先行発売では、あえて従来のテレビCMを一切打たず、デジタル施策を中心に展開。
起用したのも、幅広い世代に知られたタレントではなく、若年層から支持を集めるインフルエンサーたち。企業からの一方的な発信ではなく、SNSを通じてユーザー自身の言葉でブランドの価値観が語られる仕掛けを何よりも重視しました。
日本のお客様に愛される味を目指して。成熟市場へ後発として参入する覚悟とは
green colaとの出会いにおいて、コンセプトの斬新さはもちろんですが、チームがそれ以上に衝撃を受けたのが、実際に飲んだときの「味わいの完成度」でした。
これまで海外のさまざまな炭酸飲料を試してきた中で、「日本の消費者の味覚には合わない」と感じる商品も少なくありませんでした。甘さが強すぎたり、人工的な風味が目立ったりするものも多いで、green colaはしっかりとコーラらしい満足感のある美味しさを保っていました。
さらに、ノーシュガー・ノーカロリーの飲料にありがちな甘味料特有の後味が比較的少ないことも、アサヒ飲料として高く評価したポイントでした。
しかし、日本での本格展開を見据えると、もう少し後味をすっきりさせたい。日常的に飲み続けてもらうことを考えると、より軽やかで飲みやすい味わいの方が日本のお客様に合うと考えました。
本国ブランドの個性やアイデンティティを損なわないよう配慮しながら、研究所と協力して日本市場向けの味づくりに着手。味わいの方向性はすぐに固まったといいます。
完成したアレンジ版を本国のチームに確認してもらったところ、「green colaらしさはしっかりと残っている」と太鼓判を押され、独自のカスタマイズにも快く理解を示してくれました。
「コーラらしい満足感と、すっきりした後味。その絶妙なバランスの実現には、アサヒ飲料ならではの味づくりのこだわりが凝縮されています」と山上は話します。
ただ、green colaの日本展開において、味づくり以上に難しかったのが「どうやって成熟した市場に入り込むか」という戦略の部分でした。
コーラ市場は誰もが知る世界的有名ブランドが店頭の主役を占めており、消費者から見れば、「すでに選択肢は揃っていると思われても仕方のない環境です。
そんな成熟市場に、後発ブランドとして参入する。単に「新しいおいしいコーラです」という紹介だけでは、店頭で手に取ってもらう理由にはなりません。そこで山上が考えたのが、「green colaはどのような価値を提供し、なぜ選ばれるべきなのか」という、ブランドの存在意義を見出すことでした。
それが、ブランドの核心となった「NO is Smart(いらないものにNoと言うのは、賢くてスマートだ)」という生き方の提案です。
通常、「No」という言葉は否定的なニュアンスで受け取られがちです。しかし山上は、「私たちは、“No”の先にある前向きな意味に注目しました」と語ります。
自分に不要なものには「No」と言い、本当に必要なものを選び取る。その積み重ねこそが、自分らしい生き方や賢い選択につながるというメッセージです。
「単に“コーラを売る”のではなく、若者の“生き方や価値観に共感してもらう”ことを目指しました」
若者の共感から、新しいコーラ文化の定着へ
「green colaがまず目指しているのは、若年層にとって『コーラといえばgreen colaだよね』と言ってもらえる存在になることです」
実際に発売直後のイベントでは、私たちの想像を超える嬉しい反応が返ってきました。会場に集まった大学生たちから「これ、今流行っているやつじゃん」というリアルな声が上がったり、「友人に勧めたらすでに知っていた」というコミュニティ内での拡散を目の当たりにし、デジタル起点での認知拡大の手応えを強く実感しました。
「発売からわずか2週間というタイミングだったにもかかわらず、ターゲットである若い方々の間でしっかり話題化されていたことは、本当に嬉しかったですね」今回の商品プロモーションで山上たちが特に重視したのは、「共感・目撃・拡散」という流れ。
まず感度の高い若年層に「No is Smart」という考え方に共感してもらい、green colaを選んでもらう。そして、スマートにコーラを楽しむ彼らの姿を店頭や街中で「目撃」し、さらに世代を超えてカルチャーとして広がっていく。若者を起点にこれまでにない新しい文化を生み出したいという狙いがあります。
後発ブランドだからこそ、すぐに商品ラインアップを広げるのではなく、まずはgreen colaそのものが持つ独自の価値観と世界観を、市場にしっかりと浸透させることが最優先だと考えています。
目指すのは、「仕方なく選ぶゼロ飲料」ではなく、「この商品が好きだから選びたい」と思ってもらえるコーラになること。中長期的には、日本のコーラ市場における新しいスタンダードとして定着することを目標に掲げています。
text「ハレの日、アサヒ」編集部


若者の共感から始まり、やがて世代を超えて社会へと広がっていく。
green cola は、単なる飲み物の枠を大きく超えた、新しいコーラ文化をつくり出すための挑戦をこれからも続けていきます。