EGA BEER、KAME BEER.誕生秘話!アサヒ空想開発局の「本気の遊び場」
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「アサヒEGA BEER(エガビアー)」や「アサヒKAME BEER(カメビアー).」など、思わず二度見したくなる商品を生み出しているアサヒビール。その背景には、社員の「好き」を起点に新しい価値を試し続ける「アサヒ空想開発局」の存在があります。
社内でも謎に包まれたこのプロジェクトは、お客さまの声や社員一人ひとりの熱量をもとに、「アサヒ、そうきたか」と驚いてもらえる商品や体験を形にする“本気の遊び場”です。
ヒット作誕生の舞台裏や商品開発に懸ける想いを、企画を率いるメンバーの2人に聞きました。
左)藤井恵理 アサヒビール 新顧客創造研究所(守谷研究所)兼 新ブランド開発部
右)河口莉子 アサヒビール 新ブランド開発部
INDEX
効率や調査結果よりも「好き」を起点に。アサヒ空想開発局の挑戦
―まず、アサヒ空想開発局とはどのようなプロジェクトなのでしょうか?
藤井: アサヒ空想開発局は、2024年に発足したアサヒビール内のプロジェクトです。特定の組織ではなく、さまざまな部署のメンバーが兼務で参加しています。私たちが目指しているのは、単に「変わった商品」をつくることではありません。メンバーそれぞれの「好き」という熱量を起点に、新しい価値を生み出すことを目指しています。人は好きなものについて自然と深く考えます。「どうしたらもっと楽しくなるか」「どうしたら喜んでもらえるか」をとことん考える。その熱量こそが、商品づくりの原動力になると信じています。
―「好き」を起点にするという考え方は、従来の商品開発とは異なりますね。
河口: そうですね、企業が「こんな面白い商品を作りました」と一方的に届けるのではなく、「これが好きな人と一緒に楽しみたい」「同じ“好き”でつながりたい」というスタンスを何よりも大切にしています。公式サイトでも「好きでつながる本気の遊び場」と表現いていますが、一方通行の提案ではなく、参加する人と一緒につくり上げていく場でありたいと思っています。
―商品はどのように生まれているのでしょうか?
藤井: 商品が生まれる入口は大きく2つあります。
ひとつは、技術や研究からスタートする「チャレンジラボ」です。R&D(研究開発)からマーケティングへ毎月提案会があり、新しい素材や技術を活かしたアイデアの種が持ち込まれます。全国展開するにはハードルが高いアイデアでも、ここでなら小さく試してみることができるんです。
もうひとつは、「好き」から始まるコラボレーションです。年に一度、メンバー全員が自分の「好き」をプレゼンする機会があります。5分間であればスライド枚数は自由ですが、投票できるのは一人5票のみ。どれだけ好きなのか、どれだけ熱量で周囲を巻き込めるかが試されます。単なる勢いだけでなく、「好き」という感情を企画として磨き上げる仕組みになっています。
反対意見からの大逆転。江頭2:50さんの「EGA BEER」誕生の知られざる裏舞台
―空想開発局を代表する商品の一つが「EGA BEER(エガビアー)」ですが、どのように企画が生まれたのですか?
藤井: きっかけは、当時の局長だった寺門の強い「好き」でした。寺門は江頭2:50さんの大ファンで、「こんなにおいしそうにビールを飲む人と一緒にビールをつくったら、絶対に面白くなる」と考えたんです。江頭さんはご実家が酒屋さんで大のビール好き。そして何より忖度をしないキャラクターだからこそ、妥協のない本気の商品づくりができると確信しました。単なる話題づくりではなく、「好き」と商品がきちんと結びついた企画でした。
ただ、スタート時から社内全体が歓迎ムードだったわけではありません。忖度しない予測不能な江頭さんのキャラクターだからこそ、心配の声もありました。それでも面白いことに、会議では難色を示していた人が後からこっそり「実は応援しています」と連絡をくれたり、「隠れあたおか(「あたおか」は江頭さんのファンネーム)」が予想以上に多かったりして(笑)。表立っては慎重でも、心の中ではワクワクしていたんです。
―発売後は大きな反響を呼びましたね。
藤井: EC限定で発売した後、全国発売へ広がりました。近年発売した限定商品の中でも、多くの受注をいただき、ファンの熱量を感じました。単なる話題性だけでなく、「本当にこういう商品が欲しかった」というファンの皆さまの熱い想いが、ヒットにつながったのだと感じています。加えて、江頭さんのビール愛が詰まった、本当においしいビールをつくれたことも、好評をいただけた要因だと考えています。
―その裏では、かなりの苦労もあったと聞きました。
河口: 当時はEC運営の知見がまだ浅く、さまざまなトラブルがありました。さらに発売後にはサイバー攻撃に見舞われるという予期せぬ事態も起きて……。決済や配送など、その都度最善の判断を迫られましたが、研究所や工場を含めた多くのメンバーがワンチームとなって乗り越えました。「好き」という感情は、企画を生むだけではなく、直面した困難を乗り越える強いパワーになるのだと実感した瞬間でした。
亀梨和也さんと描いた新しいビール体験―KAME BEER.が広げる可能性
―「EGA BEER」のヒットを経て、次に取り組んだのが亀梨和也さんとのコラボ「KAME BEER.(カメビアー)」ですね。
河口: 私自身、中学生の頃にドラマ『ごくせん2』やKAT-TUNを見て育った世代なので、亀梨さんには強い思い入れがありました。実際にお会いしたときはものすごく緊張しましたが、中高時代に演劇部の部長をしていた経験が生きて、緊張を見せずになんとか乗り切りました(笑)。自分自身の青春時代の記憶や憧れも、企画を前へ進める大きな原動力になりました。
―「美ール」というコンセプトも非常に斬新でした。
藤井: ピンクゴールドのビール自体は、以前から技術提案がありました。でも、単に「色が珍しい」だけで終わってしまっては意味がありません。そこで、亀梨さんが持つ上品さや美しさと掛け合わせ、「美しいビール=美ール」というコンセプトにしました。「亀梨さんのファンと江頭さんのファンは客層が異なるのでは」という期待もありましたし、これまでビールにあまり馴染みのなかった方にも、この商品をきっかけに興味を持っていただきたいという思いがありました。
河口:実際に「普段はビールを飲まないけれど、亀梨さんがつくるなら飲んでみたい」という声をたくさんいただきました。ラジオでは、「亀梨さんファンの娘とビール好きのお父さんが一緒に楽しんでいる」という素敵な投稿も紹介されて感無量でした。
EGA BEERが既存のビールファンの熱量を最大化させた商品だとすれば、KAME BEER.は新しいお客さまとの接点を生み出した商品だと思います。
―商品だけでなく、世界観をつくり込む細やかな仕掛けも話題になりました。
河口:限定オリジナルグッズのグラスについて老舗の『木村硝子店』さんをご提案したところ、亀梨さんご本人からも「それ、まさにやりたいと思っていたことです」と共感していただきました。撮影現場の空気感まで届けるために6種類のオフショットカードを制作したり、肩書きも江頭2:50さんの「社外取締まられ役」に対し、亀梨さんは「CEO(Chief Elegant Officer)」に就任いただいたり(笑)。商品だけではなく、体験全体のエンターテインメント性を追求しました。
「そうきたか!」と言わせたい。アサヒ空想開発局が描く未来
―アサヒ空想開発局は、アサヒグループにおいてどのような役割を担っていくのでしょうか?
藤井: 私たちは、企業としての「試すための場」だと思っています。通常の商品開発では多くの検討プロセスが必要ですが、空想開発局では、まずチャレンジしてみることができます。もちろん簡単という意味ではありません。新しいことへ一歩踏み出すための余白がある、ということです。
河口: 調査に基づいて“ある程度の正解”を導くことも、もちろん大切です。ただ、それだけでは新しい風は吹きません。数値では測りきれない「好き」の熱量を実際に世に問いかけ、お客さまの生の声を聞く場所があることに大きな意味があります。好きなものだからこそ「どうしたらもっと喜ばれるか」をとことん考える。だからこそ、熱量の高いエッジの効いた企画が生まれるのだと思います。
藤井: その先に見据えているのは、「アサヒ、そうきたか」と驚いていただき、アサヒグループを好きになってくれる人が増えることです。あえて「アサヒビール空想開発局」ではなく「アサヒ空想開発局」としているのも、この取り組みをグループ全体へ広げていきたいという思いがあるからです。
河口:だからこそ、新商品を出した時に『またこのパターンか』と思われるのが一番悔しいんです(笑)。毎回、良い意味で期待を裏切る新しさを届けていきたいですね。
―最後に、アサヒ空想開発局を応援してくださっている皆さまへ、メッセージをお願いします。
藤井:普段はなかなか直接お礼をお伝えできる機会がないので、この場をお借りして、応援してくださる皆さまに心から感謝を伝えたいです。
河口:返信こそできませんが、XやYouTubeに寄せられるコメントにはすべて目を通しています! 皆さんの温かい声に励まされたり、味の予想にくすっとしたり、日々たくさんのパワーをいただいています。
藤井:実は、すでに次の仕掛けも着々と準備中です。ぜひ楽しみにしていてください!
text & photo:「ハレの日、アサヒ」編集部


アサヒ空想開発局は、社員一人ひとりの「好き」という熱量から、新しい価値へと一歩踏み出す仕組みそのものです。次はどんな「好き」が登場するのか楽しみですね。