アルコール分3.5%の「ドライクリスタル」でビールに新しい選択肢を!
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「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は、新たなライフスタイルを提案する未来志向のビール。アルコール分3.5%前後の“ミドルレンジ”と呼ばれる新市場の創出を目指します。将来この市場のパイオニアとなるであろう新商品についてブランドマネージャーに開発背景を聞きました。
INDEX
「ミドルレンジアルコール」がグローバルトレンド!
北米やオーストラリアを中心としたグローバルではノンアルコールとアルコール分5%の中間に位置するアルコール分3-4%前後のミドルレンジアルコール帯の商品が台頭し、人気となっているのをご存じでしょうか?
オーストラリアで最も売れているビール「Great Northern Super Crisp」もアルコール分3.5%。とてもライトな口当たりで、日常の生活に馴染んで幅広い年齢層の方々に飲まれているそうです。近年、ノンアルコールやローアルコールの販売量が増えていて、酔うために飲むのではなくスマートにお酒を楽しむスタイルや、その時々の気分やシーンに合わせて飲み分けをしたいというお客さまが増えています。
一方、日本のビール類市場においては「アサヒスーパードライ」に代表される5%前後が中心で、市場の約7割を占めています。4-6%の構成比はなんと98%。「今日は少し軽めのビールが飲みたいな」と思う時に、あまり選択肢がない状況です。
ブランドマネージャーが語る。「ドライクリスタル」開発の裏側
「ドライクリスタル」ブランドマネージャーの玉手健志に開発背景を聞きました。
―いつ頃から開発がスタートしたのでしょうか?開発の経緯を教えてください。
具体的に商品化を検討し始めたのは2年程前になります。当時、グローバルでミドルレンジのビールが売れているという傾向をみて、マーケティング本部内で議論し始めたのがスタートとなります。時を同じくして、ヨーロッパでも同様の検討があり、グループ横断で新商品開発プロジェクトが発足しました。プロジェクトメンバーの一員として、各国の担当者とディスカッションすることはとても大変でしたが毎日がワクワクの連続でした。
―でも、今回「ドライクリスタル」は日本国内のみでの発売ですよね?
アサヒグループには「Think Globally, Act Locally」という考え方があります。特にビールのような嗜好品は、味わいや製法など国によってさまざまですので、グローバル規模で新商品開発に取り組みながらも、まず日本において「スーパードライ」ブランドから新商品を発売しようということになりました。
―新ブランドではなく、「スーパードライ」ブランドで発売するのはなぜですか?
アサヒグループでは、「スーパードライ」をグローバルブランドとして提供価値を高めながら成長させるべく、グループ一体となって取り組んでいます。世界のビール市場で台頭するミドルレンジアルコール帯に対してもチャレンジし、お客さまに新たなビールの価値を提供したいと考え、グローバルの仲間と共同開発プロジェクトを組みました。そして、まずは日本で「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売することになりました。
もう一つの理由として、今回の商品は技術的にとても高いハードルがあったということです。「アルコール分3.5%の“生ビール”」という商品は私たちの知る限り世界を見渡してもありません。これを実現するためには大きなイノベーションが必要でした。画期的なイノベーションにチャレンジして、それを実現させる時は、ビールであれば「スーパードライ」でやる!というのが会社としての意思だったのです。
―なるほど。確かに「生ジョッキ缶」も最初は「スーパードライ」ブランドから発売しましたもんね。ところで、「アルコール分3.5%の“生ビール”」って何がそんなに大変なのですか?
“生ビール”というと、皆さんお店で飲む樽生ビールのことをイメージされると思うのですが、缶や瓶に入っていても熱処理をしていないビールのことを指すのです。熱処理とは有害な微生物によってビールの品質の悪化を防ぐために行う製法で、かつては世界中のビールが熱処理をしたビールでした。しかし、日本では、製造工程全般にわたって微生物管理や、ろ過技術が向上したことによって80年代後半頃から非熱処理の“生ビール”がたくさん発売されるようになりました。今や国内の大手メーカーから発売されるビールのほとんどが“生ビール”として発売されています。
ただ、アルコール分が低いと微生物が発生しやすいんですね。そのため海外のミドルレンジ商品は、ほとんどが熱処理されています。最初、研究所の方に3.5%の“生ビール”を出したい、と言った時に「絶対に無理だ」と言われました。でもどうしても“生ビール”にこだわりたい。品質を保ちながら、微生物リスクをなくす、どこまでアルコール分を下げられるかのチャレンジでした。このイノベーションを成し遂げた当社の研究所は世界に誇れる技術を持っていると思います。
―アサヒの技術が詰まったビールなんですね。味わいの特長を教えてください。
微生物リスクをクリアする以外にも、味わい面でも技術革新があります。3.5%にするとアルコール量は減るので、ボディ感は一般的に下がる傾向があります。全体として水っぽくなり薄く感じてしまうんですね。でも「スーパードライ」ブランドから発売するには、ライトなビールではなく、しっかりとした骨格のある本格的なミドルレンジビールにしたいという思いがありました。平坦な味わいではなく、「スーパードライ」の辛口カーブの波形を実現したかった。
そこで、麦汁中の糖分を酵母が分解する割合を「発酵度」というのですが、発酵度を高めることで、ビール中に残る糖分の割合を低くして、余計な甘みを残さず、透明感あるキレを生み出すことを実現しました。さらに、冷涼感が特長のドイツ産ホップ「ポラリス」を一部使用したこともポイントの一つとなっています。こうして商品名にあるようなクリスタルをイメージさせるクリアな味わいと、3.5%ながら本格的な飲みごたえを実現することができたんです。数え切れないほどの試作品を作ってくれた研究所の皆さんには、本当に感謝しています。
―味わいも自信作なんですね!マーケティング面で工夫した点はありますか?
商品の方向性やコンセプトを定めるうえでも、とにかくシンプルに「自分が世の中に必要だと思うものを作りたい」と考えていました。
近年、「N1分析」といって、たった一人の顧客(N1)を深く理解することで、その人が商品やサービスについて感じていること、望んでいるものを把握し、そこから新たな訴求方法や商品を生み出そうというマーケティング手法があります。アサヒビールでは、N1の意見を大切にしよう、というマーケティングを実践していまして、今回本当にたくさんのお客さまにインタビューしました。そうした中で「ミドルレンジ」への潜在的な需要は絶対ある!と確信できたのですが、振り返ると、究極の「N1」は自分自身だったと思っています。
実は開発を進めていた頃、MBA取得のために大学院に通っていて、仕事との両立がとてもハードでした。授業が終わった後に再度仕事をすることもあり、やらなくてはいけないことが多すぎるし、翌日も仕事と授業があると思うと、1日の最後にビールを飲んでいる場合じゃないよなと・・・。でも1日をやり切ったという達成感と、翌日に向けて気持ちを切りかえるための1杯を飲みたいという気分の時、ノンアルもいいのですが、何となく我慢してしまった感じがしてしまう・・・ちょうどよいビールがない!という思いでした。
―確かに。そんな時にアルコール低めでかつ気分があがるようなビールがあったら嬉しいという人多いと思います。最後に、今回商品に込めた想いやどんな方に飲んでほしいか教えてください。
「ドライクリスタル」は酔うために飲むのではなく、お客さまの人生をより躍動的で充実したものにするための商品であって欲しいと考えています。やや画一的になりやすいビール業界において、お客さまの生活に、新たなビールの流れ、新しい味わい、新しい選択肢を提供したいという想いです。自分の好きな時間をもっと楽しめる、皆さんの人生を少しだけ豊かにするそんなブランドに育てていきたいと思っています。
このブランドのブランドパーパスは「Active & Smart Life」と定義しています。年代や性別でターゲットを思い描いているわけではなく、「あれもしたい、これもしたい、でもビールだって楽しみたい」という方々に飲んでいただきたいです。
最先端のデジタル技術で「ドライクリスタル」の世界を体感!
「ドライクリスタル」の世界観をもっと楽しんでほしい!という想いから、最新テクノロジーを活用したデジタル販促を展開しています。
一つは「PAC-MAN™&©Bandai Namco Entertainment Inc.」とコラボレーションした新感覚ARゲーム「DRY CRYSTAL × PAC-MAN」(期間は2024年1月4日まで)。特設サイトからカメラを立ち上げて「ドライクリスタル」の缶にスマートフォンをかざすと、AR技術によって缶体に映し出された架空の映像で「パックマン」が楽しめるARゲームです。総合ランキングや都道府県別ランキングもわかるので、友人や家族、全国の人たちと競い合うことができます!
もう一つは、話題の生成AIを活用したオリジナル画像が作成できるサービス「Create Your DRY CRYSTAL ART」(期間は2023年11月27日まで)。自分の写真と今の気分、なりたい自分をアートとして表現できます。
どちらも面白い体験となっていますので、ぜひ「ドライクリスタル」を飲みながら楽しんでください!