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アサヒの人:「競技かるた」永世名人の広報マンが語る、両立の醍醐味

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アサヒの人:「競技かるた」永世名人の広報マンが語る、両立の醍醐味

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国内外にさまざまな仲間がいるアサヒグループ。今回はそんなアサヒで働く人の意外な一面を紹介します。アサヒのなかでもユニークな顔を持つ一人が「競技かるた」で前人未到の14連覇を成し遂げた永世名人の西郷直樹。普段はアサヒビールの広報として勤務する西郷に、これまでの歩みやエピソード、強さの秘密、仕事内容などを聞きました。

プロフィール

西郷 直樹

アサヒビール株式会社 企画・支援本部 コーポレートコミュニケーション部

幼少期に競技かるたと出合い、当初から全国優勝の常連に。大学時代の1999年に史上最年少の20歳で名人位を勝ち取って以来、2012年の引退まで負けなしの14連覇を成し遂げる。アサヒビールには大学卒業後の2001年に入社し、現在は社内広報に従事

「小倉百人一首」を用いる「競技かるた」

競技かるたは、「小倉百人一首」から無作為に選んだ50枚の札を25枚ずつ自陣と相手陣に置いて取り合う競技。「百人一首」といえば伝統的で風情ある日本ならではの「お正月遊び」というイメージですが、競技かるたは“畳の上の格闘技”とも呼ばれているスポーツ。近年ではマンガ原作の『ちはやふる』でより広く知られるようになりました。競技人口は数万人規模ですが年々増加しており、最上級のA級は1200人以上だとか。その中で連続5期または通算7期優勝すると永世名人となり、第45期~58期のトップが西郷。2024年で70年を迎える歴史の中で最高記録の14連覇を成し遂げた、歴代最強のレジェンドです。

「小倉百人一首」の「取り札」と「読み札」。西郷の一番好きな歌は「瀬をはやみ~」で始まる77番で、その理由は最初に覚えたから

西郷は、その特徴を一言で「日本の伝統文化とスポーツの融合」と表現します。畳の上で面と向かって行う伝統のテーブルゲームには将棋や囲碁もありますが、それらとの違いを次のように話します。

「札の並び方で戦局が変わったり、読み手がいたりする点が一つの違いですかね。また、交互に一手ずつ打つわけではなく、極端にいえばスピードが勝敗を左右します。速く取るための瞬発力と、札の配置を覚える記憶力、そして対戦相手との駆け引きを制するための精神力なども必要とするところが、面白い競技だと言えるでしょう」

2人の先生との出会いが運命を変えた

大分県大分市で生まれ育った西郷は3歳年上のお兄さんの影響で、小学1年生のときに競技かるたを始めました。キーパーソンはお兄さんの担任。その先生が大分県のかるた協会役員であり、熱心に教えてくれたのです。

「大分は決してかるたが盛んな県ではないのですが、先生のおかげでめきめき上達し、兄弟ともに全国でも優勝の常連となりました。最初に出た小学校低学年の大会で、1年生ながら3位(兄が優勝)となることができ、その成功体験は大きかったと思います」

1985年、小学1年生で出場した全国大会( 左 ※左から二人目が兄)

お兄さんは小学校を卒業するころからかるたから離れてしまったとのことですが、西郷は継続。ただ、中学・高校は、かるたの部活がなかったため学校の部活には入らず、夏休みなどに行われる全国大会に合わせて独学で練習し優勝を重ねていきました。そして大学進学とともに上京し、早稲田大学かるた会へ。いよいよ大人に混じっての戦いが始まりました。

1999年、名人戦初出場

「大学1年生のときに初めて名人戦の予選に出場しましたが、これまでになく強い方が多くて敗戦。ただ一方で、ハイレベルな大会で勝つための技術指導をしていただける先生に偶然出会いまして、この薫陶は私にとって大きな契機となりましたね」

そのメソッドは、優位になる並べ方や速く取る体勢、そして競技かるたに特化したボディメイキング術なども。こうして、さらに強くなった西郷は翌年名人位を獲得し、前人未到の14連覇を達成。ディフェンディングチャンピオンのまま、後進に譲ることも考えて2012年に一線を退きました。以後は競技かるたをより盛り上げるため、「全日本かるた協会」の運営に携わったり、自宅の近所で子どもたちに競技かるたの指導をしたりしています。

最近の名人戦では審判長を担う。2022年時の名人戦にて

強さの秘密は各能力のバランスにあり

大学卒業後は競技かるたの名人として勝ち続けながら、アサヒビールに新卒入社した西郷。なぜビール会社で働きたいと思ったのでしょうか、その理由はシンプル。ビールが大好きだったからです。

「大学のかるた会は活動も面白かったですけど、ことあるごとに開催される飲み会が楽しくて。そこでビールが大好きになりました。やがて就職活動の時期になるのですが、ある日同期に『そんなに好きなら、ビール会社受けてみれば?』と。ちょうど私が入社した2001年は、アサヒビールが業界1位になった年であり、運も良かったですし運命も感じました」

好きなビールはやはり「アサヒスーパードライ」。特に競技かるたで戦った後に飲むと、シャープな爽快感がたまらなくおいしいと言います

仕事内容は、最初は当時愛媛にあった工場で総務部に勤務し、2006年には東京へ転勤。2009年からは本社に異動し、2017年から現職に。業務で最も長く在籍したのは人事部だったとか。

「今の広報の仕事は、経営方針を伝えること、仲間のことをより多くの社員に知ってもらうことが大きなミッションです。そのために、さまざまな切り口で役員や社員を取材して記事を書き、WEBページや映像などを制作するのが主な業務ですね。採用して育てていく人事の仕事も面白いのですが、自主的に動いて人物の内面を深掘りできる広報の仕事もやりがいは大きいです」

かるた教室は週2回。水曜の夜と土曜の昼に開催しています

競技かるたには記憶力などが求められますが、仕事で役立ったことはあるのでしょうか? たとえば、人事部は新人の顔と名前をいち早く覚えることが仕事の一つ。当時はエキスパートだったのでは?

「これが、歌の記憶とは感覚が違いまして、特に私が秀でているということはありませんでした。それこそ顔と名前は一生懸命覚えましたね(笑)。ただ逆に、自分が自己紹介で覚えてもらいやすいという点では役立ちました。やっぱり永世名人って珍しいですから。ちなみに私は違いますが、トランプの神経衰弱やクイズの早押しが得意な選手はいますね。私の場合、『赤上げて、白上げて』の旗揚げゲームは得意かもしれません。仕事には役立ちませんけど(笑)」

とはいえ、やはり前人未到の14連覇は偉業。なぜそこまで強くなったのでしょうか?

「自己分析すると、総合力かなと思います。記憶力や瞬発力、あとは心を落ち着かせる精神力に、音を聞き分ける能力や持久力などなど。名人戦で勝ち進むにはさまざまな要素が必要なのですが、比較的にそれぞれのレベルが高くて好バランスなのが私なのかなと思っています。それこそ例えば、記憶力に関しては東大生みたいな天才には勝てっこないですからね」

自分なりの楽しみを見つけることがハマるカギ

西郷曰く『ちはやふる』の影響などもあって、競技かるたをやってみたいという声は多く、実際に競技人口も増えているとか。永世名人として、これから始める人へのアドバイスを聞きました。

「何か新しいことを始めるときは、何かしらのハードルはあると思います。競技かるたでしたら、例えば『小倉百人一首』は古文的な要素があるので、難解に感じるかもしれません」

「好きな歌を増やすこともオススメですよ」と西郷

西郷の場合、最初から大会で勝てたという成功体験が継続につながったといいます。

「マンガの世界に憧れたり、和装に惹かれたりと、自分なりの楽しみを見つけることがハマるカギになる気がします。『小倉百人一首』であれば最初から全部覚えるのは大変ですから、まずは20枚など段階的にステップを踏むことが大事だと思いますね。小さいお子さんでしたら、なおのことでしょう。私は地元の「三島せせらぎ会」で教えていますが、同様のかるた会は全国にはもちろん海外にもあるので、気軽に問い合わせてみてください」

競技かるた界の第一人者として、これからはより人間性を磨ける競技にしていきたいと力説する西郷。アサヒビールの業務も、いっそう会社と仕事を面白く感じてもらえるように取り組みたいと抱負を語ります。今後もその活躍にご期待ください!

取材・文・撮影:中山秀明

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