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ECOALF下川さんに聞く!サステナブルファッション

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ECOALF下川さんに聞く!サステナブルファッション

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最近よく耳にする「サステナブルファッション」。これは、衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組みのことを言います。

世界のサステナブルファッションをリードする「ECOALF(エコアルフ)」は、全てのアイテムを再生素材や環境負荷の低い天然素材のみで作る、ヨーロッパ発のブランドです。今回は、国内におけるブランド責任者の下川雅敏さんに、今日から楽しく気軽に取り入れられるサステナブルファッションについて教えてもらいました。

プロフィール

下川 雅敏さん

三陽商会 事業本部 コーポレートブランドビジネス部エコアルフ課長
兼 エコアルフ・ジャパン取締役
ライセンスブランドでのエリアマネージャー・トレーナー職を経て、ニューヨーク支社にて海外事業を経験。その後、セレクトショップ事業とマッキントッシュ ロンドンの企画MD に携わり、2020年3月の日本でのブランドローンチ前から現職に就任。国内におけるECOALF のブランディング・運営を担う。また、業界の垣根を越えた企業や行政との合同プロジェクトの開発や、国内で活躍しているクリエイター、著名人らとのコラボレーションを重ね、エコアルフ事業を展開しながら、未来に向けた消費行動の変革を起こすきっかけを作るために活動する。

ファッション業界の環境問題とは?

服は製造過程でエネルギーや天然資源をたくさん使います。意外に思う方も多いかもしれないのですが、ファッション産業は第2の汚染産業と言われているんです。例えば、たった1着のTシャツを作るのに2,700Lもの水を使います。これは人の飲み水の約3年分ほどです。アパレル工場に隣接する湖が枯れることで農作物に影響が出たり、土壌が汚染されたり、いろいろな悪影響があります。

また、服がすぐに廃棄されてしまうことも問題です。ファストファッションがトレンドになり、服を選ぶ一番の基準が価格となりました。大量生産が進み、1,000億枚つくられた服のうち730億枚、つまり73%は捨てられているという事実があります。 さらに、その730億枚の内95%はまだ使えるものとも言われています。たくさんの資源から作ったプロダクトにも関わらず、全うすることなく捨てていく。個人的にはそこが一番の問題だなと思っています。

作る側も使う側も考えよう。サステナブルファッション

「サステナビリティ=素材を良いものに変えていこう」という考えもありますが、私は、作る側は作り方や資源の使い方、着る側は着方・選び方を変えていくのがサステナブルファッションだと思います。

「作る側」は資源の浪費を減らす。そのやり方の一つがリサイクルです。ECOALFは全てのアイテムを再生素材や環境負荷の低い天然素材のみで作っているので、“再利用”のイメージが強いと思いますが、本当の目的は自然資源の浪費をやめること。なぜやらないといけないのか?それをやることによってどういうメリットがあるのか?を伝えることも大切だと思っています。例えば、ペットボトルからポリエステル繊維を作ると、従来よりも使用するエネルギーは半分、水は30%、排出するCOは60%削減できます。もちろん手間はかかりますが、自然資源の消費を減らすことができるメリットは大きいです。

★ECOALFは衣類のデザインを通して、ブランドのメッセージを発信

70本のペットボトルから作られたアウター
ペットボトルからポリエステル繊維を作る過程

★ECOALF渋谷店では海洋ゴミやリサイクル工程を展示。廃棄物が資源に生まれ変わることを空間を通して表現

「着る側」である皆さんは、まずご自身のワードローブを一度見直してみてください。大事に着ているものもあれば、実は一回しか着ていない、さらには着たことがない服もある方もいると思います。なぜその服を手にしたのか?その服が今ここにあるルーツは?振り返ってみると、次にやるべきことが見えてくるかなと思います。

毎日身に着けるTシャツや靴を、環境に良いもので作られた商品を選んでみるのもおすすめです。リサイクルってどうしてもまだネガティブな印象が強いのですが、そのイメージを覆すクオリティやデザインのものもたくさんあります。例えばリサイクルコットンを使用した丈夫なTシャツは、20~30回着ることができます。一着の服は平均して7回着用すると捨てられていたというデータもありますが、高い値段でも長く使えると良いですよね。

また、多くの人は靴が何の素材でできているのか考えたことがないと思いますが、そもそも靴って表示義務がないんです。食べ物の場合は産地や原料を調べると思いますが、それと同じで、自分の靴がどの素材でできているか?知る楽しみ方もあると思います。中には、とうもろこしや海藻、漁網からできているスニーカーもあるんですよ。

背景やストーリーを知って選んだ商品はたくさん使おうという気持ちになると思いますし、それが一番“サステナブルファッションを楽しむ”ことにつながるのかなと思いますね。コンセプトに共感して、どんどん広がって、ある意味それがファッションならではの魅力だと思います。

全てリサイクル素材でつくられたスニーカーのバリエーションは50種類以上。軽くて実用的。
イベント会場のコーヒー豆をアップサイクル。従来の染色方法に比べて約960kgものCO2を削減。

ファッションの力でサステナビリティの大切さを伝える

「サステナビリティ」をセミナーや学校で学ぶと大変かもしれないですが、自分が実際に身に着けるものだと受け入れやすいのではないでしょうか。楽しみながら環境に良い行動を選択できる、ある意味それがファッションの力ですね。

もちろん課題がある産業ですが、逆に言うと、社会に与えるインパクトはとても大きい。環境負荷の現状や重要性を伝える、そして一人一人の行動を少しずつ変えていく、その役割を担っていく必要があると思います。作る側も使う側も、サステナブルファッションを実践していきたいですね。

皆さんもサステナブルファッションを生活に取り入れてみませんか?

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