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多様なメンバーの連携で広がる「麦わらのストロー」

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多様なメンバーの連携で広がる「麦わらのストロー」

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英語のStraw(ストロー)とは、麦わらを意味することをご存じでしょうか。近年ではプラスチック製のストローが当たり前になりましたが、かつては日本でも、長さも太さも色合いも“ふぞろい”の麦わら由来のストローが使われていました。
「麦わらストロー」に再び脚光をあて、プラスチック製ストローの削減と環境負荷低減を目的として発足されたのが一般社団法人広域事業連携機構による「ふぞろいのストロープロジェクト」です。出自も職業も異なる多様なメンバーが多様な思いを持って連携し「ふぞろいのストロー」を作っています。今回はアサヒグループも参加するこのプロジェクトをご紹介します。

さまざまな違いを個性として楽しむ「ふぞろいのストロープロジェクト」

「麦わらストロー」は、麦わらを丁寧に収穫し、乾燥。茎を節の間でカットし、煮沸洗浄したものを再度乾燥させて作ります。農作物のため長さや太さもさまざまですが、適切な加工をすることで、水分を含まず柔らかくならない使用感の良い、自然な風合いのストローが生まれます。

2021年に始まったプロジェクトは、プラスチック製ストローの削減と環境負荷低減に加え、地域経済の活性化、農福連携を通じた障害者雇用の創出にも取り組んでいます。
広域連携事業推進機構が主催し、農業生産者や企業、社会福祉法人、大学、非営利団体、自治体などさまざまなメンバーが、地域や組織の垣根を超えて取り組み、それぞれの得意分野を生かして連携しています。

アサヒグループはこれまでの事業活動で培った安全安心なものづくりの技術力や社外とのネットワークを生かし、情報発信や生産技術開発支援に取り組んでいます。メンバーの目的や思いはさまざまで「ふぞろいのストローを作って広めたい」という共通する思いに加え、それぞれの思いを込めて活動に参画しています。

「ふぞろいのストロープロジェクト」という名称は、製造する「麦わらストロー」もさまざま、参加するメンバーもさまざまというプロジェクトの多様性を表しているのです。

「被災した地域を元気に」長野市長沼地区で広がる連携

「ふぞろいのストロープロジェクト」は日本各地に拠点があります。2022年6月18日、長野県長野市長沼地区でライ麦の収穫体験が開催されました。
地元の長沼小学校の児童や親子連れ、ボランティアの高校生など地区内外から約40名の参加者が集まり、軍手と鎌を使用し、手作業で丁寧にライ麦を収穫しました。この日の工程は刈り取りと乾燥まで。作業終了後には、刈った麦わらを使用したストローづくり体験も行いました。

1.大人の背丈まであるライ麦を丁寧に刈る。2.刈ったライ麦を束にまとめる。3.束ねたライ麦を風通しの良い倉庫に干す。約一週間乾燥させ、カットと洗浄乾燥・箱詰めする。
収穫したライ麦を使ってストローづくり。麦の太い部分を選び、節と節の間でカットし、皮をむく。

長沼地区でプロジェクトを推進する「Green Style Forest」の塚田真由さんは、造園業を営む傍らフィンランドのわらを使った装飾品であるヒンメリ作家として活動しており、「麦わらストロー」の製造を考えるように。プロジェクトの存在を知り、自分一人で作るのではなく地域の人と協力することで産業化できると考えたそうです。

「地域のたくさんの人たちと一緒につくり上げる、手作りで環境にもやさしい商品があることと、こういった面白い取組みがあることをもっと多くの人に知ってもらいたいです。地域で作ったものを地域で使っていくことも大切なことですので。21年は長野県で約1万本を製造・販売しました。22年は4万本を目指したいと思っています」と塚田さん。

Green Style Forest 塚田真由さん

長沼地区は2019年に発生した台風19号による水害で被災した地域で、遊休農地の活用にライ麦を植えています。

協力団体「HopeApple」代表の太田秋夫さんは「千曲川の堤防が決壊して浸水が2メートルを超えた場所もあったんです。日常が一転してしまった記憶は子どもたちの中にも残っている。こういったイベントを通じて、子どもたちが地元での楽しい思い出をつくって、地域の復興を体感することで笑顔になってもらいたいです。新たな産業が生まれることは復興のシンボルにもなる。地域の活性化の一助になればと思って活動しています」と子どもたちと復興への思いを語ってくれました。

HopeApple 太田秋夫さん

塚田さんが「麦わらストロー」の製造を考えるきっかけとなったのは、長野駅善光寺口でお茶屋とカフェ「中山茶園」を経営する小林貴美子さんが「ヒンメリがストローを使って作るならお店で使えるストローも作れないか」と持ち掛けたことでした。

現在、小林さんのお店ではコールドドリンクやラテなどの商品でふぞろいのストローを使用しています。 「海洋プラスチック問題もあり、麦わらストローの使用を考えました。紙ストローよりも口あたりがよく、ふにゃふにゃになったりしないので、使い心地が良いんです。地元の人がつながって生まれたエコな商品がもっと広がればいいなと思います」と小林さんは言います。

中山茶園 小林貴美子さん

若い方からは「温かみがあって見た目がかわいい」「珍しい、初めて見た」といった反響が、年配の方からは「懐かしい。昔こういうのを使ってた!」といった会話も弾んでいるそうです。

「ふぞろいのストロー」を使った「抹茶りんご」、カステラと水ようかん

車座になって麦わらからストローをカット。栃木県足利市の現場から

続いては栃木県での活動です。
2022年6月21日、栃木県足利市にある就労継続支援B型事務所「みらいへ 名草作業所」でストローをカットする工程が行われました。「みらいへ 名草作業所」は自然豊かな里山に囲まれた古民家を作業所としており、18歳以上の障害があるなど就労で支援を必要とする方々が、農業、古本の販売・レンタル、パソコン作業に従事しています。この日は午前中に農作業、午後はストローのカット作業を行いました。

1.穂先部分を切り離す
2.皮をむく
3.節と節の間をカットする
4.商品化できる長さを確認する

栃木県でプロジェクトを推進するのは、佐野市の就労継続支援A型事務所「HAPPYHAPPY」取締役 五箇大成さんです。五箇さんが製造する「ふぞろいのストロー」の一部のカット工程を「みらいへ 名草作業所」に委託しています。

「社会に出て“自分でお金を稼ぐ”という気持ちを持ってもらえるように、障害のある方の社会進出をお手伝いしています。カットから煮沸洗浄、再乾燥と箱詰めまでの一連の業務をお願いしている作業所もありますし、カットだけなど一部業務をお願いすることもあります。それぞれに合った業務をお願いし、きちんと対価をお支払いすることが大切だと考えています。農作業は天候に左右され、炎天下では長時間作業を行うことは難しく、また雨の日など作業ができない日もあります。そういった中、屋根のある場所で作業できる“ふぞろいのストロー”のカット業務は、日々の業務と組み合わせて行うのに最適な業務です」と五箇さんは語ります。

HAPPYHAPPY 五箇大成さん

アサヒグループは「熱い想いを持った“ふぞろい”な連携」を推進

アサヒグループは、ストローづくりのノウハウの共有や衛生管理基準の統一などの技術的な支援、より多くの方々との共創を目指し、生産者や自治体などのさまざまステークホルダーへの働きかけを行ってきました。加えて、自社ECサイトでの販売や全国各地で開催するイベントへの出展などにより「ふぞろいのストロー」の認知向上、販売拡大を目指しています。

推進役であるアサヒグループジャパン コーポレートコミュニケーション部の染谷真央は「自然の恵みを守って新しい価値を生み、生産者や障害者の多様な就労機会の創出など地域にも貢献できる取り組みです。良い取り組みであっても小規模だと事業化が難しいこともありますが、プロジェクトとして連携することで生産者の利益につなげることができます。参加者も多様で、思いも目的もさまざまなまさに“ふぞろい”な連携。だからこそ、誰かにやらされているのではなく、皆さんが自ら熱い想いを持って参加していて、積極的な活動につながっているのだと思います」と語ります。

アサヒグループジャパン コーポレートコミュニケーション部 染谷真央

アサヒグループは「自然の恵み」を享受し事業活動を行う企業として、今後も「ふぞろいのストロープロジェクト」とともに「麦わらストロー」の生産拡大と活用促進を図り、環境負荷低減、地域社会との共創による循環経済モデルの構築を目指し、持続可能な社会の実現に向けて活動していきます。

「ふぞろいのストロー」は以下のサイトからお買い求めいただけます。
一般社団法人広域連携事業推進機構
アサヒユウアスモール

※アサヒグループグループホールディングスのプレスルーム2022年7月19日の記事を再構成しています。

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