ハレの日、アサヒ 毎日がおいしく楽しく

ハレの日、アサヒ
記事を検索する

記事を検索する

生ビールの「生」って?そのポイントは熱処理にありました

この記事のキーワード

生ビールの「生」って?そのポイントは熱処理にありました

SHARE

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • Pinterestで共有
  • LINEで共有
  • このページへのリンクをコピー

こんにちは!

外食するときに「とりあえず生!」と、生ビールを一杯目に注文する人は多いですよね。ところでみなさん、そんな生ビールの「生」ってどういう意味かは知っていますか?

なんとなく、お店で出てくるビール=生ビールと言うイメージがあるのではないでしょうか。では、サーバーから注がれるいわゆる樽生ビールが生ビールなのか?家で飲む缶ビールや瓶ビールは生ではないの?というと、実はそうではありません!

ということで、今回は知ればもっとビールが好きになるかもしれない、生ビールの話をお届けします!

生ビールの定義を知るには製造工程を知ろう

「生」の意味を知るには、ビールの製造工程がカギになります。ビールの製造工程は、大まかにいうと5つに分けることができます。

製麦

ビール造りはまず、原料を用意するところからスタート。一般的に「二条大麦」と言うビールに適した麦を発芽させて、麦芽(モルト)をつくる工程が最初にあります。麦を水に浸して発芽させる「浸麦・発芽」、乾燥させて発芽を止める「焙燥(ばいそう)」、根を取り除く「脱根」を経て、麦芽が完成します。

仕込み

麦芽を糖化させて麦汁を作り、ホップを加える工程です。ホップを加えて煮た後は、煮沸で生じた濁りの成分や、ホップのかすなどを除去して、冷却へと移ります。

ホップって?

よく聞く「ホップ」とはアサ科の雌雄異株のツル性植物で、ビール造りにおいて重要な役割を果たします。

ホップがビールに果たす重要な役割は、
ビールに独特な芳香と爽快な苦味を与えること。
麦汁の過剰なたんぱく質を沈殿・分離させ、ビールを清く澄んだものにすること。
雑菌の繁殖を抑え、ビールの腐敗を防ぐこと。
ビールの泡もちをよりよくすること。
などですが、このような作用はホップの有効成分であるルプリン(黄色い花粉のように見える樹脂の粒)の働きによるものです。

世界的にホップの生産地は緯度で35~55度の間に位置していますが、日本では東北地方など気候の冷涼な所で栽培されています。しかし、現在ビール醸造に使用するホップの多くはドイツ、チェコなど海外からの輸入ホップです。

(引用元:ビール酒造組合『ビールの豆知識』)

また、ホップを使うという仕込みの方法は、8世紀にドイツで生まれたのだとか。

発酵

麦汁にビール酵母を加えて発酵させると、酵母は糖をアルコールと炭酸に分解し、同時にビール独特の香味成分を生み出します。発酵温度や時間を調整しながら約1週間かけて発酵を進め、まだビール本来の味や香りが十分ではない「若ビール」を造ります。

熟成

熟成タンク(貯酒タンク)へ移された若ビールは0℃ぐらいの低温かつ無酸素の環境下で、数十日間熟成されます。この期間の間に、私たちが大好きなあのビールの味と香りが生まれていきます。静かな環境の中で徐々に出来上がっていくビールを想像すると、ワクワクしますね!

ろ過

ろ過された若ビールは透明な黄金色になり、ここでいよいよ私たちが慣れ親しんだビールの姿になります。そして、ここが「生」ビールという言葉の由来となるポイント!

加熱殺菌の有無で決まる「生」

かつては、ろ過技術が未発達だったため、ろ過後に酵母が残ってしまうことがありました。そのため、それ以上の発酵を防ぐためには加熱殺菌が必要でした。

しかし近年、ろ過技術の進歩により、酵母を完全に除去することが可能になり、「加熱殺菌をせずに鮮度を保ったまま味わえる”生ビール”」が主流となったというわけです。技術の進歩によって、言葉で区別する必要が出てきて生まれた言葉といえます。

そうして、ろ過されたビールは瓶、缶、樽などに詰められて市場に出荷されていきます。

缶ビールも瓶ビールも「生ビール」

日本では、普段多くの人が日常的に飲んでいるビールのほとんどが生ビールです。それは、缶ビールであっても、瓶ビールであっても同様です。

お店で「生ひとつ!」と注文すると、ビールサーバーから注がれる、いわゆる樽生ビールが出てくることが多いため、樽生ビール=生ビールと思いがちですが、実はそうではないのですね。あくまで、先ほど説明した「加熱殺菌の有無」が生ビールであるかどうかを決めるポイントなのです。

ちなみに、欧州では熱処理したビールが主流の国が多いそうです。

生ではないビール。熱処理ビールは日本でも飲める?

では、生ビールとは違って熱処理を施すビール=熱処理ビールは現代でも飲めるのか?というと、飲めます。

実はアサヒビールからも『アサヒスタウト』と言う銘柄が販売されています。こちらは、イギリスタイプの上面発酵濃色ビールで、コク・甘味があり濃厚な味わいが特長。スタウト(黒ビールの)の味わいも楽しめて、根強いファンが多いビールです。

よく聞くラガービールって?

「ラガー」と「エール」

他にも、ビールの種類を表す言葉に『ラガービール』と『エールビール』があります。
生ビールと熱処理ビールは加熱殺菌の有無の違いでしたが、「ラガー」と「エール」は発酵方法の違いからの分類です。

発酵工程で、酵母が麦汁の上部に浮き上がってくる方法を「上面発酵」、逆にタンクの底に沈んでいく方法を「下面発酵」と言います。そして上面発酵で造られるビールは「エール」、下面発酵で造られるビールを「ラガー」と呼び、日本ではラガービールが主流と言われています。

またラガービールの中にも、生ビール(非熱処理ビール)と熱処理ビールがあり、日本のビールのほとんどは「非加熱処理のラガービール」であると言えます。

深く知るほど楽しめるビールの魅力

今回は、「生ビール」の定義について調べてみました。

普段は何気なく使っている言葉の意味を知ると、「これも生ビールなのか」「熱処理ビールも飲んでみたいな」と、ビールに対する興味が高まりますね!

SHARE

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • Pinterestで共有
  • LINEで共有
  • このページへのリンクをコピー

注目PICKUP

 PICKUP PICKUP PICKUP PICKUP PICKUP PICKUP PICKUP

 PICKUP PICKUP PICKUP PICKUP PICKUP PICKUP PICKUP

【アサヒ・nishikawa対談】眠りと食で育む、子どもの可能性

朝活好き編集部おすすめ!浅草でモーニングを楽しめるスポット3選

次の休み何する?【1】浅草おでかけマップ

【北欧は、食べて、旅する】第1回 忘れられない、コーヒータイム

【北欧は、食べて、旅する】第1回 忘れられない、コーヒータイム

【北欧は、食べて、旅する】第2回 SDGs先進国のアップサイクルな食事情

【北欧は、食べて、旅する】第2回 SDGs先進国のアップサイクルな食事情

お酒の情報が含まれますので、
20歳未満の方はご利用いただけません。

お客様は
20歳以上ですか?