麦芽100%で挑む新定番、生ビール「アサヒ ゴールド」ができるまで
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世の中にはさまざまなビールがありますが、「今日は何か特別なことがあったわけじゃないけれど、ちゃんと一日を終えた自分のために、少しだけいい一杯を飲みたい」なんて思ったとき、麦芽100%のビールを選ぶ方もいるのではないでしょうか。アサヒビールは2026年4月、通年販売のビールとして約9年ぶりとなる麦芽100%の生ビールを発売します。なぜ今、麦芽100%の生ビール?どんな味わい?どんな想いで開発したの?ブランドマネージャーの松井茜人に話を聞きました。
INDEX
いま、ビールに求められているのは“味わい”
―このビールが誕生した背景を教えてください。
当社はお客さまが求めるビールの味わいについて継続的に調査しているのですが、「後味がよい」「飲みやすい」「のどごしがある」「味わいがある」などの項目が上位なんです。傾向として「後味がよい」という声は昔からずっと根強いのですが、ここ10年ほどで、「味わいがある」という声、つまりビールの味わいそのものを重視する意見がより目立つようになってきました。それが今回の商品が誕生するきっかけです。
―“味わい”を求める人が増えてきているのはなぜですか?
お客さまが求める“味わい”とは、ビールならではの旨みや飲みごたえを指すのではないかと私たちは考えています。近年、クラフトビールの広がりなどを背景に、ビールの素材本来の旨みや一口飲んだ時の満足感を求めている方が増えてきているのではないかと感じています。
―それが、今回の “麦芽100%”という選択肢につながったのですね。
はい。ビール本来の味わいを突きつめて考えたとき、鍵となるのは主原料である麦芽がもたらす旨みやコクだと考えました。現在、当社のビールのラインアップに麦芽100%のビールはありません。だからこそ、私たちが“うまい!”と心から思える麦芽100%のビールを開発できれば、既存ブランドとは異なる軸で、新しい生ビールの価値を提案できると考えました。
麦芽由来のコクとアサヒらしい後味のバランス
―発売前の「アサヒ ゴールド」、どんな味わいか一足先に教えてください。
ひと口目から、麦の旨みとコクをしっかり感じられる味わいです。麦の旨みを最大限引き出すため、厳選した麦芽を従来の商品と比べて約1.5倍使用しています。ただ、ビールらしい旨みや飲みごたえを大切にしながらも、お客さまが求める「後味のよさ」も欠かすことのできない要素です。「アサヒ スーパードライ」と同じ酵母を使うことによって、麦芽由来のコクと飲みごたえを保ちながらも、すっきりとした後味を実現しました。
「アサヒ スーパードライ」は飲んだ瞬間にグっと来る飲みごたえや瞬時に感じるキレのよさを特長とし、「アサヒ生ビール(通称:マルエフ)」はやわらかな口あたりやまろやかな味わいが印象的なビールなので、ちょうどその間に位置するような味わいかもしれませんね。
―この味わいを実現させるために苦労したことはありますか?
麦芽は飲みごたえやコクのある味わいをもたらす一方で、多く使用すると麦芽の成分由来の渋みや雑味、好まれない香りも生じてしまいます。そのネガティブな要素を発生させないように、麦芽の選定をはじめ、処方や製造工程を繰り返し調整しました。また、「後味のよさ」という要素も外せないと考え、酵母についてもさまざまなタイプを試しました。結果として「アサヒ スーパードライ」と同じ酵母が最適だという結論にたどり着き、麦芽由来の味わいを維持しつつ「後味のよさ」も実現できました。
「アサヒ ゴールド」という名前を選んだ理由
―「アサヒ ゴールド」という名前の商品、実は昔もあったそうですね。
そうなんです。かつて“アサヒ ゴールド”と呼ばれるビールが存在しました。1958年、朝日麦酒(アサヒグループホールディングスの前身)が日本で初めて缶入りビールとして発売した商品でした。
1957年に発売された「特製アサヒビール(通称:アサヒ ゴールド)」。当時は瓶ビールが主流の時代で、発売当初は瓶で展開されていました。一方、朝日麦酒では輸出用を見据えた缶ビールの研究を製缶会社とともに進めており、味や臭いといった品質面の課題を一つひとつクリア。1958年に日本初の缶入りビールとして「アサヒ ゴールド」の展開を開始しました。
―なぜ同じ名前の商品を発売するのでしょうか?
今回、「アサヒ ゴールド」という名の商品を発売するものの、味もパッケージもかつての「アサヒ ゴールド」とはまったく異なります。覚えやすいネーミングや味・パッケージとの親和性、飲んだ時に明るい気持ちになってほしいなと思って「アサヒ ゴールド」という名前にしました。ただ、昭和の「アサヒ ゴールド」は日本人にとってビールを身近にした革新的なものだと思っているので、その精神は受け継ぎたいですね。
未曽有のピンチを乗り越えて
―いよいよ4月に発売ですが、開発は決して平坦な道ではなかったとか。
2025年9月末、アサヒビールはサイバー攻撃に遭いました。当時、「アサヒ ゴールド」は発売に向けて準備の真っただ中。原材料の調達や販促計画の調整に苦労しました。商品の開発や発売準備は、ひとつの部署だけで完結するものではありません。調達や宣伝をはじめ、社内の関係部署や社外のデザイナーなど協力会社と密に連携することで、この春の発売が実現しました。
アサヒビールにとって、サイバー攻撃後に世に送り出す最初の新ブランドが「アサヒ ゴールド」です。多くの方々に支えられながら生まれたこの商品で、アサヒビールの新たなうまさを、これまで応援してくださったお客さまに届けていきたいです。
あなたの背中を押すゴールドの一杯に
―開発者として、この商品にどんな思いを込めたのでしょうか?
「アサヒ ゴールド」のブランドメッセージは、“ココロは、ゴールド。”忙しく変化の多い日常の中でも、自分なりの喜びや成長を見出しながら、前向きな気持ちで一歩ずつ進んで欲しい——そんな想いで、この商品を開発しました。パッケージにあしらった明るく輝くゴールドは、次の一歩を照らす“昇る朝日”や、これまでがんばってきた自分に贈る“ゴールドメダル”をイメージしています。
TVCMなどの広告では俳優の佐藤健さんと柴咲コウさんを起用します。見た人が前向きになれるような世界観になっているので、ぜひ楽しみにしていてください。
text 「ハレの日、アサヒ」編集部


お客さまの“うまい!”を追求し、たくさんの人の想いと支えの中で生まれた「アサヒ ゴールド」。その一杯が、飲む人の心を少しでも明るく照らす存在になれたら、これ以上うれしいことはありません。この春、新しい“ゴールド”をぜひ味わってみてください。