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池波正太郎ゆかりの地を巡る浅草散策。隅田川周辺のおすすめスポット紹介!

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池波正太郎ゆかりの地を巡る浅草散策。隅田川周辺のおすすめスポット紹介!

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日本を代表する観光地、浅草。古き良き江戸の情緒を残しながらも、世界に誇る現代の東京の先進性が同居する街として、国内外で人気を博しています。アサヒグループ本社ビルが建つ隅田川周辺も、これからの季節の散策にぴったり。

そんな浅草を散策するなら、作家・池波正太郎ゆかりの地を巡ってみるのはいかがでしょうか。浅草には、池波作品に描かれている風景や池波正太郎の世界観を感じられるスポットが満載です。

浅草をこよなく愛した池波正太郎の生涯

池波正太郎は、1923年1月25日に浅草に生まれました。待乳山聖天(まつちやましょうでん)からすぐ近くの生誕地には、記念碑が建てられています。

生まれた年に関東大震災が発生し、家が焼失したため、6歳の正月まで疎開先の埼玉県浦和市で育ちますが、父親が下谷上根岸で撞球場(ビリヤードホール)を開業したことをきっかけに浅草に戻ってきました。その後、両親が離婚し、母親の実家にある浅草永住町の家に移り住みます。

1935年、西町小学校を卒業後、茅場町の現物取引所に勤めるも、4か月で退職。日本橋兜町の株式仲買店に入店します。1944年には横須賀海兵団に入団し、武山海兵団の自動車講習員を経て、磯子の八〇一空に転属。1945年に敗戦を迎えると、翌年に東京都の職員となり、下谷区役所(現在の台東区役所)衛生課に勤務しました。

転機が訪れたのは、1948年のとき。当時25歳だった池波正太郎は長谷川伸の門を叩き、芝居の脚本を書いて生きていく決心を固めます。1951年には戯曲『鈍牛』が新国劇で上演され、商業演劇の脚本家としてのスタートを切りました。

1954年に長谷川伸のすすめで小説を書き始め、小説家としてのデビュー作『厨房(キッチン)にて』を発表。1960年に『錯乱』で第43回直木賞を受賞して時代小説の第一人者となると、その地位は『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズで揺るぎないものとなったのです。

※略歴の参考文献:オフィス池波 https://ikenami.info/profile/

池波作品に描かれた江戸の浅草

池波正太郎は浅草をこよなく愛していました。作中に江戸の浅草の様子がたびたび登場することからも、深い郷土愛が見て取れます。ここでは、池波作品に描かれている風景や池波正太郎の世界観を感じられるスポットをおすすめ順にご紹介しましょう。

隅田川と駒形橋

池波正太郎は「隅田川」を大切に思っていました。そのため「隅田川」周辺は、池波作品に多数登場します。

江戸の頃は大川橋とも呼ばれていた「吾妻橋」では、例えば『剣客商売』の「暗殺」で、秋山大治郎と御用聞き四谷の弥七が、旗本・杉浦丹後守に雇われた浪人たちに襲われました。そして、台東区から墨田区に向かって歩行者通路「すみだリバーウォーク®」を歩いた先には、鬼平外伝『正月四日の客』の舞台、そば屋の「さなだ屋」があったとされる場所に行き着きます。

また、「吾妻橋」の南にかかる青色のアール・デコスタイルの「駒形橋」のたもとの「駒形堂」の裏手には、『剣客商売』の主人公・秋山小兵衛の仲立ちで夫婦になった長次とお元が開いた「酒飯・元長」があったとされています。

浅草寺と仲見世

浅草を象徴する「浅草寺」は、約1400年歴史を有する東京最古の仏教寺院で、昔と変わらぬ趣が感じられます。池波正太郎が生まれたのは北側に位置する「奥浅草」ですが、「浅草寺」周辺でも池波作品の世界観を存分に味わうことができるでしょう。

浅草寺のシンボルといえば「雷門」。赤い大提灯の前は、いつも記念写真を撮影しようとする観光客で混雑しています。なお、「雷門」は浅草寺の総門にあたり、正式名称は「風雷神門」といいます。

その「雷門」から「宝蔵門」まで長さ約250メートルにわたって続く浅草寺の表参道「仲見世」も、有名な浅草のスポット。両側に派手に装飾された朱塗りの店舗が並び、大勢の人で賑わうのは、今も昔も浅草の日常の光景です。『仕掛人・藤枝梅安』の相棒・彦次郎が表の家業として楊子を納める「楊子店・卯の木屋」も「仲見世」にあります。

伝法院通り

「仲見世」と直角に交わる「伝法院通り」にも、江戸の暮らしを伝える特徴的な工夫が施されています。さまざまな商店が軒を連ねていますが、お店の看板に絵が描いてあるのは、当時、文字の読めない庶民でも何を扱っているお店なのか一目で分かるようにしていた名残。「伝法院通り」を歩けば、池波正太郎が描いた江戸時代の浅草にタイムスリップしたような感覚に浸ることができます。

待乳山聖天

池波正太郎の生誕の地の近くにある「待乳山聖天」は、正式には「本龍院」といい、浅草寺の支院のひとつ。境内各所で見られる大根は身体健全と夫婦和合を、巾着は財福の功徳を、表わしたものとされています。

「待乳山聖天」付近は、いわば『鬼平犯科帳』のレギュラースポット。長谷川平蔵お気に入りの「船宿・嶋や」があったのも、このあたりです。

写真提供:浅草寺・待乳山聖天

浅草散策の休憩は、アサヒグループ本社ビルで

奥浅草から隅田川沿いにかけて池波正太郎ゆかりの地を巡る浅草散策で疲れたら、アサヒグループ本社ビルに立ち寄りましょう。エレベーターで21階まで上がると、豪華な内装のホールに到着します。中央に伸びるエスカレーターで22階に向かえば、正面に展望ラウンジ「アサヒスカイルーム」が現れます。ここは、浅草の街を一望できる絶景ポイント。おいしいビールを飲めば、散策の疲れも吹き飛ぶはず。ソフトドリンクや軽食もあるので、子どもやお酒が苦手な人も楽しめます。

浅草寺をはじめとする浅草の街が一望できます
スカイツリーが見える席も

【アサヒスカイルーム】
・所在地:東京都墨田区吾妻橋1-23-1 アサヒグループ本社ビル22階
・営業時間:10:00~22:00

「池波正太郎記念文庫」で、さらに池波正太郎の世界にどっぷりと

「もっと池波正太郎について知りたい」。そう思ったのなら、台東区立中央図書館内にある「池波正太郎記念文庫」に足を運んでみてください。さらに池波正太郎の世界にどっぷりハマれること、間違いありません。

池波正太郎の業績や作品の世界を広く伝える「池波正太郎記念文庫」では、作品に関するさまざまな資料を収蔵し、書斎復元コーナーや生前に愛用していた品々をはじめ、著作・自筆原稿・絵画などの一部が常時展示されています。生前に使用していた品々や手書きの原稿などは、池波正太郎がどのようにして物語を生み出していたのかを知る貴重な資料です。彼の生き様や創作の裏側をひしひしと感じることができるでしょう。

「池波正太郎記念文庫」の近くには、今回紹介したスポット以外にも「池波正太郎ゆかりの地」が点在しています。作品の舞台がどのように現代に息づいているのか、近隣を散策しながら池波正太郎が愛した浅草の街並みに思いを馳せてみてください。

【池波正太郎記念文庫】
・所在地:東京都台東区西浅草3-25-16
台東区生涯学習センター1階 台東区立中央図書館内
・開館時間:9:00~20:00(月曜~土曜)、9:00~17:00(日曜・祝日)
・休館日:毎月第3木曜日(館内整理日・祝日に当たる場合はその翌日)、年末年始、特別整理期間
※2025年9月〜2026年11月は建物改修のため休館予定
https://library.city.taito.lg.jp/ikenami/

※参考・引用文献

https://ikenami.info/profile/
https://library.city.taito.lg.jp/ikenami/index.html
https://youtu.be/Q7S5kBUVh_c?si=tjhZmzuWkgz-1LZQ&t=240
https://www.google.com/maps/d/u/0/viewer?mid=15Sol7oAKN3VgowtlBknVG5Hqp6913n8&ll=35.71250535842126%2C139.79679649021298&z=18
http://taitouboragai.com/ikenami.html
https://e-asakusa.jp/course/5067

text 権藤 将輝
photos 後藤 秀二

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