ハレの日ごはん【6】お月見をもっと楽しく!手作り月見団子
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「ハレの日」とは、お正月や節分などの年中行事、成人式などの人生の節目にあたる日を指します。
このような「ハレの日」には、その日にちなんだ特別な料理を食べることがありますよね。そこでこの連載では「ハレの日」に食べる食事について、レシピとともに紹介します。日本ならではの年中行事やその日に食べるごはんを知る一年にしてみませんか?
第6回は、秋の夜空を彩る「中秋の名月」と「十三夜」の由来や楽しみ方、そしてお月見に欠かせない“月見団子”レシピをご紹介します。
INDEX
「中秋の名月」と「十三夜」──二つの月を楽しむ日本の秋
お月見には、「中秋の名月」とほぼ同義で使われている「十五夜」と、「十三夜」の二つの行事があります。童謡にも登場する「十五夜」は馴染み深いですが、その約一か月後に訪れる「十三夜」も、月を眺めて季節を感じる日本独自の行事です。それぞれの由来や意味を知ることで、秋の夜長がより豊かなものになりますよ。
中国から伝わったお月見の歴史
「十五夜」は本来、旧暦における毎月15日を指しますが、現在では旧暦8月15日の「中秋の名月」がお月見の日として広く知られています。この日は空気が澄み、月が高く昇るため、特に美しい満月が見られるとされています。2025年は、10月6日が中秋の名月にあたります。
お月見の風習は、中国の「中秋節」に由来しています。中国では、旧暦で8月15日を秋の真ん中にあたる「中秋節」と呼び、古くから月を鑑賞する習慣がありました。この風習が平安時代の日本に伝わり、宮中行事として定着していきました。平安時代の貴族たちは、池に舟を浮かべて月を愛で、和歌を詠む「観月の宴」を楽しみました。
十五夜は里芋の収穫時期と重なることから「芋名月」とも呼ばれ、里芋を供えて、秋の実りに感謝する風習が各地に伝わっています。
日本独自の風習「十三夜」─もう一つの月見の楽しみ方
中国では「中秋節」の1日だけお月見を楽しむ一方、日本では約一か月後の「十三夜」にも月見をする風習があります。十三夜の月は少し欠けていますが、その控えめな美しさが日本人の美意識に合い親しまれてきました。
十五夜だけを祝うのは「片見月」といって縁起が悪いとされ、両方の月を愛でることで、より良いご縁や幸運が訪れると信じられています。また十三夜は、栗や豆の収穫時期にあたることから、これらをお供えする風習があり、別名で「栗名月」「豆名月」とも呼ばれています。
お月見の日は何をする?
平安時代には貴族の娯楽だったお月見ですが、江戸時代には庶民の間にも広まりました。縁側や庭先で家族や近所の人と月を眺めながら、月見団子や里芋を味わう風景が定番に。
月を題材にした俳句や和歌も多く残されており、松尾芭蕉の『名月や池をめぐりて夜もすがら』などが有名です。
それでは、現代ではどんな風習が受け継がれているのでしょうか。ここからは、各地で親しまれているお月見のお供え物についてご紹介します。
月見団子
お月見といえば「月見団子」が定番です。一般的には、十五夜にちなんで15個、十三夜には13個並べます。お団子の形状や盛り方は、地域によって様々です。関東では、白く丸いお団子をピラミッド型に積み上げるスタイルが一般的です。丸い団子は満月を表し、豊作や家族の健康を願って供えます。
関西ではこしあんを巻いた楕円形の団子を並べるスタイルが見られ、これは「芋名月」にちなんで里芋に見立てられていると言われています。
地域によっては、みたらしやきなこをまぶしたり、サツマイモやカボチャを練り込んだりと、秋の味覚を取り入れたアレンジも見られます。団子の並べ方も、三段に積む、円形に並べるといった工夫も見られます。
すすきを飾る
魔除けや豊作祈願の意味を込めて、すすきを飾るのもお月見の定番です。すすきは稲穂に似ていることから、豊作を願う象徴とされ、また、鋭い葉が邪気を払うと信じられてきました。
お月見にぴったり!簡単「みたらし団子」レシピ
お月見の夜に欠かせないのがお団子。今回は、だんご粉を使った基本の「みたらし団子」のレシピをご紹介します。材料もシンプルで簡単に作れるので、家族や友人と一緒に作ると季節の行事がもっと楽しくなりますよ。
<材料>4人分
だんご粉……100g
(A)
しょうゆ……大さじ2
おすすめ商品:『キッコーマン特選丸大豆しょうゆ』
みりん………大さじ5
おすすめ商品:『マンジョウ国産米 濃厚熟成本みりん』
砂糖…………大さじ4
水……………大さじ4
(B)水溶き片栗粉
片栗粉………大さじ1
水……………大さじ1
<作り方>
1. (A)をあわせて強火にかけて、沸騰させ、みりんのアルコール分をしっかりとばす。砂糖が溶けたら、(B)の水溶き片栗粉を合わせたものでとろみをつけて、冷ます。
※水溶き片栗粉は何度かに分けて加え、とろみの調節をしてください。団子にしっかりからむように、少し強いとろみが目安です。
2. だんご粉に水75mlを少しずつ加えながら、耳たぶくらいの固さになるまでしっかりこねる。
※水加減はお好みにより調節してください。
3. (2)を16等分にして、丸めたものから沸騰したお湯に入れ、3~4分ゆでる。浮き上がってきたものは水に取る。
4. (3)の水気をふき取って、竹串に4個ずつさし、(1)をスプーンでたっぷりとかける。
レシピ提供:キッコーマンホームクッキング「みたらし団子」
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お団子は食べたいけれど、喉に詰まったり、口内にはりついたりと不安もありますよね。そんなときにおすすめなのが、「バランス献立」シリーズの「スプーンで食べるおもち」です。やわらかくて食べやすく、高齢の方やお子さまにも安心してお召し上がりいただけます。
加熱調理が不要で、パウチから出してすぐに食べられる手軽さが魅力です。おもちにきなこやあんこを添えれば、月見団子風の一品に。見た目も楽しく季節感がアップします。
「バランス献立 スプーンで食べるおもち よもぎ」アレンジレシピ いちご大福
text 「ハレの日、アサヒ」編集部


秋の夜長、満月や十三夜の月を眺めながら、お月見団子や旬の味覚を味わうのは日本ならではの楽しみ。今年は手作り団子やおもちで「ハレの日ごはん」を楽しんでみませんか?