世界の朝ごはん【1】シンガポールのカヤトースト
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「世界の朝ごはん」へようこそ!この連載では、海外にゆかりのあるアサヒグループ社員が、愛する故郷の朝ごはんと、その国の文化やおすすめの観光スポットなどを紹介します。
記念すべき第1回は、多文化が交差するシンガポールの定番「カヤトースト」。アサヒグループホールディングス コーポレートコミュニケーション部門のラウ・ジーナに、シンガポールの朝食の魅力を聞きました。

INDEX
シンガポールの定番朝ごはん

カヤトーストとは、炭火焼またはトーストしたパンに、カヤジャムとバターを挟んだもの。カヤジャムは、ココナッツ、卵、砂糖、甘い香りのハーブの一種であるパンダンリーフ等で作られています。醤油を少量加えた2つの半熟卵につけて食べます。
そして朝食に欠かせないドリンクといえばコピ。コピとはシンガポールではコーヒーという意味で、日本ではブラックコーヒーを連想する方が多いかもしれませんが、コピは非常に甘く濃厚なのが特徴です。そんなコピに欠かせないのがコンデンスミルク。底にたまったコンデンスミルクをかき混ぜるため、必ずスプーンがセットでついてきます。
朝ごはんは外食するか、母が買ってきてくれることが多かったです。一番よく行っていたお店では、いつも半熟卵とカヤ―トーストのセットを注文。すぐに出来上がるので、朝急いでいることの多いシンガポール人にとって、とてもありがたいお店でした。
バターのコクがカヤジャムの甘さとココナッツらしさ、パンダンリーフの香りを引き立てるので、クリスピーなトーストにどちらもたっぷり挟むのが最高のコンビだと思います。日本でも食べたくなるので、輸入食材を扱うお店で買っていて、今でも切らさないようにしています。
レシピ:カヤトースト
<材料>1人前
・新鮮な卵…………………2個
・食パン(10枚切り)……2枚
・バター………………………適量
・カヤジャム………………適量
・濃口醤油…………………適量
<作り方>

1.常温に戻した卵をボウルに入れ、沸騰したお湯を卵が完全に浸かる程度注ぎます。
※冷たい卵の場合は、室温に5〜10分ほど置くか、ぬるま湯で温めてヒビが入らないようにします。

2.ボウルに蓋やお皿を乗せ、6~7分置いておきます。
※お好みで時間を調整してください。
3.卵を取り出し、すぐに冷水を入れたボウルに入れるか、冷たい流水で30秒間冷やします。これで加熱を止めます。

4.トースターで食パンをこんがりとするまで焼きます。
カヤジャムを塗り、バターを挟みます。

5.卵を割り、濃口醤油を少量と白こしょうをひとふり加えると、クラシックなシンガポール風の味付けになります。
卵にカヤジャムとバターを挟んだトーストをつけて召し上がれ。
※よりシンガポールの味付けに近づけたい方は、中華料理を始めアジア料理でよく使用される、とろみがあって色の濃いダーク醤油を使ってみてください。
シンガポールで使われている英語“シングリッシュ”
英語はさまざまな国で使われていますが、国によって表現や発音が変わることがあります。その一例がシンガポール英語、通称「シングリッシュ」。日本で習うような英語とは異なり、独自の表現やニュアンスが豊富なのが特徴です。
例えば、タスクや依頼に対して「Can」というシンプルな表現が頻繁に使われます。この表現はシンガポール英語独特のものには、「はい、できます」または「問題ありません、私に任せてください」という意味が含まれ、同意と安心感を話す人に与えるシンガポール英語ならではの表現です。
また「Can leh」、「Can lah」、「Can meh」、「Can hor?」のような表現も聞き慣れないと思いますが、これらは話し手のさまざまな気分や意図を伝える表現で、日本語の「~ね」や「~だよ」と似た使い方をします。
実際の「can」を使った例文がこちら。
A: “Can or not?”
(「これ、できる?」)
B: “Can lah.”
(もちろんできるよ。)
A: “Can meh?”
(本当にできる…かな?)
B: “Can is can!”
(できるものはできるさ!)
A: “…Really can hor?”
(本当にできるんだよね?)
B: “Can lah, no worry!”
(もちろん、心配しないで!)
この会話では、
「Can lah」は、自信を持って「できる」と断言する時に使われます。
「Can meh?」は、実現可能性に疑問を投げかけて尋ねる表現です。
「Can is can」は、断定的でくだけた口調で「できることなら、きっとできる!」という意味で使われます。
「Can hor?」は、相手が本当に達成可能だと同意しているか確認するための表現です。
「Can lah, no worry!」は、相手の疑念を打ち消し、自信を持って「問題ない、大丈夫!」と再確認する言い回しです。
text・photos 「ハレの日、アサヒ」編集部
カヤトーストは食べたことがないと「甘いジャムに卵と醤油…?」と味の想像がつきにくいかと思いますが、甘じょっぱくてとってもおいしかったです。シングリッシュ独特の表現にも新鮮な驚きがありました。
次回は韓国の朝ごはんを紹介します。