暑い夏にはスパイスを使った料理とお酒を楽しもう!
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汗をかきながら食べる辛い料理に、ひんやり冷えたお酒はまさに夏の醍醐味ですよね。
暑い日に辛い料理が食べたくなる理由や、夏におすすめのスパイス料理ついて、エスビー食品株式会社 スパイス&ハーブマスターの磯部 友美さんにお話を伺いました。
INDEX
暑い日に辛いものが食べたくなるのはなぜ? 夏にぴったりのスパイス活用法
ーまず初めに、暑い日に辛い食べ物が食べたくなるのはなぜでしょうか?
唐辛子や胡椒のような辛みの強い食材は、熱帯アジアや中南米などの暑い地域で多く栽培されている傾向があります。そのため、現地の食文化と深く結びついています。
たとえばメキシコでは、さまざまな種類の唐辛子が日常的に使われており、料理には欠かせない存在となっています。長い歴史や文化の中で培われた食習慣によって、暑さの中で辛いものを欲する食文化が形成されていったのかもしれません。
―では、夏におすすめのスパイスを教えてください。
辛みを足すなら「チリーペッパー」
辛いスパイスと言って思いつくのはまずは「唐辛子」ではないでしょうか。「チリーペッパー」とも呼ばれ、辛みを足したいときにお好みでどんな料理にもお使いいただけます。そのまま乾燥させた「ホール」のほか、「パウダー」「あらびき」「輪切り」など様々な形態があり、それぞれ料理に合わせて手軽に使えます。
メキシコ風料理にぴったり「チリパウダー」
「チリパウダー」は、唐辛子の他、パプリカ、オレガノ、クミン、ガーリックなどがブレンドされたミックススパイス。
メキシコ風の料理で、アメリカテキサス州の「テクスメクス料理」の代表である肉と豆などを煮込んだチリコンカンなどに使われます。
それ以外にも、アメリカ南部のルイジアナ州の料理でもある「ケイジャン料理」にもぴったりです。
それほど辛みが強くないので、辛いのがお好きな方はチリーペッパーなどをあわせて使ってもいいですね。
カレーにも、いつもの料理にも使える「赤缶カレー粉」
ミックススパイスの代表といえば定番の「赤缶カレー粉」ですね。
唐辛子の他に30数種類のスパイスがブレンドされています。インド風カレーではなく、欧風カレーを作るために生まれたと言われていますが、一般的にどのカレーのジャンルにも使用できる基本のカレー粉です。
インドカレーに使用するスパイスも含まれていますし、これにハーブを入れることでタイ風のカレーを作ることもできます。現地とは作り方は異なりますが、いろいろなジャンルのカレーに応用できますよ。
また、いつもの料理に加えるだけで食欲そそる香りのメニューができ、レパートリーが広がります。
より本格的なインドの香り「ガラムマサラ」
インドのミックススパイスである「ガラムマサラ」は、辛みと香りを高めるためのミックススパイスで、カレーの仕上げのほか、インドカレーを作るのにも適しています。一般的にカレー粉が20~30種類のスパイスがブレンドされていると言われているのに対して、ガラムマサラは5~10種類ぐらいのシンプルなブレンドです。
カレーの仕上げに加えるとバランスのよい辛口のカレーになります。そのほか、揚げ物の仕上げに振りかけてスパイシーな風味を楽しむのもおすすめです。
そのほかの「唐辛子」いろいろ
冒頭にご紹介した、一般的な唐辛子(チリーペッパー)」のほかにも、「唐辛子」の種類はさまざま。暑い時期にガツン!と辛い物が食べたい方には、辛みがより強い「ハバネロ」や「ハラペーニョ」などもおすすめ。一方で、辛みがあまり強くない唐辛子としては、甘みや香りが特徴の韓国産唐辛子などがあります。
これらはお好みで自由に辛みづけ・風味づけに利用できますが、それぞれの原産地に合わせた料理に使用するのがおすすめです。
韓国料理にはハラペーニョよりもやはり韓国唐辛子が合いますし、メキシコ料理にはハラペーニョのほうが相性は良いです。
料理のアクセントにもぴったり「胡椒」
唐辛子がヒリヒリと後に残る辛さなのに対して、「胡椒」はピリッとした辛みと爽やかな香りが特徴です。胡椒の辛みはピペリンという成分によるもので、唐辛子の辛みとは成分が異なります。
代表的な「ブラックペッパー」は野性的でさわやかな香りと、ピリッとした強い辛みが特徴で、粒のまま煮込んだり、アクセントで料理の仕上げにもおすすめです。
痺れるような辛さが特徴!人気も高くなっている「花椒」
花椒(ホアジャオ)はさわやかな香りと、ピリッとした辛みのある中国の山椒の一種です。
ミカン科の植物で、柑橘系を思わせる爽やかな香りもあり、すっとした清涼感が夏におすすめです。
痺れる味わいが特徴で、ごま油と和えて中華風和え物にしたり、花椒に塩を混ぜた花椒塩(ホアジャオエン)を作って唐揚げにつけてもおいしいですよ。
スパイスをおいしく長持ちさせる方法とは
―暑い時期は特に保存方法が心配です。どのように保管するのが良いのでしょうか。
スパイスの保存方法として重要なのは「光を避ける」「熱を避ける」「湿度を避ける」の3つです。
光を避ける・・・光が当たってしまうとスパイスの色が抜けてしまいます。特に、唐辛子の赤はとても弱いので、蛍光灯に当たっているだけでも抜けてきてしまいます。なので、直射日光はもちろん、光が当たらない暗所で保存するのが良いです。
熱を避ける・・・料理をする際にすぐに手に取れるようにコンロの近くに置きがちですが、温度変化が劣化の原因にもなってしまうので、コンロの近くに常備しないことが重要です。
湿気を避ける・・・湿気があるとスパイスが固まってしまいますし、スパイスの特徴でもある香りの変化など、品質劣化の原因にもなります。気をつけていただきたいのが、蒸気の上がった鍋やフライパンの上で直接振り入れないことです。少し風味を足すときに、スパイスを直接振り入れる方も多いかと思いますが、湯気がスパイスの容器に入り込んで、スパイスが湿気る原因になってしまいます。少し手間ではありますが、必要な分、小皿に取り出してから入れることが、良い品質を保つコツです。
―冷蔵庫の中で保存しても問題ないのでしょうか。
スパイスが悪くなる原因の3つはクリアしていますが、冷蔵庫から取り出してから使うまでに時間があると、温度差で結露が生まれて湿気に繋がってしまうので、冷蔵庫で保存する場合はしっかりキャップを閉めるとともに、使う分だけ手早く小皿に出すよう心掛けていただきたいなと思います。
お酒にも合う!おすすめのスパイスで作る簡単料理
夏におすすめのスパイスを使ったレシピを教えていただきました。
ビールにぴったり!簡単カリーヴルスト
ビールといえばソーセージと言っても過言ではないほど、相性ぴったり!簡単にできて、夏にぴったりなカリーヴルスト。
<材料>2人分
フランクフルト……4本
【A】
トマトケチャップ…………大さじ4
S&Bカレー粉…………小さじ2/3
S&Bカレー粉…………適宜
S&Bローレル(ホール)…………1枚
<作り方>
1.鍋に水とローレルを入れて火にかけ、沸騰したら火を少し弱めて2分ほど静かに加熱し、ローレルの香りをお湯に移します。再び火を強め、フランクフルトを入れてゆでます。
2.【A】を混ぜ合わせます。
3.【1】のフランクフルトを2-3cm長さに切って器に盛り、その上に【2】をかけ、カレー粉を上に振ります。
忙しい平日でもすぐにできる!チリパウダーで作る簡単タコライス
簡単なのに本格的なタコライス!複数のスパイスを調合したチリパウダーがビールにも合います。
<材料>2人分
合いびき肉…………200g
S&Bおろしにんにく…………小さじ1/2
サラダ油…………大さじ1/2
【A】
トマトケチャップ…………大さじ1
ウスターソース…………大さじ1
S&Bチリパウダー…………小さじ1
醤油…………小2
白飯…………適量
トマト…………1/2個
レタス…………2枚
シュレッドチーズ(生食用)…………適量
<作り方>
1.フライパンにサラダ油を熱し、ひき肉、にんにくを加えて炒めます。
2.【A】を加え、汁けが少なくなるまで炒めます。
3.器に白飯を盛り、レタスをちぎってのせます。【2】をかけ、角切りにしたトマト、チーズをトッピングします。
ピリッと辛い花椒が決め手!花椒を味わうよだれ鶏
痺れが特徴の花椒を使ったたれをたっぷりとかけたよだれ鶏は、ジンとも相性抜群です!
<材料>2名分
鶏むね肉…………1枚(200g)
塩…………小さじ1/4
酒…………大さじ2
【花椒たれ】
ごま油…………大さじ1
ねぎ…………10㎝
S&Bおろしにんにく…………小さじ1/2
S&Bおろししょうが…………小さじ1/2
酢…………大さじ1
醤油…………小さじ2
白すりごま…………大さじ1/2
砂糖…………小さじ2
S&B花椒(パウダー)…………1本小さじ1
S&Bラー油…………小さじ1/2
<作り方>
1.鶏肉は室温に戻し厚みを均一に開きます。ねぎはみじん切りにします。
2.厚手の鍋にたっぷりの水、塩、酒、【1】の鶏肉を加えて火にかけ沸騰したら火を止め、フタをし20分ほど余熱で加熱します。
3.小さめのフライパンにごま油、にんにく、しょうが、ねぎを入れて弱火で熱し香りを引き出します。酢、醤油、ごま、砂糖を加えて全体を混ぜ合わせながら軽く炒めます。
4.最後に花椒、ラー油を加えて香り良く仕上げます。
5.【2】の鶏を薄切りにし、器に盛り【4】をかけます。
レシピ提供:エスビー食品株式会社公式HP
スパイスを使った料理と一緒に楽しみたい編集部おすすめドリンク
チリパウダーやカレー粉を使った料理にはビールがとても合います。
グッとくる飲みごたえと瞬時に感じるキレの良さが特徴の「スーパードライ」は食事との相性も抜群です!暑い日はスパイスを使った料理と、キンキンに冷やした「スーパードライ」や、まろやかさが特徴の「アサヒ 生ビール」はいかがでしょうか。
花椒やブラックペッパーは既にボタニカルが使用されているジンと相性が良いです。
「NIKKA COFFEY GIN」はジュニパーベリーとともに広がる柚子や甘夏、かぼすなど和柑橘の香りと程よくスパイシーな山椒が
アクセントのジン。アレンジで、ローズマリーをジンにそのまま入れるだけで香りも立ち、爽やかな味わいになります。
料理に合わせてお酒を変えるのも楽しいですね。
text 「ハレの日、アサヒ」編集部
エスビー食品株式会社公式HP:https://www.sbfoods.co.jp/
画像提供:エスビー食品(株)


今年の夏はスパイスを使った料理で暑い日々を乗り越えたいですね。
手軽に取り入れられるスパイスから、ブレンドされた本格的なスパイスまでさまざまな種類があるので、料理によって使い分けてみてはいかがでしょうか。