氷上の格闘技 アイスホッケーの魅力と初心者の観戦ガイド
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前回の記事でご紹介した日本女子アイスホッケーの活躍に続き、男子アイスホッケーも新リーグの誕生で国内に熱気が広がっています。
今回は、公益社団法人 日本アイスホッケー連盟の石井さんと永窪さんに、アイスホッケーの魅力や観戦の楽しみ方を伺いました。スピードと迫力に満ちた“氷上の格闘技”の世界を、一緒にのぞいてみましょう。
左:石井 洋(いしい ひろし) 公益社団法人 日本アイスホッケー連盟 常務理事・事業本部長
右:永窪 正和(ながくぼ まさかず) 公益社団法人 日本アイスホッケー連盟 事務局長
INDEX
日本で広がるアイスホッケーと新リーグ「XHL」
―アイスホッケーは日本でどのくらい浸透しているのでしょうか?
石井さん:日本のアイスホッケー人口は約1万7千人。9歳以下を対象にした「U9」から、学生、社会人、さらには70歳以上の大会まであり、実は年齢を問わず楽しめる生涯スポーツなんです。トップリーグは日本5チームと韓国1チームで構成される「アジアリーグアイスホッケー」があり、これはサッカーでいえばJ1にあたる存在です。
永窪さん:2025年10月には新たな国内アイスホッケーリーグ、「EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE(通称:EHX/エックスエイチエル)」が誕生しました。XHLは未来の代表選手を生む土台となり、アイスホッケーに触れる新しい入口として期待されています。東京・名古屋・滋賀の3チームでスタートし、初年度は18試合を開催予定です。
氷上の格闘技、その魅力と観戦ガイド
―アイスホッケーの最大の魅力は何でしょうか?
永窪さん:一番の魅力はスピード感です。他のスポーツでは体感できない速さで試合が進み、選手は一瞬で攻守を切り替えます。その切り替えの速さこそ、アイスホッケーの醍醐味です。
石井さん:野球やサッカーはボールが速く動くことはあっても、選手の動きはアイスホッケーほど速くありません。氷上をかけるスピードは陸上の短距離走以上です。さらに男子では身体をぶつけ合う”ボディチェック“があります。スピードと激しさを同時に味わえるスポーツは他にありませんね。
基本ルールと試合時間
ホッケーは黒い円盤「パック」をスティックで操り、相手ゴールにシュートできれば1点。
「オフサイド」などの基本的なルールを知っておくと、観戦がより面白くなりますよ。危険な行為にはすぐにペナルティが科され、安全と迫力を両立しています。
- 1チーム6名で構成
- 相手のゴールに多くのパックを入れたチームが勝ち
- 1ゴールで1点加算
- オフサイドは攻撃側の選手がパックよりも先にブルーのラインを超えること
- ペナルティは細かく設定され、肘打ちやスティックでの妨害は禁止
- 試合時間は20分x3ピリオド制。各ピリオドの間に20分間の休憩あり
反則やゴールで時計が止まるため、実際の観戦時間は約2時間前後。3ピリオド終えた時点で同点なら、延長戦やシュートアウト(サッカーでいうPK戦)で決着をつけます。
選手交代のスピードにも注目!
石井さん:フォワードやディフェンスは、通常1分未満で交代します。重い防具を身に着けて激しく動きまわるので、体力の消耗が早いためです。試合を止めずにベンチ横から流れるように選手が入れ替わります。このテンポの速さもアイスホッケーならではの見どころです!
試合観戦の準備
チケットはオンライン購入でき、自由席なら1,500~2,000円ほどです。初めての観戦なら、リンク全体を見渡せる中央席がおすすめです。
会場は冷えるため、防寒対策は必須。「特に足元から冷えるので、膝掛けがあると安心です」と石井さんがアドバイスをくれました。会場にはフードトラックやグッズ販売もあり、試合以外の楽しみも充実しています。
初心者におすすめの大会・リーグ情報
お二人に観戦デビューにおすすめの大会を教えてもらいました。
男子の日本一を決めるトーナメント戦!
大会名 第93回全日本アイスホッケー選手権大会(A)
開催期日 2025年12月18日(木)~12月21日(日)
開催場所 長野県長野市若里多目的スポーツアリーナ ビッグハット
詳しいスケジュールやチームの情報はこちらをご覧ください。
女性ファンや“推し活”目的の観客も増加しており、会場は一体感に包まれます。
「まずは一度、氷の上の迫力を体感してみてほしい」と石井さん。
今秋開幕!新リーグ「XHL」も注目
リーグ名称 EXTREME ICE HOCKEY LEAGUE(通称:XHL)
開催期間 2025年10月~2026年3月(予定)
詳しい試合スケジュールやチームの情報はこちらからご覧ください。
「氷を削る音、スティックのぶつかる音、そしてスピード感。一度見たらきっとハマりますよ!」とお二人から力強いメッセージをいただきました。
日本女子代表の活躍が注目を集めるなか、男子リーグの盛り上がりにも期待が高まるアイスホッケー。
この冬は、ぜひリンクへ足を運び、氷上の熱戦をその目で体感してみてください。
公益財団法人 日本アイスホッケー連盟ホームページ
写真提供:JIHF
text「ハレの日、アサヒ」編集部

