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ヒットの裏側 『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』 今、なぜ白湯がウケているのか?

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ヒットの裏側 『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』 今、なぜ白湯がウケているのか?

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近年、白湯が流行っていることをご存じですか?何となく知ってはいても、「美意識が高い一部の人たちに流行っているんだろう」「そもそも白湯って何?作るの面倒くさそう…」と思っている方、さまざまな理由でまだ試していない方も多いのではないでしょうか?
アサヒ飲料が2022年に発売した『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』は、季節を問わず好調で、お客さまに支持されています。今回は、そんなアサヒの白湯について、マーケティング担当者の鈴木慈にヒットの裏側を聞きました。これを読めば、皆さんも白湯を試してみたくなるかも?!

なぜ白湯が今“きている”のか?

―まず白湯とはどのようなものなのか教えてください。沸騰したお湯をある程度冷ましたものというイメージがあるのですが…

確かにいろいろな解釈がありますよね。私たちも辞典やさまざまな文献を調べたのですが、アサヒ飲料としてはシンプルに「適温まで温めたお湯」を白湯と定義しました。「じゃあ、適温とは何度なの?」と思われるかもしれませんが、飲む方それぞれに適温も異なるので、明確に何度が適温と示せるものではないと考えています。アサヒ飲料としての白湯の適温という意味では、50~60℃を適温と設定しています。

―シンプルに定義しているのですね。難しさや面倒くささを感じていた部分が少し解消されました。白湯が流行っていると聞くのですが、なぜなのでしょうか?

もともと美容や健康意識の高まりから白湯を飲む人は増えていたのですが、コロナ禍でそういった意識に拍車がかかったと考えています。アサヒ飲料の推計では、白湯の飲用経験率は2009年の11.8%から2022年には61.0%と約5倍に伸びているんです。
特に、白湯を朝に飲むことを習慣にしている方が増えているのですが、朝から体を温めることの良さももちろんありますけど、習慣的に何かをするという行動自体も良いのかなと思っています。朝活のように、朝の始まり方の一つとして白湯を習慣として取り入れられることが良さの一つで、流行っている理由かなと。

アサヒ飲料 マーケティング二部 ウォーターグループ 鈴木 慈

『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』はどうやって生まれたのか?ズボラさんに向いている?

―今回、PETボトルの白湯を発売しようと考えたきっかけはどういったものだったのですか?もともと水や白湯が好きだったんですか?

以前は研究所でお茶などの商品の処方を考える仕事をしていたのですが、味覚がどんどん敏感になってしまって、プライベートで飲むものは水やミネラルウォーターなどシンプルなものが好きになっていったんです。1日2Lの水を飲むということにチャレンジしたり、通販などでさまざまなミネラルウォーターを取り寄せたり、海外旅行先でもミネラルウォーターを買い込んで飲み比べをしたり。一口に水と言ってもそれぞれ個性があって、どんどんハマっていきました。

そのうちに白湯も飲むようになったのですが、毎日となると準備を負担に感じてしまって、3日に1回くらいしか飲めませんでした。世間でも外出が増えたり、テレワークから出社が増えたりすると、朝に白湯を飲もうと思ってもなかなか続かない方、白湯のためにちょっと早く起きるのは無理という方もたくさんいるのではないかと思ったんです。そういった方々に手軽に飲める白湯を提案したいなと思ったのがきっかけです。お湯を沸かす必要がある白湯が外出先で飲めたら便利だなと。忙しい朝の時間にも効率的に白湯が飲めるということを提案できたことがこの商品のヒットの理由の一つかなと思います。

―たしかにコンビニエンスストアなどで手軽に買えて、すぐに飲めるのは続けやすいですよね。発売にあたって苦労した点などはありますか?

実は2014年にも『アサヒ バナジウム天然水 ホット』という商品を発売していて、あまり売れなかったんです。お客さまの声がきっかけで発売したのですが、当時はまだ白湯を飲む習慣自体が一般的には浸透していなくて、求めている方が少なかったのかなと思います。商品名の「天然水ホット」がイコール「白湯」であるというイメージも湧きづらかったので、お客さまに商品特徴をしっかりと伝えられていなかったことも大きな原因だったと思います。

―過去にも似たような商品を出していたのですね。あまり売れなかった商品を再度発売するというのはハードルが高そうですが…

そうなんです。なので、白湯の飲用経験率が伸びているというデータに加え、白湯の習慣性なども詳しく調べて、トライアルだけではなくてリピートにもしっかりつながる商品だと説得して回りました。「今なら売れる!」と理解してもらったのですが、今度はどのように商品特徴をお客さまに伝えるかに頭を悩ませました。何せ中味は同じ「温めたお湯」なので、見え方をどのように変えるか、何度も検討を重ねました。

―商品特徴の伝え方がポイントだったのですね。どのような点にこだわったのですか?

一番は「白湯」という言葉を前面に出したことですが、他にもパッケージでは、暖かさや優しさを表現したいと考えて、地の色にただの白ではなく和紙っぽい素材のデザインを採用しました。オレンジをメインカラーにしたこともチャレンジでした。水だと青系の配色が多いのですが、白湯の温かくて心も体もほっとするようなニュアンスを出したくてオレンジをメインカラーにしています。

今年9月のリニューアルでは中味が冷めにくい不織布素材の保温ラベルを採用しました。温かみなどはそのままに、和紙のような不織布の素材感が出る工夫で、不織布の特徴が伝わるデザインを意識しています。不織布素材の保温ラベルの商品は、前の商品と比べて、55 ℃まで温めた後に気温 10 ℃の環境で液温40 ℃以上が約 1.3 分長く続いて、最大で 1.0 ℃の液温差が出ています。

白湯は意外な人たちが意外な飲み方をしている?おすすめの取り入れ方は?

―発売してからのお客さまの反応はいかがでしたか?意外な反響はありましたか?

「ずっと発売して欲しいと思っていた」、「シンプルにおいしい」、「夏場でも販売して欲しい」などの嬉しい声をたくさんいただきました。

購入層で多いのは20代女性や30代の女性でイメージ通りだったのですが、40代男性の購入率も高くて、全体で見ると男性の構成比が40%ぐらいなんです。水はみんなが飲めるものなのでターゲットも全世代男女で考えてはいたのですが、白湯には女性のイメージもあったので嬉しい驚きでした。

飲む時間やシーンでは、朝会社に向かう途中のコンビニで買われる方が多かったのは想定通りだったのですが、意外だったのが、他のホット飲料に比べて、夜でもあまり売上が落ちなかったことです。SNSの声を見ると、体調が悪い時、車酔いや二日酔いの時など、さまざまなシーンで飲まれていることがわかりました。「胃腸が弱い私にとってはすごくありがたい」というSNSの声が多くあって、そういった方にも良い商品なんだとわかったのは新たな発見でした。

意外と季節も関係なく飲まれているんです。駅前の店舗だと最初に発売した昨年11月と今年5月で比較しても、気温の高い5月の方が売れている店舗が多くあったんです。昨年の発売時には期間限定発売で在庫がなくなり次第販売終了を予定していたのですが、置き続けたいと言われるお店も多くて、ほそぼそと販売を続けてたんですね。そういったこともあり、今年9月にリニューアルとともに大々的に通年販売することになりました。

―思った以上にさまざまなニーズに応える商品だったのですね。まだ白湯を飲んだことがない方や続かなかった方など、読者の皆さんにおすすめの白湯の取り入れ方を教えてください。

これまで一歩踏み出せなかった方や続かなかった方は、出社するときに少しだけ早歩きしてコンビニエンスストアに寄ってこの商品を手に取れば、それだけで白湯生活が成り立ちますので、ぜひ試してみてください。

普段から家で白湯を飲まれている方は、おそらく体を冷やしたくない方、外でも冷たい飲み物ではなくホットや常温のものを飲みたいと思う方が多いのではないでしょうか。この商品なら温かい状態から緩やかに常温になるまで自分の好きな温度で飲むことができますし、普段から白湯を飲まれている方が外出時に何か飲み物を買おうというときにぴったりだと思います。

いかがでしたか?皆さんも生活の中に手軽に白湯を取り入れてみませんか?

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