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「おいしい」の先にある、やさしい選択。はじめてのプラントベース

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新生活が始まる4月。暮らしや食生活を少し見直したくなる季節です。
「環境に良いことをしたい」「体にやさしい食事を取り入れたい」。そう思いながらも、忙しい毎日の中で、何から始めればいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
今回は我慢するのではなく、”おいしさ”から始められる選択肢として、プラントベースフードをご紹介します。お話を伺ったのは、プラントベースの飲食店を手がける「株式会社さいころ食堂」の大皿彩子さん。
私たちが知りたい”食の選び方”について伺いました。

プロフィール

大皿 彩子(おおさら さいこ)

株式会社さいころ食堂 代表取締役。中目黒の「Alaska zwei」や世田谷代田の「Universal Bakes and Cafe」など、プラントベースの飲食店をプロデュース。おいしい企画を通じて、食の楽しさを発信している。

みんなで楽しめるプラントベースフード

-最近よく聞く「プラントベースフード」とは、どのようなものですか?

植物性の材料だけで作られた食べ物のことです。私にとっては「世界中の人が、同じテーブルを囲めるための選択肢」だと思っています。プラントベースというと、健康意識が高い人や強い信念を持った人のための食事だと思われがちですが、実は日常でとても“使いやすい”ものなんです。例えば友人や同僚と食事をするとき、プラントベースのメニューがあれば、それぞれの体質や食文化の違いを越えて、自然と同じテーブルを囲めます。

大皿さんが手がけるプラントベースベーカリー「Universal Bakes and Cafe」
自然光が差し込む、居心地の良い店内

私がプラントベースフードに興味を持ったきっかけは、ドイツ・ベルリンでの経験でした。街のフードマーケットで多様な背景を持つ人々が当たり前のようにヴィーガンフードを選んでいて、その理由が「みんなで食べられるし、おいしいから」でした。
食事は楽しい時間のはずなのに、背景の違いで気を使いすぎてしまうのはもったいないですよね。最初から“みんなで食べられるもの”という選択肢を持っておくことで、心の壁が自然となくなる。そんな豊かさが、プラントベースフードの魅力なのだと思います。

良い素材の味を生かすことが、おいしさの秘訣

-植物性だけで、満足感や「おいしさ」は物足りなくないですか?

プラントベースフードは、ごまかしがききません。素材の味がダイレクトに出るからこそ、少しでも混ぜ物のある材料を使うと、すぐに味に表れてしまいます。だからこそ、結果的に添加物や化学調味料に頼らない、シンプルな仕上がりになります。
私自身、材料は「自分の目で見て、信頼できる」と感じたところから仕入れています。おいしい素材をきちんと作っている人がいて、その素材をきちんと生かす。それだけで、料理は自然とおいしくなると思っています。
お店で出しているフレンチトーストも、卵やバターは使っていませんが、北海道産の小麦や米麹、ココナッツミルクなど、素材そのものの力を生かしています。

そして、私が大切にしているのは、乳製品や肉の「代用品」として作らないことです。大豆には大豆の良さがあり、乳製品には乳製品の良さがあります。それぞれの素材にしっかり向き合うことで、その魅力を生かせると考えています。
例えばソイバター。乳製品のバターのような強い香りはありませんが、後に香りが残りにくい分、チョコレートのカカオなど合わせる素材の風味をより引き立ててくれます。
素材の個性を理解して生かすことで、「プラントベースだから」ではなく「これがおいしいから」選ばれる。そんな料理を目指しています。

卵やバターを使っていないが、濃厚でコクがあっておいしい

食べたあとに感じる“軽さ”が、心地良さにつながる

-「おいしい」を優先して選ぶことが、体の健やかさにもつながるのでしょうか?

はい。「おいしいから食べたい」という前向きな感覚が、結果として自分を労ることにもつながっていくと感じています。
お客さまからよくいただくのは、「胃がもたれにくい」という声です。
例えばクロワッサンでも、動物性油脂より植物性油脂のほうが、体の中で重たく感じにくい。「軽くて、ついもう一つ食べてしまいました」と言われることも多いんです。そんな軽やかさが、プラントベースの魅力なのかなと思っています。
「おいしいから食べたい。軽いから、また食べたくなる」。その積み重ねが、結果として自分にとって心地良い食の選択につながっていくのではないでしょうか。

プラントベースのカレーパンもあります

無理をしなくても、環境にやさしい選択になる

-社会や環境への配慮と、日々の食事を楽しむこと。そのバランスをどう考えればよいでしょうか?

「環境のために頑張らなくていい」というのが、私の大切にしている距離感です。
一般的に、植物性食材は動物性食材に比べて生産時の環境負荷が小さいと言われています。また、冷蔵を必要としないものが多かったりと、フードロスの削減にもつながる側面があります。
けれど、「良いことだから我慢する」のでは長続きしませんよね。
例えば「スーパーで牛乳が売り切れていたからオーツミルクにしてみよう」とか、「お肉なしのメニューもおいしそうだから試してみよう」といった気軽な選択で十分。

一番大切なのは、とにかく“おいしい”こと。
おいしいからまた食べたい。その積み重ねが、いつの間にか環境にも良い選択になり、少しずつ世界を変えていく。私は、それくらいの自然なバランスが、ちょうどいいなと思っています。

かぼちゃを使ったクリームパンやメロンパン、クロワッサンも

まずは週に一度から。無理なく始めるプラントベース

-暮らしに取り入れるなら、何から始めるのがおすすめですか?

完璧じゃなくて大丈夫です。まずは「週に一度」など、自分のペースで楽しんでみてください。
「何から始めればいい?」と聞かれることが多いのですが、私はいつも無理をしなくて良いとお伝えしています。家で完璧なプラントベース料理を作ろうとしなくても大丈夫です。
例えば、
・牛乳を植物性ミルクに変えてみる
・外食のときに、野菜が主役のメニューを選んでみる
・週に一度だけ、肉や魚を使わない日をつくってみる
という感じで。
海外では「サンデーヴィーガン」といって、週に一度だけプラントベースの食事を楽しむ人もいるようです。毎日でなくてもいい。続けられる形が、一番大切だと思っています。

「You are what you eat.(あなたは、あなたが食べたものでできている)」という言葉がありますが、食べることは、誰にとっても毎日のこと。だからこそ、一番自然に世界を変えていける選択でもあります。
この春、まずは一食。自分の心と体が喜ぶものを選んでみる。その小さな選択の積み重ねが、私たちの暮らしも未来も、少しずつ心地良い方向へ変えてくれるはずです。

まずは、できることから少しだけ。「おいしい」という感覚をきっかけに、日々の食の選び方を見直してみる。そんな小さな選択の積み重ねが、未来を少しずつ変えていくのかもしれません。

text ハレの日、アサヒ編集部

「Universal Bakes and Cafe」HP

「さいころ食堂」HP

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