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むくみの原因と冷え対策 保健師が教える基本習慣

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むくみの原因と冷え対策 保健師が教える基本習慣

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朝起きたら顔がなんだか腫れぼったい。夕方になると脚がパンパンで靴がきつい⋯⋯。日常のさまざまな場面で、むくみの悩みを感じていませんか?むくみは、体の疲れや生活習慣の乱れを知らせる大切なサインでもあります。

今回は「ハレの日、アサヒ」編集部が、むくみのメカニズムや冬に起こりやすい原因、そして自宅やオフィスでできる簡単なケア方法について、アサヒグループ 保健師の杉山に話を聞きました。

プロフィール

杉山 晴美(すぎやま はるみ)

アサヒグループジャパン株式会社 健康支援センター 保健師
看護師として病院で勤務した後、保健師資格を取得。自治体の保健センターや他企業での経験を経て、2009年にアサヒグループに産業保健師として入社。社員の健康づくりを長年サポートしている。

むくみのメカニズムと主な原因とは?

― むくみの悩みを抱える方は多くいますが、むくみのメカニズムについて教えてください。

むくみとは、皮ふの下に余分な水分がたまった状態のことをいいます。私たちの体の約半分以上は水分でできており、血液やリンパ液などの体液が全身をめぐることで、栄養や酸素を届け、老廃物を排出しています。この流れがスムーズでなくなると、細胞の間に水分がたまり、むくみが生じるのです。

― むくみを引き起こす主な原因は何でしょうか。

むくみの原因はさまざまありますが、特に注意したい3つの要因を紹介します。

①同じ姿勢を長く取り続ける
座りっぱなしや立ちっぱなしの状態が続くと、血液やリンパの流れが悪くなり、水分がたまりやすくなります。

②アルコールや塩分の摂りすぎ
アルコールは血管を広げ、体内の水分バランスを崩します。さらに塩分(ナトリウム)を多く取ると、体は水分を保持しようとするため、むくみの原因になります。アルコールによる水分の保持と塩分の作用が重なることで、症状は一層悪化します。

③運動不足や睡眠不足、不規則な生活
運動不足は筋肉のポンプ作用を弱め、血液やリンパの流れが悪くなります。特にふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、血流に重要な役割を果たしています。また、睡眠不足や生活リズムの乱れは自律神経やホルモンのバランスを崩し、代謝が落ちて水分を排出しにくくなります。

保健師・杉山が教える!冬のむくみ対策と取り入れやすい習慣

「特に冬は、冷えや運動不足、食生活の乱れが重なり、むくみやすい季節です。忙しい方でも、ちょっとした工夫でむくみの予防とケアができますよ」と杉山は話します。

社員の健康管理に日々向き合い、健康診断後のフォローや生活習慣の相談を通じて「予防こそが健康づくりの第一歩」と実感している杉山。ここからは、日常生活で無理なく取り入れられる基本習慣と、むくみ対策のポイントを紹介します。

アサヒグループ 保健師の杉山

【1】 起床後 : 朝一番に水分を補給して循環を促す
朝起きた直後は体内の水分が不足しがちです。水を飲むことで血液やリンパの流れがよくなり、余分な水分や老廃物の排出が進みます。腎臓の働きも活性化され、体内の塩分や老廃物の排出がスムーズになり、むくみの予防や改善につながります。水を飲むときは、冷たい水よりも体を温める白湯を選ぶと、代謝を高め、内臓にもやさしいのでおすすめです。

【2】 朝食 : カリウムを含む食品で水分バランスを整える
朝食は、体温を上げて血流をスムーズにする大切なタイミングです。さらに、むくみ予防にはカリウムを含む食品を取り入れることがポイント。カリウムは体内の余分なナトリウムを排出し、水分バランスを整える働きがあります。バナナ、キウイ、トマト、納豆などは手軽に取れるおすすめ食品です。

【3】 お酒の席飲みすぎ・塩分過多を避ける
アルコールや塩分の多い食事は、体内の水分バランスを崩し、むくみを悪化させる原因になります。お酒の合間に水を飲むことで、血液やリンパの流れを保ち、翌日のむくみを防ぐことができます。飲酒時のおつまみや外食は塩分が多くなりがちなので、食べる量や頻度にも気を配りましょう。飲みすぎを避け、翌朝すっきり過ごせる工夫を心がけてください。

【4】 デスクワーク・移動中ふくらはぎを動かして血流を保つ
長時間の同じ姿勢はむくみを招きやすいので、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉をしっかり動かすことが大切です。1時間に1回、5〜10分ほど立ち上がって歩いたり、階段を使ったりして血流を促しましょう。もし動けない場合は、足首を回すだけでも効果があります。小さな動きでも、こまめに取り入れることがポイントです。

【5】 冬の冷え : 体を内側と外側から温める
寒さで血管が収縮すると血液の流れが悪くなり、手足など末端に水分がたまりやすくなります。足首を冷やさないようにしたり、温かい飲み物を選ぶなど、体の内外を温めると良いでしょう。毎日の入浴も効果的で、湯船につかることで血流がよくなります。ただし、熱すぎるお湯や長時間の入浴は脱水につながるため注意しましょう。おすすめは40度前後のぬるめのお湯に、無理なくつかることです。

また、マッサージを取り入れる場合は、やりすぎると内出血や筋肉を傷めることがあるので、ほどほどに。自分に合った方法で、負担なく続けましょう。

むくみがあるからといって水分を控えるのは逆効果です。こまめに水を飲むことで血流やリンパの流れがよくなり、むくみ予防につながります。

また、むくみが長く続く場合は注意が必要です。心臓や腎臓、肝臓、甲状腺などの疾患が隠れていることもあります。日々、自分の体の変化に気づいたら、放置せず、早めに医療機関に相談しましょう。

生活習慣アドバイス

― 最後に、読者へのアドバイスをお願いします。

冬は冷えやすいので、暖かくして血のめぐりを良くしましょう。温活はむくみ予防の最大の味方になります。そして、むくみが“いつもと違う”と感じたり、長く続くようであれば、早めに医療機関に相談することをおすすめします。

あなたの生活に取り入れられそうなものはありましたか?毎日の習慣を少し見直すだけで、むくみはぐっと軽くなるかもしれません。今日できることから始めて、すっきり過ごしましょう!

text 「ハレの日、アサヒ」編集部

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