すぐに使える!スマホカメラの撮影テクニック Vol.1 【街歩き編】
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素敵な風景、おいしそうな料理、かわいい動物。スマートフォンの普及でその時の思い出をすぐ撮影できるのは本当に便利ですよね。でも「ワンパターンで面白くないな」、「もう少し上手に撮影できないかな」と思うことはありませんか?
スマートフォンでの撮影のコツを、フォトグラファー吉野莉南さんが「ハレの日、アサヒ」編集部に直伝!ちょっとした工夫でマンネリ写真も素敵な写真へ。3回わたってお伝えする連載1回目は、浅草の街を探索しながら風景撮影のコツを教えてもらいました。
プロフィール
吉野 莉南(通称: おかりな )
学生時代は隠岐島で青春を過ごし、半年間東南アジアを巡る旅に。
人と動物の持つ関係性についての作品を撮り続け、現在はフリーランスフォトグラファーとして主に物撮りや料理の広告写真を専門に活動。
2022 年から個人向けにペット撮影サービスを開始。
INDEX
「構図」にこだわり写真の中にストーリーを
〔編集部〕 浅草方面にやってきました。隅田川沿いに建つひときわ目立つ金色に輝くビルとユニークな形のオブジェ。あれはアサヒグループの建物で、観光客の撮影スポットになっています。今日も多くの人が撮影していますね。早速編集部が撮影にチャレンジします!
〔おかりなさん(以下:おかりな)〕 なるほど、なるほど(笑) この写真も素敵ですが、もっと素敵にしてみせましょう!せっかく人を入れているので、「構図」にこだわってみたいと思います。撮影する角度を変えて撮影してみましたがいかがでしょう。表情も良く雰囲気が出ましたよね。
あえて橋げたにレンズを近づけ、さらに橋げたを斜めに配置し、その終点(先)に人物を入れてみました。こうすることで、すっきりと流れるように人物に視線を寄せることができます。
人物をメインにするときは「ポートレート機能」がおすすめです。一眼レフカメラで撮影したように、背景をぼかし、被写体を際立たせて撮影をすることができるので雰囲気もアップします。
撮影時はあいにく曇り空で、写真全体が暗くなってしまいました。そんな時は撮影後に「編集機能」を使って写真全体を明るくすればOK。例えばiPhoneだと、保存した写真の右上にある「編集」で、写真の明るさなどを調整することができます。積極的に使ってみるのもいいですよ 。
〔編集部〕 構図を工夫するだけで、こんなにイキイキとした写真が撮れるのですね!写真の中に動きがあって面白いです。もし建物だけ撮影する場合は、どんなところを工夫したら良いでしょうか?
〔おかりな〕 建物だけの風景を撮る場合は「主題」を決めてあげると、ストーリーが生まれ面白い写真が撮れるんです。今回は近くにいたハトに主役になってもらいました(笑)
ポイントは、主役のハトに目線に合わせて撮影することです。これにより主役が協調されます。ちなみにこの写真は「二分割構図」という技法を使っています 。画面を上下左右に分け、水平を保って撮影すると安定した写真になりますよ。ここでは、建物と道路に合わせています。
人混みの中では、アングルを変えてみよう!
〔編集部〕 次は雷門にやってきました。さすが観光地だけあって大勢の人です!このような場所では撮影も大変ですし、どうしても人が映り込んでしまいますね。人がたくさんいる場合の撮影のコツを教えてください!
〔おかりな〕 このような場所では「アングル」を変えてみるといいですよ。撮影する人は少しかがんでスマートフォンを上に向けてみてください。そうすると人を写さずに青空バックのかっこいい雷門が撮れるんです。
一部分にフォーカスしてみたり、角度を変えてみると面白さが増しますよ。雷門のさまざまな表情を写真に収めてみてください。
〔編集部〕 人の映り込みを避けるだけで、ダイナミックな写真になりましたね。こうなると、何とか人を入れて撮影してみたいです。でも人が多いので難しそうですね・・・。
〔おかりな〕 雷門の正面からはどうしてもたくさんの人が映り込んでしまいますよね。ここは思い切って撮影場所を変えてみましょう!ほら、このような写真が撮れました。どうでしょう!
先ほど同様に、腰を落とし見上げるアングルで人を外して撮影してみました。さらに「望遠」を使ってズームしてみました。 この手法だと、背景の雷門の存在感をそのままに人にピントを合わせることができます。こうすることでオリジナル感のある写真を撮影できますよ。
〔編集部〕 雷門を独り占め!雷門の朱色も人を引き立てていますね。すごいです!!でも、どうしても人が映ってしまう場合はどうしたらよいでしょうか。仲見世などの道幅が狭い場所は、撮影するのがもっと難しそうです。
〔おかりな〕 人が多くてどうしても背景がごちゃついている場合は、メインとなる人を中央に置き、群衆との距離を取りながら「ポートレート機能」を使って背景をぼかしていきます 。背景がぼけることで被写体が目立ち奥行き感も出ますよね。
もし距離が取れず上手にぼかすことが出来ない場合は、撮影後に「画像編集・加工アプリ」を使って写真を編集するのがおすすめです。
〔編集部〕 なるほど!加工アプリを上手に活用すればいいんですね。最近はたくさんの『編集・加工アプリ』があるので積極的に使ってみたいです!
裏技!逆さスマホで足長効果!?
〔おかりな〕 スマホを逆さにして撮影をした事ってありますか?実はこの方法、足長効果を狙えるんです!スマホをひっくり返して撮ると・・・どうでしょう!そして空の空間に人を入れたので、メインの人物も目立っていますよね。
〔編集部〕 足が長く見えます!スマホを逆さにするだけで、このような写真が撮れるとは驚きです。これは是非試してみたい裏技です!
みなさん、いかがでしたか?構図、ポートレート機能、編集など、ちょっとした工夫で素敵な写真に仕上げることができるんですね。第2回は【食べ物編】です。