お花屋さん直伝!おうちクリスマスを花で彩ろう
この記事のキーワード
SHARE
ホリデーシーズンが近づき、街中がイルミネーションやクリスマスの飾りつけで賑やかになってきましたね。おうちの中でも気分を盛り上げたい方は、花や植物を飾ってみてはいかがでしょうか?普段花を飾る習慣がない方も気軽にチャレンジできる素敵なアレンジとポイントを青山フラワーマーケットの米野さんに聞きました。ぜひ皆さんも花で季節を楽しんでみてください。
プロフィール
米野 瑠璃
株式会社パーク・コーポレーション 青山フラワーマーケット フラワーベースギャラリー担当
花瓶・花器の専門店「フラワーベースギャラリー」のバイイングやクリエイティブのディレクションなどを担当。大学で受けた美学の授業を通して、歴史や文化、芸術作品の中に息づく“花”の存在に興味を持ったことがきっかけで、青山フラワーマーケットなどを手がける株式会社パーク・コーポレーションに入社。
INDEX
冬場の花の飾り方。12月におすすめの花・枝・実とは?
―冬には花のイメージがあまりないのですが、冬に花を飾ることのメリットや飾り方に注意した方がいいことはありますか?
切り花は気温が低い方がいいので冬の方が日持ちするんです。暖房を入れない玄関や洗面所などに飾ると長持ちしやすくなります。リビングなど暖房が入っている場所に飾る場合には、暖房の風が直接当たらないように気を付けてください。
―種類としては、どのような花や植物がおすすめでしょうか?
●冬にもぴったりな赤や白のバラ
バラの旬は春と秋なのでこの時期に出回る種類は少ないのですが、一年を通して手に入るバラは冬にもぴったりの花です。特に赤や白のバラはクリスマスにも合いますよ。
●日持ちが良く華やかなキク科の花
他には洋菊であるマム。マムといえば「重陽の節句」の時期というイメージですが、11月頃から特に美しい時期になります。キク科の白い花は仏花のイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、ダリアに似た華やかな種類もありますし、キク科の花は日持ちが良いので、ぜひこの時期に飾ってみてほしいです。
●季節感を演出しやすい枝もの
この時期は枝ものも外せません。モミやヒムロスギなどの針葉樹や、シルバーのような色味の葉が特徴のユーカリが冬らしいイメージを表現してくれます。ヒムロスギは葉がやわらかく鮮やかな緑色が楽しめ、ブルーアイスは針葉樹らしいすっきりとした香りが楽しめるのでおすすめです。これらを1種類とお好きな花を合わせるだけで、クリスマス感が出せるんです。
●アクセントになる白塗りの枝や赤い実
他にも、白などに着色した枝ものも一本入れるだけでグッと冬らしさが出るアイテムです。小さな赤い実がなるウィンターベリーなどの実ものは、花と枝の間に入れることで全体をグッと引き締めることができますよ。
―この時期の定番というとポインセチアのイメージがあるのですが、ポインセチアを長く元気に育てるコツはありますか?
ポインセチアはメキシコ原産なので、寒いところ、外はNGです。鉢植えはなるべく10℃以上の室内で日当たりの良い窓辺に置いてあげてください。乾燥を嫌うのですが、一方で水のあげすぎもよくありません。土の表面がしっかり乾いてから水をあげましょう。
気軽に楽しみたい方は切り花としていけるのもおすすめです。
クリスマスにぴったりの飾り方。枝ものを使って簡単に上級者見え!
―クリスマスにおすすめの飾り方を教えてください。
飾り方の前に、まずは花屋で購入するときにもポイントがあります。気になる花や枝などを束ねて持ってボリュームやバランスをイメージしながら、選んでみてください。色の数を抑えると大人っぽい印象に、たくさんの色を入れるとポップな印象になります。赤、白、グリーン、ゴールド、シルバーなどを意識すると冬のホリデーシーズンのイメージを作りやすいですね。
枝ものは花よりも堅いので、特にこの時期は店頭でカットしてもらうのがおすすめです。花瓶の高さ1に対して花材の長さが1~1.5倍だと綺麗に見えると言われています。飾る場所によって視線の高さに合わせた長さにすることも大切です。あらかじめ店員に花瓶のサイズや飾る場所などを伝えておくと、使いやすいようにカットしてもらえます。
束ねて掛けるだけ!水もいらない「スワッグ」でおしゃれ見え
まずおすすめしたいのは、花や植物などを束ねて壁やドアなどに飾る「スワッグ」です。素朴な雰囲気がインテリアにもなじみやすく、水もいらないので飾る場所を選びません。生花だけでなくドライフラワーなどさまざまな素材を使って、自分好みにアレンジしやすいのも魅力です。
<材料>
ヒムロスギやユーカリなどお好みの枝もの数種類
紐や針金
<作り方>
①太めのしっかりした枝ものを土台に持ち、複数の枝ものを重ね合わせていく。
何をどこに持ってくると良いか全体をイメージしながら自由に重ねてみてください。枝ものの他にも葉ものでゴールドの入ったものなどを入れるとアクセントになりますよ。
②最後に紐や針金できつくしばる。
飾っているうちに乾燥して段々と枝が細くなってすき間が空きやすいので、きつくしばるようにしてくださいね。 リボンを巻いてもかわいいですし、枝元は切りそろえてもそのままでもどちらでも大丈夫です。
③吊り下げたり壁などに立てかけたり、自由に楽しむ。
もっと手軽に楽しみたい方には「枝×オーナメント」
もっと手軽に季節感を出すには、枝ものにオーナメントを飾る方法がおすすめです。オーナメントも自由に飾ってみてください。
<材料>
お好みの枝もの数種類(ここでは、ヒムロスギ 2-3本、ロシアンオリーブ 2-3本、白塗りの枝 1本)
好きなオーナメント
<作り方>
①花瓶にお好みの枝ものを複数いける。
土台となるような枝がしっかりしたもの、ボリュームがあるものを組み合わせに入れるのがコツです。オーナメントも飾りやすいですし、バランスも取りやすいです。
②好きなオーナメントを直接飾り付ける。
クリスマスが終わったらお正月風にアレンジ!赤い実と花器でイメチェン
―クリスマス後は一気に年末年始ムードに変わります。その時期にあう花や飾り方はありますか?
ウィンターベリーなどの赤い実はクリスマスにもお正月にも使えます。合わせる枝ものや花を変えると印象がガラッと変わるんです。お正月の枝ものの定番であるマツと、マムやランなどは相性がいいですね。バラなどの他の洋花もマツと合わせるとモダンな印象のお正月飾りになります。
花器でも印象を変えることができます。クリスマスはあたたかみを、お正月は新年のすっきりした清々しさを意識した花器を選んでみてはいかがでしょうか。陶器や磁器、無色透明ではなく色つきのガラス製はあたたかみが出ます。無色透明のガラス製やデザインがシンプルなものは、すっきりとした印象になるのでお正月に合うと思います。
白基調の花瓶はどんな色とも相性が良く、他の季節にも使いやすいので一つ持っていると使い勝手が良いアイテムです。複数用意できるなら、同じ白でも素材やデザインで使い分けてみてください。
花とともに楽しむホリデーシーズンの過ごし方。大切な人への贈り物にも
―最後に、花で楽しむ冬のホリデーシーズンのおすすめを改めて教えてください。
今の時期にはクリスマスに楽しめるものがたくさん出回っていますよね。スワッグの素材になる枝ものも豊富です。私のおすすめは、まずは枝ものを使ったアレンジやスワッグをリビングなどに飾って楽しんで、クリスマス直前からは食卓などに生花をいけること。クリスマスが終わったら、アレンジやスワッグの一部をお正月仕様に整えると長く楽しめますよ。
そして、特別感のあるこの時期だからこそ、自分のおうち用としてだけではなく、お世話になった方や大切な人にギフトとして花を贈るのはいかがでしょうか?贈るお相手にも華やいだ心地をお裾分けできるので素敵だと思います。
枝ものを取り入れたアレンジやスワッグは、一気に冬の季節を演出できますよね。花やオーナメントなどと自由に組み合わせることで、バリエーションも広がってお正月まで長く楽しめるのもうれしいポイントです。
ぜひ皆さんも花やグリーンで季節を楽しんでください!