スギ花粉症がなくなるかも!?「アサヒの森」は花粉症対策にも貢献
この記事のキーワード
SHARE
スギ花粉が本格的に飛散しはじめ、花粉症の方にはつらい季節になってきました。CO2吸収や水質浄化などさまざまな役割を担う森林の大切さは分かっているけれど、花粉が飛ぶこの時期だけは素直に大切だと思えない…と感じたことはありませんか?
アサヒグループが広島県の庄原市と三次市に所有・管理している社有林「アサヒの森」では、少しでも花粉症を減らすために“あるもの”が植えられています。今回は、そんな「アサヒの森」の花粉症対策について紹介します。
※アサヒグループホールディングスのプレスルーム2022年3月8日の記事を再構成しています。
INDEX
花粉がほとんど出ないスギとは!?
ヒノキ、シラカバ、ブタクサ・・・花粉症を引き起こす花粉の種類はさまざまですが、この季節特に苦しめられるのがスギ花粉です。ですが、スギの中にも花粉がほとんど出ない「少花粉スギ」や、花粉を飛散させない「無花粉スギ」といった品種があるのをご存じですか?
「少花粉スギ」は約20年前に国の研究機関で品種改良されて生まれたもの。通常のスギの木と比べ花粉の量は1%程度と言われており、花粉症対策として全国で植えられています。「アサヒの森」では2019年から「少花粉スギ」の植樹を開始しました。
全てのスギを少花粉スギに植え替えることは可能?
いつか花粉症が今よりずっと軽くなる日が来るのかも!という期待を込めて、「少花粉スギ」の植樹について、アサヒの森循環保全事務所リーダーの大澄広志に話を聞きました。
―なぜ「少花粉スギ」を植樹しようと考えたのですか?
2019年に広島県主催の「花粉症発生源対策普及イベント」に「アサヒの森」のメンバーが出席したことがきっかけです。林業に求める国民のニーズの中で花粉症対策はとても高い位置にあり、積極的に取り組むべきと感じました。
―これまでに「少花粉スギ」を植樹した本数は?
2019年11月に赤松山(三次市布野町・0.1ha)に300本、2020年12月に戸ノ丸国有林(庄原市濁川町・0.18ha)に540本植樹しました。「アサヒの森」(国有林、財産区有林を含む管理面積全体)にスギが植えられている面積は現在396.73haで、「少花粉スギ」を新たに栽培した面積は0.28haなので、まだまだほんの一部となっています。
―将来的にはどの程度の割合を「少花粉スギ」にしていく方針ですか?「無花粉スギ」は植樹しないのですか?
現時点では「無花粉スギ」は植栽していません。スギ・ヒノキともに少花粉・無花粉があり、広島県下での苗木供給体制が整えばぜひ採用したいと考えています。苗木が確保できれば、成熟した木の伐採後の再造林の際に積極的に採用していきます。
―「少花粉スギ」の効果が現れるのはいつ頃ですか?
「少花粉スギ」は、花粉の元になる雄花をほとんどつけないため花粉をほとんど出さないとされています。ただ、スギが本格的に花粉を飛散させる時期は、林齢が25~30年に達した時となりますので「少花粉スギ」への植え替えが徐々に進んでいっても、効果が感じられるのはまだ先ですね。
残念ながら、「少花粉スギ」の効果がすぐに感じられるというわけではないようですが、少しずつより良い未来に向けて進んでいる感じがしますよね!将来、多くの人を悩ませているスギ花粉の問題が解消され、みんなでより良い森林循環を守っていきたいですね。