お酒が飲める人と飲めない人の違いって?お酒の席の楽しみ方についても考えました
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こんにちは!暑さもやわらいできましたね。
今年はとても暑い夏でしたが、ビアガーデンなどでの飲み会や、お家でのパーティーを開催したという方も多いのではないでしょうか。
その一方で、お酒が飲めない人や苦手な人にとっては、久しぶりの飲み会の席で少し気を遣ってしまうことも…。
今回は、お酒が飲めない人にスポットを当てて、酔いのメカニズムや、お酒が飲める人と飲めない人の違い、飲めない人がお酒の席を楽しむためのポイントなどについて考えました。
INDEX
お酒が飲めない=下戸?
一般的にお酒があまり飲めない人のことを下戸(げこ)、たくさん飲める人のことを上戸(じょうご)と呼びます。
お酒が飲めない人の中には、お酒を勧められたときに「私は下戸なので…」と言って断った、という経験がある方も多いのではないでしょうか。
これらの言葉の語源は諸説ありますが、代表的なひとつには、中国が発祥とする説があります。
万里の長城には、山上に位置する門の『上戸』と平地に位置する門の『下戸』がありました。上戸の守備兵には山の寒さをしのぐためにお酒が配られ、下戸の守備兵には甘味が配られたそうです。
下戸にはお酒が配られなかったことから転じて、「お酒が飲めない」という意味になった、という説です。
余談ですが、上戸と似た言葉としては、
「うわばみ」→うわばみ(大きなヘビ)が獲物を丸呑みにするようにお酒を飲む。
「ザル」→ざるから水が抜けるように底がないからお酒をたくさん飲む。
なども、飲酒に関する言葉の語源としては有名です。
酔うってどんな状態?
お酒が飲める人、すぐに酔ってしまう人、そもそもまったく飲めない人と、お酒の強さは人それぞれです。では、そもそも酔うとはどんな状態のことをいうのでしょうか?
一般的にいう「酔い」とは、口にしたアルコールの麻酔作用によって脳がマヒした状態のことを指します。酔いの中にもいくつかの程度があり、それぞれの段階は脳内のアルコール濃度によって分かれます。現実的には脳内のアルコール濃度を測定することはできないため、かわりに血中アルコール濃度を測ることで、「酔い」の程度を判定することが可能です。
酔いの状態6段階
※( )内は基準となるアルコール血中濃度%
第1段階 爽快期
さわやかな気分になる、皮膚が赤くなるなど。(0.02以上〜0.05未満)
酒量例:ビール500ml 1本/純アルコール20g
第2段階 ほろ酔い期
手の動きが活発になる、体温があがるなど。(0.05以上〜0.10未満)
酒量例:ビール500ml 1~2本/純アルコール20~40g
第3段階 酩酊初期
気が大きくなる、大声でがなりたてるなど。(0.10以上〜0.15未満)
酒量例:ビール500ml 3本/純アルコール60g
第4段階 酩酊期
千鳥足になる、何度も同じことしゃべるなど。(0.15以上〜0.30未満)
酒量例:ビール500ml 4~6本/純アルコール80~120g
第5段階 泥酔期
まともに立てない、意識がはっきりしないなど。(0.30以上〜0.40未満)
酒量例:ビール500ml 7~10本/純アルコール140~200g
第6段階 昏睡期
ゆり動かしても起きない、死に至るなど。(0.40以上〜0.50未満)
酒量例:ビール500ml 10本以上/純アルコール200g以上
酔いの状態6段階の詳細はこちら
(参考資料:社団法人アルコール健康医学協会ホームページ)
一般的に飲酒の適量は、爽快期〜ほろ酔い期にあたる飲酒量であると考えられています。
ただ、お酒が飲めない人にとっては「爽快期もほろ酔い期もなく、少し飲酒しただけで気持ち悪くなってしまった」という経験もあるかもしれませんね。
では、人によって適正な飲酒量が異なるのはなぜでしょうか?
飲める人と飲めない人の違いは代謝能力
お酒を飲むと体の中で『アセトアルデヒド』という、悪酔い、頭痛、動悸などの原因となる有害物質が発生します。このアセトアルデヒドを分解するのが、『ALDH(アルデヒド脱水素酵素)』。体内のアルデヒドが低濃度のときに働く『ALDH2』と高濃度にならないと働かない『ALDH1』があります。
一般的に「お酒に弱い体質」とされている人は、ALDH2の活性が弱かったり欠けているため、体内にアセトアルデヒドが溜まりやすく、悪い酔いの症状や不快感を引き起こしやすい、というわけです。
お酒が飲めないのは遺伝?
先ほどのALDH2には分解能力が高い順に『NN型』『ND型』『DD型』の3種類があります。
DD型は、ALDH2の活性が完全に欠けており、この型の人の多くはお酒がほとんど、またはまったく飲めません。ALDH2の型は両親のうちのどちらかから遺伝するため、お酒が飲めない人は「親もお酒が飲めない」というパターンが多いのではないでしょうか。
日本人はお酒に弱い人種?
日本人は諸外国に比べるとALDH2の活性が弱い人や非活性の人の割合が高いという説もあり、この遺伝的性質はモンゴロイド特有のものです。
具体的には、ヨーロッパ系白人ではALDH2の活性が弱い人や非活性の人の割合は0%であるのに対して、日本人は44%。つまり、世界的に見て日本人は「お酒に弱い人種」と考えられます。※諸説あり
出典:https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/sake/seminar/h22/221203.htm
飲めない人がお酒の席を楽しむには?
お酒が飲めない人の中でも、「お酒自体は苦手だけど、飲み会の場は好き」という人や「ソフトドリンクばかりもつまらない」という気持ちの人も多いのではないでしょうか。
たとえば、飲み会の場でみんな一緒に盛り上がったり、バーにいって本音でじっくり語り合ったり。そんな、お酒の席ならではの過ごし方は、飲めなくても魅力に感じる人もいます。また、運転を控えていたり、妊婦さんやお子さん連れなどで、「体質的には飲めるけど今日は飲めない」というケースも考えられます。
では、飲めない(飲まない)けどみんなと一緒に雰囲気を楽しみたい人がお酒の席に気軽に参加し、今よりももっと楽しむためには、どうすればいいでしょうか?
みんなが適正飲酒を心がける
お酒が飲める飲めないに関わらず、誰にでも共通する心構えとしては、飲む人も飲まない人もそれぞれの事情も含めてお互いがリスペクトし、自分の体質や気分、シーンに合わせて「適正飲酒」を徹底するということです。
前述のとおり、アセトアルデヒドの分解能力には個々の差があり、適切な飲酒量は人それぞれ異なります。お酒が飲めない人にとっては、「お酒には口をつけない」ことこそが適正であるといえます。
「飲めない」ことをしっかり伝える
飲めない人が周囲からお酒を勧められたときには、自分が飲めない体質であることを伝え、しっかりと断ることが大切です。
一方的にぴしゃりと断ってしまうよりも、「お酒は飲めないけどこの場を楽しんでいる」気持ちも一緒に伝えられると、角が立ちにくいかもしれませんね。
また、事前に幹事に飲めないことを伝え、飲めない人同士を近い席にしてもらう。など、配慮をお願いするのも手段の一つです。
お酒を飲めない人の強い味方!ノンアルコールテイスト飲料
昨今、急速に広まっているのが、アルコール分0.00%のノンアルコールテイスト飲料です。グローバル市場でも、アルコール全体が伸び悩む中、微アル・ノンアルコールテイスト飲料は右肩上がりで需要が伸びているのだとか。
かつては、“ノンアルコール”といえば、ノンアルコールビールテイスト飲料のイメージがありましたが、最近ではモクテル(ノンアルコールカクテルテイスト飲料)、ノンアルコールチューハイテイスト飲料など、味の種類も豊富なので、「お酒の味自体は好きだけど体質的に合わなくて…」という人にもおすすめです。
「お酒が苦手だけど、ソフトドリンクだけはつまらない」そんな気持ちにも寄り添ってくれるのがノンアルコールテイスト飲料。手軽にお酒気分を味わえて、周囲に気を使わずに飲める、強い味方ですね。
アサヒが考えるスマートドリンキング=スマドリ
アサヒビールでは、時代の変化に合わせた新しいお酒の楽しみ方について考えています。そして、「飲み方を、もっと自由に、もっと自分らしく」という考えのもと、『スマートドリンキング』を提唱。
飲める人と飲めない人が、それぞれの嗜好に合わせてドリンクを選び、一緒に楽しめる飲み方を推進しています。
お酒の席をみんなが一緒に楽しめるように
今回はお酒が飲めない人に注目してみました。
飲めない人が周囲へ伝えることで飲酒を避ける。という従来の考え方だけではなく、種類豊富なノンアルコールテイスト飲料を選んで一緒に参加する。という方法もおすすめです!そして、飲める人が飲めない人や飲まない人もいることを理解すること、お互いが飲み方の多様性を認め合うことも大切です。
時代が変わる中で、飲み方も多様になっています。飲める人も飲めない人も、自分の適正な飲酒量を知った上で、それぞれのペースで楽しめるといいですね。