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今が推し時!りんご収穫体験と推しシードル探し

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今が推し時!りんご収穫体験と推しシードル探し

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今回「ハレの日、アサヒ」編集部は、青森県弘前市にお邪魔して、りんごの収穫をお手伝いをするとともにりんごの奥深さを探求。さらに、りんごを使ったスパークリングワイン“シードル”も堪能してきたので、編集部の推しシードルたちを紹介します!

りんごの収穫は、指を添えてひねるだけ

日本の食文化にすっかり定着しているりんごですが、日本にやってきたのは明治時代のこと。日本の開拓次官がアメリカから苗木を購入し、東京にさまざまな品種のりんごを植えてみたのが、日本のりんご栽培の始まりとされています。その後、りんごの苗木は全国に配布され、各地で試作を開始したのです。

りんごの収穫時期はだいたい8月から11月。現在、日本では約2000種類ものりんごが栽培されていて、品種によって収穫する時期が異なります。今回、私たちが訪れたのは10月中旬。

朝は雨が少しだけ降っていましたが、午後は天候にも恵まれ、秋の涼しい風を心地良く感じました。まさにりんご収穫日和!長靴と軍手をお借りして、早速、りんごの収穫開始です。

今回収穫したのは、甘みの強さが特長の品種「シナノスイート」

優しい日差しに照らされて、りんごの赤がつやつやと輝いてます。今回、収穫方法などりんごについていろいろ教えていただいたのは、りんご農家の高橋哲史さん。

りんご農家の高橋哲史さん

まず、驚いたのは、りんごの収穫にはハサミを使わないということ。りんごの枝と果実のつなぎ目、つまり果実の頭にある窪みに指を添え、固定しながらゆっくりひねってみると・・・

力を入れずとも、プツンと取れました!

ちなみに、りんごのイラストを描く時、皆さんが当たり前のように描くてっぺんから生えている枝(=果柄:枝と果実を結ぶ柄の部分)ですが、これがあるのとないのとでは商品価値が大違いとのこと。見た目の美しさは非常に大事だそうです。

・・・より強く芽生えた緊張感と責任感を指先に滲ませながら、果柄ごともぎ取らぬよう、慎重に収穫していきます。

おいしさは実る3年前から決まっている!?

私たちの日常の中では、当たり前のように鮮やかで美しい形のりんごがお店に並んでいますが、りんご栽培の難しさは一体、どんなことなのでしょうか?引き続き、高橋さんにお伺いしました。

「実は、りんごのおいしさというのは、『その年の気候に恵まれているかどうか』ではないんです。3年ぐらい前から、どんな“剪定”を行ってきたかによって決まるんです」と、高橋さん。

りんご栽培における“剪定”とは、美しい色と形のりんごの果実をつくるために、枝をこまめに間引いたり、蕾のうちから数を制限したりして、栄養のバランスをコントロールすること。

驚いたことに、今年、収穫を迎えられた果実はたった1割に過ぎません。すでに9割は、栽培する過程で間引かれているとのこと。

「りんごの原産地はもともと中央アジア。雨が少なく乾燥している地域ですが、青森県は降水量が多い地域なので、実はりんごの栽培には必ずしも向いてないんです」と、衝撃の一言を放つ高橋さん。

場所を移し、りんごの分別作業を説明しながらお話する高橋さん

青森県と言えばりんご、りんごと言えば青森県なのに、りんご栽培には向いていない・・・だと・・・?

「明治時代にりんごの苗が青森県に入ってきて試作することになった際、青森の人たちは気候のハンデを“剪定”などの技術でカバーしようと励みました。その積み重ねによって、今日の青森のりんごがあります」と、高橋さん。

なるほど、知見と技術力の積み重ねによって、今の青森のおいしいりんごがあるのですね。

「りんごの木の寿命は今だと130歳程度。人間とだいたい同じですね。りんごの木も30~60歳が働き盛りです。りんごの木が130歳だと、人間は四世代に渡ってお世話していることになります。

この農園は元々、人から借りている畑です。前にりんごを栽培していた人とは面識がなく、既に亡くなった方なんです。しかし、りんごの木を見ると剪定の跡が所々残っているんです。こういったものを見つける度に、世代を超えた関わりをダイレクトに感じますね」

引き継がれたおいしさを後世に繋いでいくために、りんご農家の皆さんはりんごの木、一本一本と誠実に向き合っているのですね。

じゃん!こんなにたくさん収穫しました

お気に入りのりんご酒“シードル”を探せ!

りんごはもちろん果実のままでもおいしいのですが、飲料や菓子などいろいろなものにも加工されています。今回、ここでは“シードル”というりんごのスパークリングワインを紹介します。

背景にうっすらと見える山は、青森県の最高峰・岩木山

ぶどうを使ったワインを日常的に飲む方は多いと思いますが、りんごのワインを飲む方はまだまだ少ないのではないでしょうか?りんご由来の甘味と酸味はいろいろな食事とも相性抜群です。

“シードル”というお酒については、「りんごのスパークリングワイン『シードル』を楽しもう!」で詳しく知ることができます。

弘前市内でシードルを製造している皆さん

ということで今回、弘前市内でシードルを製造している方々に集まっていただきました!先ほど、りんご栽培について手ほどきいただいた高橋さんも実はご自身の工房「弘前シードル工房kimori」でオリジナルのシードルを製造されています。

弘前市内でつくられているシードルたち

ずらっと並んだシードルはいずれも弘前市内で生産されているものですが、これでもほんの一部です。ですが、ラベルのデザインやボトルの形状もさまざま。

とはいえ、中味の原料はどれもりんご。味はなんだかんだ一緒なんじゃ…と思う方もいるかもしれませんが、それは大間違い。どんな品種のりんごを使うのか、また、どんな酵母を使ってどのぐらいの長さでアルコール発酵をさせるのか、最後にろ過するのかしないのか・・・それらによって味わいが全く異なるんです!

そこで今回、シードル製造者の皆さんに持ち寄ってもらったシードルの中から、おすすめシードルを厳選して一品ずつ紹介します。

弘前シードル工房kimoriの「kimoriシードルスイート」は酸味と甘みのバランスが良いサンふじを使い、弘前大学白神酵母を使用した無濾過シードル。
もりやま園の「テキカカシードル」は、間引いて捨てられるはずだった“摘果リンゴ”を7割使用。未熟なリンゴによる、苦味、渋み、酸味のバランスが絶妙。
紅玉を多く栽培しているタムラファームの「タムラシードル紅玉」は、紅玉100%ならではのさわやかな酸味と甘みが特長。
弘前銘醸の「弘前城しいどる 無ろ過スイート」は 弘前城、日本最古級の桜・ソメイヨシノの天然花酵母を使用。無ろ過の果実味と後味の和風味が特長 。
POMME/MARCHÉの「éffrie エフリシードル」は甘酸っぱいジョナゴールドをベースに希少品種の高徳と受粉用リンゴのメイポールを加えてブレンド。
中田農園 の「MOZU Nakata Orchard Cider」は紅玉とトキを使い、オークチップで香り付けした樽で熟成させました。アルコール度数8%
トキあっぷる社とシン・リンゴ酒研究会の「Bramley Lab.2023 Cider」はイギリス生まれの酸っぱいリンゴ「ブラムリー」を使用し、爽やかな酸味が特長。
日帰り温泉福家を営むタグボート社の「CRAZY CIDER DRY」は、キレがありながらフルーティーな味わいが特長のドラフトハードサイダー。
弘果物流の「ヒロカシードル 黄明&幸寿」は弘果グループが契約栽培しているリンゴ品種・黄明と幸寿を使用。やや甘口のりんごの繊細な味わいが特長。
JR東日本青森商業開発(A-FACTORY)の「吉野町シードル 25ドライ」は、ふじと王林を使用。弘前れんが倉庫美術館の敷地内にて製造している。
ニッカウヰスキーの「ニッカ弘前 生シードル・スイート」は国産リンゴ100%で熱を一切加えないみずみずしい甘さが特長。

味わいに惹かれるのも良し、ラベルのデザインに一目ぼれするのも良し!気になったシードルがあれば、ぜひお気軽にお取り寄せしてみて下さいね。

あなたの心を魅了する“推し”シードルに巡り会えるよう願っています。

りんごのある食卓をいつまでも

現在、りんごの生産量1位は青森県。令和2年産の青森県産りんごの販売額は、7年連続で1000億円の大台を超えており、輸出額も7年連続で100億円超えと好調です。※1

好調とも思える日本のりんご産業ですが、課題も抱えています。それは、りんご農家の高齢化が進む中、りんごの栽培や収穫を行う人、つまり、労働力が不足していることです。その課題は、青森県産りんごで約4割、国産りんごの約2割を生産する弘前市でも同じです。※2

現在、同市ではりんご農家を支援してくれる援農者を募っています。そして2023年、アサヒビールとニッカウヰスキーは青森県弘前市に企業版ふるさと納税を実施し、弘前市と一緒に「ひろさき援農プロジェクト」を開始しました。

今後も、弘前市のりんご産業支援やシードル文化の輪がどんどん広がっていきますように。

一つだけ咲いていたリンゴの花。実る季節に咲くのは珍しいそうです。

※1:青森県農林水産部りんご果樹課調べ

※2:全国・青森県・長野県の生産量は農林水産省「令和2年産果樹生産出荷統計」より、弘前市の生産量は青森県農林水産部りんご果樹課調べ

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