薬との飲み合わせは?薬剤師が教える サプリメントの正しい活用法
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ドラッグストアに行くと、マルチビタミンやビタミンCなど、さまざまな成分のサプリメントが並んでいます。健康意識の高まりで、利用する方も増えている一方、薬と一緒に飲んでいいのかな?など疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回はサプリメントや健康食品を製造販売しているアサヒグループ食品のお客様相談室 薬剤師の宮原宏子が、サプリメントの摂取についてお答えします。
INDEX
食品メーカーでも大切な存在 「薬剤師のお仕事は?」
ー“薬剤師”と聞くと、病院や調剤薬局で働く方をイメージしますが、お客様相談室ではどのような業務をしているのでしょうか。
アサヒグループ食品は、菓子、フリーズドライ、ベビーフード、介護食、サプリメントなど、幅広い商品を扱っています。お客様相談室では、それら商品やサービスに対し、お客さまからの問い合わせや悩みに対してお客さまの安心につながる情報提供を行っています。
特にサプリメントへの問い合わせについては、薬剤師の資格を持つメンバーが、お客さまの不安を解消できるようサポートする体制を整えているんです。
―サプリメントについて具体的にどのような問い合わせがあるのですか?
特に多いのは、「薬との飲み合わせ」についての問い合わせです。
指定医薬部外品である「エビオス錠」も含め、飲み合わせの問い合わせは全体の13%程、件数でいえば月300件を超えます 。
最近の健康意識の高まりで、サプリメントを利用される方が増えています。またSNSなどの情報で利用を検討される方もいらっしゃるので、問い合わせの件数は年々増えています。
「薬との飲み合わせ」はとても重要!
ー「薬との飲み合わせ」 とはどのような事ですか?
お客さまが現在服用している薬と、当社が販売しているサプリメントや医薬部外品との飲み合わせのことです。
まずオペレーターがお客さまの飲まれている薬をお聞きします。その後、薬と当社商品の成分との相互作用がまとめられたデータベースの登録情報をもとに、薬の作用への影響などがないかをわかる範囲でお答えしています。
もし飲み合わせが悪いとわかった場合は、薬剤師はオペレーターが説明する際のサポートをしたり、時には直接お客さまにご説明をするときもあります。場合によっては、当社商品のご利用を止めていただくようにお伝えする時もあるんです。
―サプリメントでも薬と飲み合わせが悪い場合があるのですね。
そうですね。サプリメントは食品と一緒と思われている方も多いと思いますが、食品であっても、薬と組み合わせることで、その薬の効果を強めることもあるので注意が必要です。
例えば、血液をサラサラにする血液凝固阻止薬と健康食品の青汁を一緒に摂ると、青汁に含まれるビタミンKで薬の効果を弱めてしまう恐れがあります。そうならない為にも、私たちはしっかり飲み合わせの情報をお伝えする義務があると考えています。
―ちょっとでも不安があれば相談することは必要ですね。
医師が処方した薬を飲まれている方は、医師や薬剤師から薬の説明を受けますが、サプリメントは自分で選ばれる方も多いと思います。
もし治療中や薬を服用している方がサプリメントなどの健康食品を摂られる場合は、自分で判断せず、医師や薬剤師に相談してください。
もちろんお客様相談室にお電話やメールでお問い合わせいただいても大丈夫です。薬の名前が分かれば、分かる範囲でお調べいたします。
―心強いですね!一般のお客さま以外からも問合せがあるのですか?
調剤薬局の薬剤師やドラッグストアからの問い合わせもありますね。
ビタミンやミネラルなど一般的な成分情報はすぐに調べることができますが、メーカー独自の健康素材や新しい素材などはメーカーに問い合わせないとわからない点もあります。そういう場合は私たちが蓄積した情報をお伝えすることもあります。
機能性表示食品は機能が書いてあるのでわかりやすいですが、さまざまな成分が配合されています。また機能性表示食品は薬を飲んでいる方は対象としておりませんので、薬を飲んでいる方が自己判断をされないように、成分の内容を説明し、医師に相談することをおすすめするようにしています。
サプリメントについて問い合わせの多い質問を紹介!
お客様相談室には、サプリメントと薬の飲み合わせ以外にもさまざまな問い合わせが寄せられます。その中でも、問い合わせの多いご質問を紹介します。
●サプリメントを摂る時間は決まっていますか?
基本的にはお好きな時に自由に摂っていただいて構いませんが、おすすめは1日2~3回に分けて食後に摂る方法です。1日1回しか摂らない場合はメインとなる食事の後がよいでしょう。また、脂溶性ビタミン(ビタミンA・Eなど)は油に溶けやすいため、食事の後に摂ることをおすすめします。
●サプリメントは子どもが飲んでもいいですか?
現在のところ、基本的に食事で栄養を摂っていただきたいという想いから、アサヒグループ食品では基本的に18歳未満のお子さまにはおすすめしておりません。機能性表示食品は、機能性表示食品制度に基づき、成人の方を対象としています。
●サプリメントを水以外のもので摂っても構いませんか?
パッケージに記載されている方法をおすすめしています。基本的には水またはお湯とともにお召しあがりください。食品ですので、そこは、あまり、神経質に考える必要はありません。
サプリメントは気軽に摂取できて便利ですが、食生活の基本は食事をバランスよく取ることです。サプリメントは食事だけでは栄養素が不足する場合の栄養補助と考えくださいね。