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料理のキホンさしすせそ② 塩を知ると料理がもっと楽しくなる!

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料理のキホンさしすせそ② 塩を知ると料理がもっと楽しくなる!

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調味料を知ると食はもっと楽しくなる!料理のキホン「さ・し・す・せ・そ(砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそ)」を全5回にわたり、深堀りします。
第2回のテーマは「塩」。スーパーではミル付きの塩や粗塩など、さまざまな種類が並んでいるため、どれを使ったら良いか悩んでしまいませんか?
今回はそんな塩の作り方や、料理に合わせた使い分けのコツを紹介します。塩を知ると料理がもっと楽しくなるかもしれませんよ。

そもそも塩はどのように作るの?

塩といえば海をイメージする方が多いのではないでしょうか。実は、世界で生産される塩の約2/3は岩塩などを原材料にしています。
岩塩は、地殻変動により海水が陸地に閉じ込められた後、水分が蒸発し、その上に土砂が堆積してできたと言われています。
他に、地下水が岩塩層を溶かし、濃い塩水になった地下かん水などもあります。

ドイツ岩塩(たばこと塩の博物館蔵)

一方、海水からつくられる塩は「天日塩」と呼びます。雨が少なく高温で乾燥した気候や、広大な土地に恵まれた地域で多く見られる製法です。
海水を池に引き込み、太陽熱と風力で水分を蒸発させて作ります。

メキシコ天日塩(たばこと塩の博物館蔵)

日本は海に囲まれていますが、岩塩や塩湖がなく、雨が多いため天日製塩にも向いていません。そのため、昔から海水を煮つめる塩作りを行っています。
塩を1キロ作るのに40リットルの海水と燃料が必要ですが、より少ない燃料で塩を作るために工夫を重ねてきました。

日本では昔から、海水を濃縮してかん水(濃い塩水)を集める「採かん」、かん水を煮詰めて塩を作る「せんごう」という2段階の方法で塩作りを行っています。その方法は進化し続け、1人が1年間に作ることのできる塩の量は、20トンから900トンにまで増えたと言われています。
しかし、「採かん」「せんごう」の2工程を経て塩を作るという点では、古代から現代まで変わりません。

能登半島の珠洲市では現在でも、国指定の無形文化財として、揚浜による塩作りが存続しています。※写真は、角花家の能登の揚浜(昭和53年撮影

<撒潮(さんちょう)>

海水を塩浜の砂にまいて広げて干した後、塩混じりの砂を集めて再び海水をかけ、かん水を採る。

写真協力:たばこと塩の博物館

<釜にできた塩を集める>

かん水を一晩がかりで鉄釜で煮詰め、まだ釜の中ににがり(液体)が残っているうちに火を落とし、できた塩を集める。

写真協力:たばこと塩の博物館

塩を使い分けて料理をもっと楽しもう!

料理をする時に、どの塩を使おうか…と迷った経験はありませんか?
そんな時におすすめしたいのが「粒が大きいか小さいか」「湿っているか乾いているか」で使い分ける方法です。

まずは粒の大小です。塩が口の中で溶けるスピードは、小粒だと速く、大粒だと遅いですよね。
同じ塩でも粒の大きさによって溶ける時間に差が出るため、味の感じ方が異なるのです。
大きい粒は、酢やコショウなどとサラダに合わせると、食感の変化が出て面白いですよ。
小さい粒は、全体に塩を溶かしたいときにおすすめです。例えばスープなどの汁物は、均一に味付けできるので小粒の方が適していると言えます。

次に質感です。にがりの水溶液などがまとわりついている粗塩は湿っていますが、サラサラしている塩もありますよね。
食材自体が渇いている場合は湿っている塩を、湿っている場合はサラサラの塩を使ってみてください。
例えば魚の塩焼きは、魚自体が湿っているのでサラサラの塩でもなじみます。

このように使い分けのコツはあるものの、味は主観であり、“おいしいかどうかは物語がものを言う”とも言われます。
フランス料理にはフランス産の塩を使いたい、海鮮料理には海水からつくられた天日塩を使いたい、という思いもありますよね。
原材料、産地、製法は物語にもなり得る要素です。
料理に合わせて自分なりに塩を使い分け、物語としてのベストマッチを探すのも楽しいのではないでしょうか。

知っておきたい!塩まめ知識

野菜を塩もみするとどんな効果があるの?

塩には余分な水分を取り除く働き(=脱水効果)があります。水分と一緒に、臭みやえぐみを抜く効果が期待できます。
また、塩もみによって水を吸い出した後に調味料を加えると、食材に味が入りやすくなります。

スイカに塩をかけると甘く感じるのはなぜ?

これは味覚の対比効果によるもので、甘い味よりも、しょっぱい味の方が脳に伝播するスピードが速いです。
しょっぱい→甘いの順に味を受け取るため、甘さが引き立つのです。
まだ砂糖が高価だったころ、わずかな甘いものをおいしくする工夫だったのかもしれませんね。

和食の「塩ひとつまみ」は何のため?

和食でよく使う「だし」。実は上手にだしをとっても、それだけではうま味を感じにくいことがあります。
だしにひとつまみの塩を入れることで、濃厚なうま味を感じられるようになります。例えば塩こんぶは、こんぶのうま味をより一層感じられますよね。
このように、塩には食材のうま味を引き出す効果もあるのです。

この他にも「しょっぱいは塩だけの味」「食べ物の中で塩だけが生き物ではない」など、知れば知るほど奥深い存在。
塩を知ると、いつもの料理がちょっと楽しくなるかもしれません。

今回「塩」について学んだ施設はこちら!皆さんもぜひ訪れてみてくださいね。

料理のキホンさしすせそ② 塩を知ると料理がもっと楽しくなる!

食べる

料理のキホンさしすせそ③ キッコーマンに聞く!しょうゆの世界

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