「ハレの日」とは、お正月や節分などの年中行事、成人式などの人生の節目にあたる日を指します。
このような「ハレの日」には、その日にちなんだ特別な料理を食べることがありますよね。そこでこの連載では「ハレの日」に食べる食事について、レシピとともに紹介します。日本ならではの年中行事やその日に食べるごはんを知る１年にしてみませんか？

第5回は七夕。地域によってはちらし寿司や笹の葉にちなんだ食べ物を食べることもありますが、今回は“そうめん”について紹介します。

七夕×そうめんは、平安時代からの定番だった！

織姫と彦星が天の川で年に一度出会うというロマンチックな伝説が有名ですね。そんな七夕に、見た目も涼しげなそうめんを楽しむ方も多いのではないでしょうか。

実は、七夕にそうめんを食べる習慣は、昔から日本で行われてきた恒例行事だったことをご存じでしょうか。

日本における七夕は、日本古来の伝説と中国から伝わってきた文化とが結びついてできたものと言われています。日本では、「棚機（たなばた）」という、水辺の機屋（はたや）にこもって神様を迎える行事が行われていました。そこに中国から伝来した織姫と彦星の伝説と、機織り上手な織姫にあやかり裁縫技術の上達を願って星に祈りをささげる「乞巧奠（きっこうてん）」という行事が融合し、宮中での七夕行事として定着していきました。

こうして平安時代には、宮中で七夕行事が行われるようになりました。この行事には、そうめんの元祖といわれている「索餅（さくべい）」が供えられていたという記録が残っています。

索餅とは、小麦を縄状に練り上げたお菓子で、奈良時代に中国から伝来したといわれています。中国ではその昔、帝の子どもが7月7日に亡くなり、その後病が街に蔓延したため、亡き子の霊をおさめるために好物だった索餅をお供えしたという伝説があります。その風習が日本にも伝わり、無病息災や健康を願って七夕に食べる風習として定着。時代を経て、索餅はそうめんへと変化し、七夕には欠かせない行事食となりました。

中世までは高級食材として扱われていたそうめん。室町時代にはそうめん作りの職人もいたようですが、庶民が気軽に食べられるものではありませんでした。江戸時代になり、製粉技術の基礎ができると、ようやく庶民にも手が届く食べ物となりました。

今年の七夕は「うなぎそうめん」でスタミナ補給＆健康祈願

長い歴史の中で、特別な日のごちそうから夏の定番となったそうめん。今年の七夕は、古くから行われていた行事にならって、そうめんで健康祈願をしてみませんか？７月は、猛暑に備えて滋養をつける土用の丑の日もやってきます。そこで今回は、うなぎを使った「うなぎそうめん」を紹介します。七夕にぴったりな一皿で、栄養もしっかり補給できますよ。

＜材料＞２人分
うなぎ…………….100g（蒲焼）
そうめん…………3束
トマト…………….2個
キュウリ…………1本
大葉…………………5枚
めんつゆ…………適量
日本酒……………..小さじ1

＜作り方＞

１．うなぎを1cm幅に切り、日本酒をふって電子レンジ(600W)で約1分加熱する。
※お使いの電子レンジにより、多少の誤差があります。加熱時間は目安ですので、ご注意ください。

２．トマトを4等分に切り、キュウリ、大葉をせん切りにする。

３．ゆでたそうめんに1と2を盛りつけ、めんつゆを適量かける。

レシピ提供：ズバうま！おつまみレシピ「うなぎそうめん」

text 「ハレの日、アサヒ」編集部

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