ロックンロールバンドTHE BAWDIESが選ぶ、秋の夜長に聴きたい曲。<後編>
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前・後編に分けてロックンロールバンド「THE BAWDIES」のみなさんをゲストに迎え、「音楽×お酒」にまつわるさまざまなお話をお届けしています。
後編はメンバーそれぞれ日々のお酒の楽しみ方や「秋の夜長に聴きたい曲」を2曲ずつご紹介します。この記事を読めば、きっと音楽を聴きながらお酒が飲みたくなるはず。ぜひ、お楽しみください。
前編はこちら:ロックンロールバンドTHE BAWDIESが選ぶ、秋の夜長に聴きたい曲。<前編>
INDEX
誰かとの出会いをつなぎ、自分の心を揺り動かす、お酒の力。
―みなさんは普段、どんな風にお酒を楽しまれていますか?ライブの打ち上げなどで一緒に飲む機会はあると思いますが、それ以外もあるんでしょうか?
MARCY:先日、京都でライブをやるってなったとき、前泊してちょっと観光したんですよ。そこで、人生で初めてふらっとひとりでBARに入ってみて。個人で経営されているようなお店で、常連さんが二人ほどいたのかな。でも、いざ入ったもののどうしていいかわからなくて(笑)。とりあえずお酒頼んで、何杯か飲んでいたら店主さんも話しかけてくれて、ひとりでお酒の時間を満喫しましたね。「ありがとうございました、また来ます」って。それが本当に楽しかったので、今後も地方に行った際にはやってみたいです。
ROY:TAXMANは地方に行ったら、ふらっとひとりでそのへんの飲み屋に入るよね!で、そこの常連さんとか店長とかを次の日ライブに連れてくるっていう。あれがすごいよね(笑)。
TAXMAN:お店で意気投合して「ライブ行ってみたいです!」とか言われたら「あ、じゃあ来ますか?」みたいな感じで(笑)。
―TAXMANさんのコミュニケーション力、恐るべしです(笑)。JIMさんはビールが好きということでしたが、ひとりで飲みに行かれたりもしますか?
JIM:家で飲むことが多いですね。MARCYやTAXMANみたいに知らないお店に行って……みたいなことはないかなぁ。
MARCY:まあ、京都でのBARが人生初体験なんだけどね(笑)。でも、JIMも誰かに誘われたらお店とかで飲むでしょ?
JIM:もちろん、友達に「飲もう」と誘われたらお店で飲むこともありますよ。でも、すぐうちに呼んで部屋飲みにしちゃいます。ひとりが好き……なのかな?ライブで地方に行っても、地元のスーパーでビールを買い込んで、半額のお総菜を買って、部屋でひとりで飲んでいます。
―自宅ではどんな風にお酒を楽しまれているんですか?
JIM:うーん、なんだろう。お酒は「自分の時間をもう少しだけ楽しませてくれるもの」だと思うんですよ。映画を観ながら、音楽を聴きながら、ご飯を食べながら、キッチンに立って料理をつくりながら……そういうときにお酒があると、お酒がないときよりもその時間がより楽しくなる気がしますね。お酒との関係って、夫婦みたいな感覚なのかもしれない。
―自分の生活に当たり前に存在するもの。そして、自分の生活をより充実させてくれるものみたいな。
JIM:そうですね。映画とか音楽とか、自分が大事にしているもの、興味のあるものを「じっくりと堪能したい」というときに飲みたくなることが俺は多くて。だから、ひとりで飲むのが好きなのかもしれないですね。
―ROYさんは最近になってお酒を飲みはじめたということですが、何か理由があるんですか?
ROY:飲みの場は楽しめるし、周りと交流もしたいので、今後行く数を増やしたいなと。まずは梅酒のロックからスタートして、だんだんおいしいなって思えるようになってきましたよ!
TAXMAN:30代に入ってから飲めるようになった人は周りにも結構いるし、興味を持ったなら少しずつ試してみるといいのかもね。
JIM:あとは、どんなお酒を飲むかだよね。
TAXMAN:ROYは味が濃いのが好きだから、炭酸で割る系のお酒とかがいいんじゃない?
ROY:でも炭酸系だとお腹いっぱいになっちゃうじゃん。
MARCY:お腹いっぱいになってもいいじゃん(笑)。
TAXMAN:ROYはね、お寿司とか食べるときとかめちゃくちゃ醤油つけるんですよ。
JIM:そばも好きって言ってるけど、あれはほぼめんつゆを食べてるよね。
TAXMAN:前にメンバー全員でいちご狩りしたときもね。練乳をベッタリつけて。もういちごっていうより練乳食べてたよね(笑)。
ROY:いいじゃないですか!好きなように食べさせてくださいよ(泣)!!
TAXMAN:そうだね(笑)。ビールとかも最近は低アルコールとかあるから、そういうのから自分に合うビールを探してみるのもありじゃない?
JIM:クラフトビールだったり、フルーティーなやつもあるよね。
THE BAWDIESが選ぶ「秋の夜長に聴きたい曲」。
―ではここからは、みなさんに選曲いただいた「秋の夜長に聴きたい曲」を紹介していきたいと思います。まずはROYさんの選曲から。Sam Cookeの「Nothing Can Change This Love」と、Aretha Franklin「I Say a Little Player」ということですが。
ROY:Sam CookeとAretha Franklinの音楽って「歌声に酔える」んですよ。優しく包み込むような伸びのある声で……こういう曲を聴きながらお酒が飲みたいといつも思いますね。BARでひとりで飲んで、丸くて大きい氷がカラン……みたいな。「ソウルミュージックを聴きながらお酒を飲みたい、でも何から聴けばいいのかわからない」という人がいたら、ぜひ聴いていただきたいですね。
―この曲を聴きながら飲みたいお酒もぜひ教えてください。
ROY:バーボンかな。僕はまだバーボンが飲めませんが、いつかそういう感じでこの曲を聴きながらお酒を飲みたいですね。
―続いて、TAXMANさんの選曲はThe Choirの「It’s Cold Outside」とGeorgie Fameの「Sunny」。「It’s Cold Outside」は失恋ソングで「Sunny」はラブソングですよね。
TAXMAN:「It’s Cold Outside」はガレージパンクで有名な曲ですね。甘酸っぱい感じの失恋ソング。「Sunny」はラブソングだけど、どこか少し哀愁が漂う感じもあって。二曲とも、夏が終わって、少し涼しくなってきて寂しい気持ちになる……そういう雰囲気に合うかなと思いました。
―確かに、秋は少し寂しい感じもしますもんね。この曲に合うお酒のイメージはありますか?
TAXMAN:自由に好きなお酒を飲めば、それがいちばん気持ちいいんじゃないかなと思います。俺はよくソロキャンプに行くんですが、そこで星空を観ながら爆音で音楽を聴くのが好きなんですよ。日常を全部遮断して、自然を感じながらこういう雰囲気の音楽を聴くのがめちゃくちゃ気持ちいいので、ぜひそういう場所で、自分の好きなお酒を楽しんでもらいたいなと思います。
―JIMさんの選曲はThe Rolling Stonesの「Let’s Spend The Night Together」とThe Dave Clark Fiveの「Because」ですね。こちらの選曲理由は?
JIM:「Let’s Spend The Night Together」の邦題は「夜をぶっ飛ばせ」。これはもう、秋の夜長の一発目に聴いてもらいたい曲ですね。俺なら、料理をつくりながら聴きたいかな。キッチンに立って、ビールをカシャッと開けて、「今日はどうしようかな。冷蔵庫にジャガイモと鳥肉があったから、唐揚げとポテトをつくろうか。それつまみながら、きりっとしたドライビールでも飲んで……よし、今日の夜はそれで楽しもう」って。そんな、夜の始まりに聴く曲。
―素敵ですね。JIMさんは料理をつくるときはいつも音楽をかけるんですか?
JIM:そうですね。キッチンに立っている間はしんみりした曲よりもテンション高めの曲を聴くことが多いです。
―「Because」はTHE BAWDIESのカバー曲でもありますよね。こちらは、どんなシーンで聴くイメージですか?
JIM:「Let’s Spend The Night Together」が最初の曲なら、「Because」は最後に聴く曲。全部食べ終わって、食器も洗って、夜中の3時ぐらいかな。部屋の電気を消して、キャンドルでも立ててぼうっとしながら「ふう、楽しかったな」って気分で聴きたいですね。俺は映画を観ているときや音楽を聴いているときなどに、感情が高まって涙が出てくることがあるんです。きっと、この曲を聴いているときも泣いているでしょうね。「Because」はバンドとしての思い出も詰まっている曲なので。飲むお酒は何がいいかな、ビールかな。芳醇で、どしっとした飲み応えのあるビールが合うんじゃないかな。冷えていなくてもいい。常温でも全然いいと思います。
―では、最後にMARCYさん。The Strokes の「Is This It」とSam Cookeの「Bring It On Home To Me」を選曲いただいていますが。
MARCY:The Strokesは単純に僕が好きでよく聴いているアーティストで。激しすぎない軽やかなテンションで、秋の夜長にこう…ひとりでゆっくり飲むのにいいんじゃないかなって。お酒を飲みながら聴く音楽って、集中して聴き入る感じとはまたちょっと違うじゃないですか。さらっと流し聴きするというか。そういう意味でも、この二曲がちょうどいいんじゃないかなって。Sam Cookeは僕らのルーツとなる音楽でもあるし、「Bring It On Home To Me」はTHE BAWDIESとしてカバーもさせていただいているので、ぜひ選びたいなという想いもありました。聴くシチュエーションとしては寝る前かな。一日が終わる直前に、この声につつまれて眠りたいですね。
ROY:「Bring It On Home To Me」は「僕が先に亡くなったらお葬式でアカペラで歌ってね」って遺言としてMARCYに伝えている曲なんですよ。
―そうなんですか!?
ROY:MARCYは人前でアカペラを歌ったことがないので、僕から最後のイタズラということで(笑)。スーツ着て、みんなの前で独唱。
JIM:それ聴いたら満足して俺も……。
MARCY:というか、ROYが死ぬときって多分こっちもヨボヨボの状態だよね。僕ら全員が生きているとも限らないよ(笑)。
―老後、そして人生の最後まで音楽とつながっていらっしゃるんでしょうね。絆の深さも感じました。みなさま、いろんなお話を聞かせていただきありがとうございます!選曲いただいたものはもちろんですが、THE BAWDIESの音楽もぜひ、お酒を飲みながら聴いてみたいなと思いました。ちょうど、2024年1月には結成20周年を記念したライブがビルボードライブで開催されますよね。ぜひそこで「音楽×お酒」を体験してみたいです!
撮影:Tetsuya Yamakawa
プロフィール
THE BAWDIES
2004年1月1日小学校からの同級生であるROY(Vo, B)、JIM(G)、MARCY(Dr)と高校からの同級生TAXMAN(G, Vo)によるロックンロールバンド。2009年にメジャーデビュー。敬愛するリズム&ブルース/ロックンロールのルーツを昇華した楽曲を生み出し、過去に3度の東京・日本武道館公演を実施、ライブバンドとして全国を行脚し続ける。2024年にデビュー15周年および結成20周年を迎える。
「20TH BIRTHDAY BASH」
2024年1月14日(日) 大阪府 Billboard Live OSAKA
2024年1月21日(日) 東京都 Billboard Live TOKYO
– Guest Musician –
Vocals: 松尾レミ (from GLIM SPANKY)
Guitar: NAOKI (from LOVE PSYCHEDELICO)
Bass: ナガイケジョー (from SCOOBIE DO)
Keyboards: 別所和洋 (from パジャマで海なんかいかない)
Website:https://thebawdies.com/
X:https://twitter.com/THE_BAWDIES
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Spotify:https://open.spotify.com/artist/2zrpw0rjWCFEMb8MVhug5F?si=cMxXYOFBTL68ZaVzoZFcNw