お花屋さんに習う!春の花で食卓を彩ろう
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色とりどりの花が楽しめる季節がやって来ました。
そこで、おいしい料理やドリンクが並ぶ食卓に、春らしいご提案。
お花屋さんでお花を買って、食卓に飾ってみてはいかがでしょうか?
「花は特別な日に飾るもの」「花束は高価」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、切り花を数本飾るだけで、食卓は華やぎますよ。
今回は青山フラワーマーケット クリエイティブ室の米野さんに、初心者向けのテーブルフラワーの選び方や飾り方、お手入れ方法の基本について学びました。
プロフィール
株式会社パーク・コーポレーション 青山フラワーマーケット クリエイティブ室 米野 瑠璃さん
花瓶・花器の専門店「フラワーベースギャラリー」のバイイングやクリエイティブのディレクションなどを担当。大学で受けた美学の授業を通して、歴史や文化、芸術作品の中に息づく“花”の存在に興味を持ったことがきっかけで入社。
青山フラワーマーケット:https://www.aoyamaflowermarket.com/category/SHOP/
INDEX
迷ったら、季節の花を選んでみて
―お花屋さんにはいろいろな花があるので何を買おうか迷いがちです。初心者向けに、何か選ぶコツってあるのでしょうか?
食事と一緒で、その季節の旬の花を楽しんでいただくことをおすすめします。野菜など季節の食材とも同じことが言えますが、花も旬のものは品質が高いですし、価格もお買い求めやすい傾向があります。
―旬のお花!春のお花だとどんなお花がおすすめですか?
4月だとまずはバラですね。
バラは一年中、手に入りやすい花ではありますが、春のバラはとてもキレイで、品質も良いです。
バラといってもいろいろなバラの品種があります。たとえば当店オリジナルの「NUMBER5」というバラは花びらの淡いグラデーションが特長で、香りもとても良いんです。また、つぼみの状態から花が開いた状態までの変化が大きいため、その過程を楽しむことができます。
それから春はガーベラですね。こちらも出回るのは通年ですが、春が旬の花です。4月18日は“よいはな”という語呂と合わせて「ガーベラ記念日」とされていて、お店でもおすすめしています。
最近はガーベラもユニークな品種が出てくるようになりました。尖った花びらが蜘蛛の糸ように細く咲いている“スパイダー咲き”のガーベラや、花開く前のつぼみの状態から楽しめる“つぼみガーベラ”などがありますよ。以前は可愛いらしいイメージが強かったと思いますが、今は大人っぽくスタイリッシュに飾れる品種もあるので、お好みで選んでほしいですね。
それから初夏になるとシャクヤク(芍薬)も良いですね。その年の気温にもよりますが、だいたい5~6月が旬です。旬の時期が短いのでぜひ楽しんでいただきたいです。
―同じ花の名前でもいろいろな品種があるんですね。
切り花を何本か購入する場合、どんな風に組み合わせると良いのでしょうか?
食卓で花を楽しむ場合でしたら、まずは主役の花を一種類決めましょう。バラやガーベラ、ダリアなど、比較的大きめで華やかな花がおすすめです。その後、主役に合う葉ものや小さいお花を選ぶとバランスが取りやすいですね。小さい花は主役のお花と同系色でも良いですし、違う色味のものを選んでコントラストをつけてもおもしろいと思いますよ。
花と花瓶の色を合わせると統一感◎
―次は花の選んだ後、自宅で飾る時の質問です。
花をきれいに飾るためには何に気をつけたら良いですか?
花を入れるフラワーベース(花瓶)が予め決まっていれば、その色と同系色の主役の花を選ぶと間違いないでしょう。また、今回は“食卓の花”がテーマとのことなので、フラワーベースをテーブルの真ん中に置くのであれば、会話を邪魔しない低めのものを準備すると良いですよ。
お花を初めて飾るという方は一輪挿しがおすすめです。始めやすいですし、一輪挿すだけなので迷うこともありません。場所も取らないので、食卓にはぴったりかなと思います。
―そうすると、初めての人はまず花瓶を買いにいく必要がありますね。
お酒の空き瓶やジャムが入っていたガラス瓶でも代用できますよ。ただ、フラワーベースは花のためにつくられた器なので、花を一本挿すだけで見映えがすごく良いんです。たとえば、この一輪挿しのフラワーベースも、1本入れるだけで花がとてもきれいに見えますし、倒れてしまわないように底の台座がしっかりしています。
また花と同系色のフラワーベースを合わせることで、統一感が出せます。フラワーベースはガラスや陶磁器、金属系のものなど本当にいろいろな種類がありますが、ガラスの方が水の量や汚れが見えやすいので管理しやすく、選ばれるお客さまも多いですね。また、口が広いものの方が手を入れて洗いやすいです。
―とてもオシャレに見えますね!
SNSにお花の写真を載せる方も多いですが、スマートフォンなどできれいに写真を撮影するためのコツってありますか?
花の向きを気にかけると良いと思います。その花の顔がどこから見たら一番きれいなのか、ということを一輪ずつ意識してみてください。しっかり真正面から撮影するのがきれいなのか、それともちょっと斜めから撮影するのがキレイなのか、ちょっとずつ確認してから撮影すると良いと思いますよ。
それから、窓から差し込む自然光で撮影することも大切なポイント。部屋の照明の色によって、花の本来の色が上手く写らなくなってしまうので、自然な光で撮影するのがおすすめです。
天敵は冷暖房の直風!
―花をきれいに飾るために必要な道具は何でしょうか?
花とフラワーベース、はさみがあれば飾れます。ただ、茎の道管(水を通す管)を潰さないようにするため、切れ味が良いはさみを使う必要があります。なので、普通のはさみではなく、“花ばさみ”を使いましょう。
また、きれいに飾るためには鮮度保持剤を使うのもひとつの手です。当社の保持剤であれば、お水を腐りにくくする防腐剤と花に栄養を与える糖分が入っているので、花がしっかり長持ちしますよ。
―日々のお手入れでは何に気をつけたら良いのでしょうか?
基本的にはそんなに神経質にならなくても大丈夫です。
先ほどお伝えした保持剤を使うと、水は濁るまで変えなくても大丈夫なので、格段にお手入れしやすくなります。実は、お花によって最適な水の量は違うので、購入時にお花屋さんで聞いてみると良いと思います。
ただ気にかけてもらいたいのは、冷暖房です。花は繊細なので、品種によっては直風が当たると通常より早く萎れてしまいます。風向には気をつけて、直風が当たらないようにしましょう。
日常に心の豊かさを
―花をきれいに飾るコツが分かって、お花屋さんで花を選ぶのがこれからもっと楽しみになりました。
最後に、青山フラワーマーケットや米野さんが大切にしていることはどんなことでしょうか?
当社は創業時から“Living With Flowers Every Day”をコンセプトに、花や緑に囲まれた心豊かなライフスタイルを提案してきました。花はハレの日やギフトのイメージが強いですが、日常においても楽しんでほしいなと思っています。
花をクイックに買えるように、駅や商業ビルの中に出店したり、冷蔵ショーケースを使わないことでお客さまが花を選びやすくしています。デスクまわりにも飾りやすい「グラスブーケ」など飾る場所に合わせた小さなブーケも販売していますので、気軽に立ち寄ってもらえたら嬉しいです。
花を育てている生産者の方々も、フラワーベースを手がけている方々も、心をこめて花と向き合っています。私たちはその想いの部分も一緒にお客さまに届けていきたいなと思います。
我が家の家具はアースカラーが多く、料理も茶色になりがち問題(笑)に悩んでいましたが、春らしい明るいお花のおかげで食卓が華やぎました♪
春ならパステルカラーの花もおすすめだそうです。
「ハレの日、アサヒ」から食卓での春らしい提案、いかがでしたでしょうか?
インタビューをした編集部員は、スパイダー咲きのガーベラをさっそく自宅の食卓に飾ってみました。