ハロウィンにおすすめ!Netflixで楽しむ映画&ドラマ10選【2024】
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今年のハロウィンは、おうちで映画やドラマをじっくり楽しんでみませんか?ハロウィンにNetflixで楽しめる映画&ドラマを映画ライターの仲谷暢之さんが厳選。スリル満点の作品から仮装のヒントにしたい作品まで、幅広いラインアップがあなたをゾクゾクさせること間違いなし!深夜に一人で見るのはもちろん、家族や友達と集まってわいわい観るのもおすすめです。
プロフィール
仲谷 暢之(なかたに のぶゆき)
吉本興業発行の広報誌「マンスリーよしもと」の編集・ライティングを経て、フリーのエディター・ライターとして映画・演劇・音楽・伝統芸能・サブカルチャーを中心に関西を中心に活動。他にも舞台・イベントの企画、脚本・構成、演出などを行なっている。
INDEX
アートはハロウィンと相性がいい⁉︎
『ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー』
この映画を観る前に『アートのお値段』というドキュメンタリーを観ました。アートは商品なのか? それとも市場とは関係のない存在であるべきなのか?というのを関係者からの言葉で紡いでいました。それだけに今作を見ると、まるでアート界に鉄槌を下したかの様相が感じられます。
物語はアート業界の画商たちと作家と、アートという金脈に群がる魑魅魍魎たちのギラギラを描きながら、野心溢れる女性画商が、たまたま無名作家の絵を発見し、それを売り出したことで絵を描いた作家の怨念が渦巻き、次々と不可解な事件が起こるというもの。
登場する誰もがクセと圧の強い、微塵も好感の持てないキャラクターばかりなので、彼らの顛末を見ると、ある意味スカッとするかもしれません。ハロウィンの仮装もアートのひとつであると考えるのであれば今作もまた、考える手立てとなる一本になるはずです。
1話完結モダンホラーをハロウィンに楽しむ
『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』
Netflixでは『ピノッキオ』でおなじみのギレルモ・デル・トロ監督自らが制作・出演をしている、1話完結のホラーアンソロジー。
白黒テレビ時代の昔『トワイライト・ゾーン』(日本では『ミステリー・ゾーン』というタイトルで放映されていました)で脚本家のロッド・サーリングが、『ヒッチコック劇場』ではアルフレッド・ヒッチコック監督が、現在も『世にも奇妙な物語』ではタモリが解説をして物語に誘うように、今作でもギレルモ監督が機知と皮肉を織り交ぜながら解説。ゴシック好きな彼の世界観に沿ったエピソードが8話繰り広げられます。
個人的なおすすめは1話の貸し倉庫を舞台にした『ロット36』と、3話の死体安置所での検死官と○○との戦いを描いた『解剖』。4話の美醜への執着を描いた『外見』に最終話のゴーストストーリー『ざわめき』。大人のハロウィンに見るならぜひ!の作品です。
どの仮装にするか迷いたいなら必見
『バービー』
1959年に発売されたファッションドール、バービーを実写化!どんな物語かと見てみれば、喜怒哀楽なら喜と楽しかない完璧なバービーランドで暮らす定番バービーが、ある日なぜか死を口にし、太ももにセルライトを見つけたことから、何かおかしな事が起こってる!なんとかしなきゃ!と人間の世界に乗り込み、自分を生み出したマテル社に乗り込むが⋯⋯というもの。
冒頭のワーナーのロゴからピンク!後はもうピンクだらけ。ヘレン・ミレンのウィットにとんだナレーションによるバービーの説明から『2001年宇宙への旅』のパロディへと続くトゥマッチな展開。その間に登場する凄まじい数の衣装を見るだけでハロウィンで真似したいと思うはずだし、さらに登場する多様性過ぎるバービーやボーイフレンドのケンたちは、ハロウィン仮装のアイデアには困りません。
物語は実は“今のフェミニズム”も描いていて、いろいろと考えさせてくれるのもいいです。
女の子同士の愛をハロウィンで知るなら
『ザ・プロム』
プロムとは卒業パーティーのこと。そんなプロムに同性のパートナーを誘ったことによって、PTA会長が激怒、中止にすると宣言。そのことに対して問題提起した女子高生がいることを知った、人生崖っぷちのミュージカル俳優たちが、彼女を助けることによってイメージアップを図ろうと、保守的な田舎町にやってくるものの、やることすべてが裏目に出てしまい、さらに大変な事態を招いてしまいます。しかし、俳優たちが向き合い方を変えたことによって、奇跡が起こるという物語をミュージカルとして描いた作品です。
メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、ジェームズ・コーデン、アリアナ・デボーズと豪華実力派キャストが脇を固め、今作で映画デビューを果たした主人公エマ役のジョー・エレン・ペルマンをサポート。勇気を持つ、信念を持つというエマを見事体現してくれています。曲も全てが素晴らしく、見終わると必ず口ずさむはずです。
エッジが効いている驚愕の人形アニメをハロウィンに
『コララインとボタンの魔女』
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック監督が、ストップモーションアニメとして映画化した作品。
ミシガン州から片田舎にあるピンクパレスというアパートに引っ越してきた少女コラライン。両親は多忙で構ってくれず、孤独な日々を過ごしていました。ある日、家の中で壁に埋められていた小さなドアを発見。そこに入ると、目がボタンだけど、心優しい両親がおり、彼女の願いをなんでも叶えてくれます。が、実はその裏では、ボタンの魔女がある企みを実行に移そうとしていたのです⋯⋯。
個性的なキャラ造形が最高。特に目がボタンの両親は仮装をしたくなるかも。さらにセット、小道具なども素晴らしく、何度も見てそのこだわりを発見して欲しいほど。そして引っ越したばかりのコララインが、家を探検する中でのなんてことない日常の描写が秀逸。これが人の手によって1コマずつ動かして撮影されたものだと思うと、ただただ感嘆です。
思わず子どもたちを応援したくなる!
『ヴァンパイア vs ザ・ブロンクス』
ブロンクスを舞台に、最近この近辺の店舗などを買いあさっている不動産会社が、実はバンパイアたちの隠れ蓑で、この地区を巣窟にしようとすることに気づいた地元の少年たちが、力を合わせて立ち向かうというお話。
子ども向けの話かなと思っていたら大人もしっかり楽しめます。生まれ育った町が再開発という名目で次々と封鎖されていく様は身近に感じる人も多いはず。それを阻止しようとブロンクス育ちの子らしい提案で頑張る姿に熱いものを感じ、町の人との日常の交流も下町風情を感じられてノスタルジックさも漂います。そこへ単なる悪徳不動産屋ではなく、バンパイアだったというのもひねりが利いていて、退治するため参考にするのがウェズリー・スナイプス主演の吸血鬼ハンターの映画『ブレイド』ってとこもしびれます。
ハロウィンにバンパイアの仮装はド定番ですが、今作でも魅力的ないでたちの方が登場するので参考にするのもいいかもです。
この季節だからこそ力抜いて怖がれる!
『ハロウィンの呪文 ブリッジホローは大騒ぎ!?』
ハロウィンに力を入れる田舎町ブリッジホローを舞台に、そこに引っ越してきた科学教師一家。科学第一主義の堅物な父親と、どうせならハロウィンを謳歌したい娘は、意見が合わずいつも喧嘩に。特にハロウィンに対しては、お互い一歩も譲らない状態。そんな二人が、以前より家にあったらしいランタンを見つけ火を灯します。すると封印されていた悪霊が解放され、町中に溢れる飾りに魂が宿り、住民たちを恐怖のどん底に。果たして父娘は町を救えるのか!?というお話。
とにかくこんな父親がいたらうっとうしいだろうなぁと思えることを体現してくれるマーロン・ウェイアンズ(彼が脚本・出演しているさまざまなホラー映画のパロディ『最終絶叫計画』もおすすめ。Netflixでも視聴可能)の変化ぶりがある意味、王道。そしてお化け屋敷に入ったような、小ネタでの怖がらせが散りばめられているのも、ワーキャー言いながら家族で楽しめるポイントです。
玄人向けなツッコミどころ満載の毒のあるおとぎ話
『ヒュービーのハロウィーン』
コメディアン、アダム・サンドラーが演じるのはバカ正直過ぎて、彼の住む魔女の町・セイラムの住民からいじられ倒しているヒュービーという、ハロウィン大好きオヤジ。今年もこの季節が!と張り切るも、彼の周囲にいる人物たちが行方不明になるという事件が発生。しかも近隣の精神病院から患者が脱走したという報告も。はたして彼はこの事件を解決することができるのか⁉︎というお話。
サンドラー十八番の、過去作でもおなじみの“見かけは大人、心は少年”というキャラが今作でも炸裂。そこになぜか万能ナイフのようなギミックが詰まった水筒のガジェットや、母親の着るメッセージTシャツ、ベン・スティラーなど有名コメディアン俳優たちのカメオ出演など、突っ込むところがあるのに、あえてそれをスルーする作り。どちらかと言えば玄人向けのハロウィン映画かも。ちなみに作品内に登場する仮装姿の人たちは大いに参考になること請け合いです。
ダークな青春学園物語は学ぶこともいっぱい
『ウェンズデー』
テレビドラマ、アニメで親しまれていた『アダムス・ファミリー』。1991年に映画化され大ヒット、続編も作られ、さらには2019年にはCGアニメにもなり、ハロウィン仮装の定番としてもすっかりおなじみ。そんなアダムス一家の長女・ウェンズデーを主人公にティム・バートンを中心に製作したのが今作。
高校を退学になった彼女が次に入学したのは両親が通っていた、特殊能力を持つ子どもたちが通うネヴァーモア学園。周囲の生徒たちなどになじめず浮きまくる彼女ですが、ある殺人事件が起こったことで調査するために奮闘するというストーリー。
これまでにもバートン監督はマイノリティをフィーチャーした映画を作り続けていましたが、今作もまさにそう。そこにアオハルが融合し、秀逸な学園ドラマとなっています。各話で意外と名セリフが散りばめられているのと、映画版でウェンズデーを演じたクリスティーナ・リッチが出ているのも注目です。
エンタメ要素強めの恐怖はみんなでワイワイ怖がりたい
『ファイナル・デッドコースター』
1作目『ファイナル・デスティネーション』は、予知夢をきっかけに事故死を逃れた男女が、結局は死の運命を受け入れざるを得なくなるという、これまでになかった設定でヒット。以後、5作目まで作られました。ここでは安定感ある3作目を取り上げます。
今作できっかけとなるのはジェットコースター。友人と訪れた遊園地で乗車した途端、事故の光景を見た主人公がパニック。結果、彼女と数人の友人が助かるも、本当に事故が起こり大惨事に。しかし、助かった友人たちは後日、次々と凄惨な死を迎える事に⋯⋯。
1作目から、風が吹けば桶屋が儲かる的な、はたまた手の込んだからくりのような展開で殺される方法が、3作目ともなれば手練の職人のようなバリエーションが、クリエイターのすごみを感じさせてくれます。ちなみに4作目「ファイナル・デッドサーキット3D」以外はNetflixで視聴可能なので1作目からぜひ。なお、最終作ラストは、思わず膝を打ちます。
【番外編】ハロウィンならではのお菓子を作りたいなら
『クリスティンの奇妙なお菓子教室』
これが1シーズンで終わってしまったことを、この季節になると残念がっている大勢のファンがいます。僕もその一人。
ミイラの猫、車に轢かれたアライグマ、獣人ら奇妙なクリーチャーたちと一緒に暮らすクリスティンという女性が、一回見たら忘れられない変わったお菓子を作るというドラマ仕立ての料理番組。
ハロウィンに他の人と違う、奇妙で面白くて、トラウマになるようなお菓子を作ってみたい人はこの作品がヒントになるかも。
1話目からリアルな骨のチョコクッキーを作ったりと、回を重ねるごとにグロテスクさに拍車がかかるのですが、それを作っているのがロリポップなファンタジーの世界で、浮世離れしたクリスティンなので、なぜかキモかわいく見えます。ただ、そのまま作るとなるとかなり大変。だから作り方のアイデアを活かして自分独自の奇妙なお菓子を作るのが楽しいと思います。
いまやクリスマスに引けを取らない盛り上がりをみせるハロウィン。おうちで気軽に楽しめる映画やドラマでハロウィン気分をさらに盛り上げましょう!