ツレヅレハナコの満腹アジアごはん旅歩き【3】トルコ
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皆さま、こんにちは。文筆家・料理研究家のツレヅレハナコです。これまで私が旅をしてきた国は、計30か国以上。中でもアジア圏が大好きで、熱気あふれる中心地からローカルエリアまで、新たな食文化の体験を求めて訪れ続けています。
この連載では、そんな数々の旅先で出合ったおいしいごはんの思い出を全6回にわたってご紹介します。現地で教えてもらったお料理を、日本で再現しやすくアレンジしたレシピもご案内しますので、ぜひ作ってみてくださいね!
INDEX
レンズ豆スープとパンに始まり羊の胃袋でシメる!トルコの朝昼夜ごはん
これまで訪れた約30か国の中で、もっともハマった国を挙げればトルコになるかもしれません。料理のおいしさに魅せられて、数週間単位で何度も滞在。最終的には「言葉を覚えれば、もっといろいろなものが食べられるかも!」と日本でトルコ語を習っていたほど。
フランスや中国と並び、世界三大料理の一つとされるトルコ料理。中央アジアの遊牧民の伝統と、オスマン帝国の宮廷料理。さらには地中海や中東の豊かな食が融合した多様な食文化が特徴です。羊肉、魚介、乳製品、トマト、オリーブ、ヨーグルト、ハーブにスパイス……、個人的にも好物の食材ばかりで、初めて訪れた際には目移り必至。大興奮の日々でした。
そんなトルコへ行けば、朝から晩まで何かを食べていると言っても過言ではありません。確実に体重が3キロは増えて帰国しますが、もはや悔いなし。とある日の1日の食事例をご紹介しましょう。
まず朝は、テーブルに乗り切れないほどの乳製品やオリーブ、サラミ、新鮮な生野菜からスタート。各種チーズをはじめ、ヨーグルトに濃厚クリーム、乳製品だけで5~6種類は当たり前に並びます。ずんぐりとしたバゲットのようなパン「エキメッキ」には、はちみつや自家製ジャムをたっぷりと。
どんな小さな村にも必ずパン屋があり、朝は焼きたてのパンを買いに行く――そんな光景も、食料自給率100%を超えるこの国らしさでしょう。なにより、どこで食べても皮はパリパリ、中はもっちり。本当に絶品なのです。
まだ学生だった頃の旅では、あまりお金がなかったのもあり朝は節約。そんなときは、ランチの仕込みの真っ最中の食堂を覗き込みます。すると、たいていの場合は「スープならあるよ」と入れてくれるのがなんともおおらか!レンズ豆をすりつぶしたスープ、ヨーグルトとミントのスープ……、大鍋で煮込まれる熱々のスープと焼きたてのパンさえあれば、大満足の朝食が数百円で食べられました。
ランチタイムになると、いよいよ食堂も大盛況。ショーケースには、できあがった料理がずらりと並びます。「ロカンタ」とよばれるこの食堂では、好きなものを選んで盛り合わせてもらうシステム。煮こみ料理、オーブン料理、ぐるぐる回るケバブにバターピラフ……、肉も魚も野菜もたっぷりと!ついつい選びすぎてしまい、店を出るときはいつも満腹ではちきれそう。
食後は、タンニンの強い紅茶「チャイ」を1杯。注文すると、腰がくびれた耐熱グラスになみなみと注がれてきます。トルコ人にとって、チャイはなくてはならないもの。一日中飲んでいると言っても過言ではなく、どこにいても電話1本で「チャイ屋」さんが出前をしてくれるのです。
そういえば、ホームステイ中に鮮魚店へ行き、店頭でイワシを選んでいたときに「チャイ飲んでいけば?」と言われたこともありました。きっと日本人が珍しかったのでしょう。イカ売り場の小さな椅子に座って、店のお姉さんと楽しくおしゃべりしたのも良い思い出です。
夜になれば、ぜひ繰り出したいのが居酒屋「メイハーネ」。トルコは国民の90%がムスリムの国ですが、建国当初から政教分離を推進しているためアルコールに関しても寛容。居酒屋もひとつの食文化として大切にされています。
特徴は、「メゼ」と呼ばれる前菜料理の種類が多いこと。店によっては大きなお盆に十数種類の小皿料理をのせ、テーブルまで運んで選ばせてくれることも。
ひよこ豆をペースト状にしたフムスや、焼きなすのディップ、魚介のマリネや豆のサラダ……。迷ってしまう豊富なメニューですが、どれもお酒によく合う!国産のビールもありますが、人気はアニス酒の一種である「ラク」という蒸留酒。アルコール度数は40度以上なので、氷を入れて水割りで飲むのが一般的です。もともとは無色透明ですが、水を加えると白い液体となるため「ライオンのミルク」とも呼ばれているのだとか。
現地友人たちの宴席に招かれた際、50代の紳士たちが好んで食べていたおつまみが「メロンと白チーズ」。日本ではあまり見ない組み合わせですが、甘いメロンと塩気の強い白チーズは、ラクにぴったり。私もすっかり気に入り、帰国後もサラダ仕立てで再現したりしています。
海沿いの街を訪れたら、足を運んでほしいのが魚介専門のレストラン。羊肉料理で知られるトルコですが、トラブゾンなどの港町では新鮮な海の幸をたっぷり堪能できます。
なかでも私の大好物が、「ミディエドルマス」というムール貝のおつまみ。ストリートフードの定番ですが、レストランでいただくものも絶品です。貝殻にお米を詰め、貝の出汁で炊き上げたら、しっかり冷やしてレモンをキュッとひと搾り。空いた貝殻をスプーン代わりにして、中のピラフをすくっていただきます。
とれたての小魚は、粉をたっぷりまぶして丸ごとフライに。イカも一緒に揚げてもらえば、ビールにぴったりのおつまみになります。肉料理の印象が強いトルコですが、海沿いの街を訪ねれば、とても豊かな魚介料理に出合えるのです。
そうそう、お酒を飲みに行ったあと。つい帰りに寄りたくなるのが、「イシュケンベチョルバス」という羊の胃袋スープを出す専門店です。少々クセのあるモツの濃厚スープで、食べるときにはおろしにんにくや辛いオイルを好みでたっぷりと加えるのが定番。日本でいう「豚骨ラーメンでシメる」に近い感覚でしょうか。冬の寒い日など、みんなで店に駆け込み仲良く並んでスープをすするのもその店ならではの楽しみ。初めて行ったときは、トルコの人たちとちょっと仲良くなれた気がしたものでした。
うーん、満腹。こんな1日が続けば、むしろ3キロ増で済むのが奇跡なのかも? でもきっと、またあの食いだおれの毎日が懐かしくなり、トルコ行きの航空チケットを買ってしまうに違いありません。
【レシピ】チキンシガラボレイ
トルコの居酒屋での定番おつまみ「シガラボレイ」。ユフカという薄い小麦粉生地で、白くて塩気のあるチーズ「ペヤズペイニール」とイタリアンパセリを巻いて揚げた一皿です。今回は、日本で手に入りやすい春巻きの皮とカッテージチーズを使い、鶏ひき肉を加えてボリュームアップ。「シガラ」=「たばこ」の名の通り、細長く巻きましょう。
<材料>2人分
鶏ひき肉……100g
カッテージチーズ……50g
イタリアンパセリ(刻む)……5g
片栗粉……大さじ1/2
塩……小さじ1/4
こしょう……少々
春巻きの皮(ミニサイズ)……6枚
水溶き小麦粉、揚げ油……各適宜
<作り方>
1.ボールにひき肉、カッテージチーズ、イタリアンパセリ、片栗粉、塩、こしょうを入れて練り混ぜる。
2.春巻きの皮に6等分したタネを細長く置き、各端に水溶き小麦粉をしっかり塗って留めながら巻く。
3.小さめのフライパンに揚げ油を1㎝ほど入れて熱し、春巻きを並べ入れて上下を返しながら4~5分揚げる。
編集部おすすすめ】このレシピに合わせたい一杯
キレのあるすっきりとした後味が心地よい「ペローニ」
絶妙なキレと清涼感あふれるプレミアムビール。ジューシーで香ばしいチキンシガラボレイの旨みをすっきりと引き締め、次のひと口が欲しくなる最高の組み合わせです。
NOシュガー、NOカロリー「green cola(グリーン・コーラ)」
植物由来の素材を使い、すっきりとした味わいが魅力のコーラ。カリッと揚げたチキンシガラボレイの豊かな風味とスパイス感が相性抜群で、食事のおいしさをより一層引き立てます。

