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ツレヅレハナコの満腹アジアごはん旅歩き【2】中国

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ツレヅレハナコの満腹アジアごはん旅歩き【2】中国

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皆さま、こんにちは。文筆家・料理研究家のツレヅレハナコです。これまで私が旅をしてきた国は、計30か国以上。中でもアジア圏が大好きで、熱気あふれる中心地からローカルエリアまで、新たな食文化の体験を求めて訪れ続けています。

この連載では、そんな数々の旅先で出合ったおいしいごはんの思い出を全6回にわたってご紹介します。現地で教えてもらったお料理を、日本で再現しやすくアレンジしたレシピもご案内しますので、ぜひ作ってみてくださいね!

ツレヅレハナコ

プロフィール

ツレヅレハナコ

文筆家・料理研究家。食と酒と旅を愛し、雑誌・書籍・WEBなどでレシピやエッセイを執筆。揚げもの専用鍋やひとり土鍋など、オリジナル調理器具のプロデュースも手掛ける。著書に『世界の現地ごはん帖』、『ツレヅレハナコの南の島へ飲みに行こうよ!』(ともに光文社)、『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコのおいしい名店旅行記』(世界文化社)『ツレヅレハナコのからだ整え丼』(Gakken)など多数。

夏こそ食べたい!中国・雲南省の滋味あふれるシンプルきのこ鍋

長い歴史と広大な国土を持つ中国は、地域ごとにまったく異なる食文化が育まれてきました。そんな中国の中でも、私が長年憧れていたのが雲南省の「きのこ料理」です。

山岳地帯の多い雲南省は、昼間の暖かさと雨季の夕立が繰り返されることで多種多様なきのこが育つ土地。「世界の食用きのこの約3分の2が雲南にある」ともいわれる、世界屈指のきのこ王国なのです。

中国・雲南のきのこマーケット
夏になると活気づく雲南のきのこマーケット

なかでも天然きのこが最も多く出回るのが、雨季にあたる夏。珍しいきのこを求めて、世界中から食通が訪れる場所としても知られています。この期間は、街中にきのこがあふれ、まるでお祭りのようになるのだとか……。きのこ好きとしては、いつか行ってみたい~。

そんな話をしていたある日、日本に住む中国人の友人から「夏のきのこを食べに、雲南へ行こう」とのお誘いが。そんなのもう、二つ返事で参加を決めたのは言うまでもありません。

羽田から上海経由で昆明に着き、まず訪れたのは「きのこマーケット」。山へきのこを取りに行く人々が商品を持ち込み、直接販売している市場なのだそう。まさに、とれたてホヤホヤ。広い会場いっぱいに、見たことのないきのこがずらりと並んでいます。

マーケット内にあるきのこのモニュメント
改築されたばかりのマーケット内には、きのこのモニュメントが!

赤や紫など鮮やかな色のものから、スポンジのような形、石ころにしか見えないものまで、見たこともないきのこがずらり。これほど多くの種類を見分けられるとは、すごいなあ。感心しつつ、「間違って毒きのこを食べたりはしないの?」と現地の友人に尋ねると、「あるよ。たまにニュースになっているね~」とニヤリ。ひゃー、やはり!

中国・雲南のきのこマーケットに並ぶきのこ
初めて見るきのこばかりが並ぶ

日本でもおなじみの松茸や、イタリアやフランスで親しまれるポルチーニ茸(セップ茸)も山積みです。きのこは実際に手に取って香りを確かめながら選ぶのが基本だそう。市場を歩いていると、さっきまで山に入っていたような竹かご姿のおじさんが「ほら、かいでみな!」と次々にきのこを手渡してくれました。ああ、買って帰りたい。

続いて訪れたのは、乾燥きのこ専門のマーケット。こちらには一年中使えるよう、カラカラに干されたきのこがズラリ。

道路できのこを干している様子
道路できのこを干しているのにおどろき!

「実は、生よりも干した方がおいしくなるきのこも多いんだよ」と友人。水で煮出すだけで、とんでもなくおいしい出汁が出るのだそう。日本では乾燥きのこといえば干し椎茸くらいしか思い浮かびませんが、さすがきのこ王国。種類の豊富さは圧巻です。いろいろな種類が入ったミックスは使い勝手もよさそうで、私もお土産にたっぷり買い込んでしまいました。

いよいよお待ちかねの夕食。雲南省にはきのこ料理専門店が数多くあり、この日訪れた店も、さまざまなきのこが並ぶショーケースが出迎えてくれました。まるで宝石店のように美しく陳列された姿を見ただけで、テンションが上がるー。

さまざまなきのこが並ぶショーケース
きのこと調理法を選んでオーダーしていきます

中国の宴会といえば、個室のくるくる回る円卓。この日は現地の友人たちも加わり、合計10人でテーブルを囲みます。「ハナコさん、今日から毎日きのこ宴会だよ~」と皆に言われましたが、のぞむところ。まずは、中国で最近流行っているというクラフトビールで乾杯!

豪華個室での円卓宴会で珍味きのこづくし
豪華個室での円卓宴会で、珍味きのこづくし!

運ばれてくるのは、見たこともないきのこの和えもの、炒めもの、煮もの、揚げもの。種類ごとに香りも食感もまったく違い、まさにきのこだけのフルコースが続きます。

なかでも驚いたのが、「金茸(きんたけ)のお刺身」。ドライアイスの白い煙に包まれて登場した一皿は、それだけでも歓声が上がる美しさ!

スモークとともに登場した「金茸」のお刺身
スモークとともに登場した「金茸」のお刺身

黄色い海綿のようなきのこを薄切りにし、なんと生のまま、わさび醤油でいただくのです。強い味や香りはないものの、ぷるぷるとした弾力は初めて出会う食感。「きのこは火を通して食べるもの」という思い込みが、あっさり覆されました。

まるで海綿のような見た目のきのこ
まるで海綿のような見た目がかわいい~
薔薇の花びらの餡を包んだ蕎麦粉入りのお焼き
チラリとのぞく赤いものが薔薇の花!

きのこをペースト状にし、雲南では食用で親しまれている薔薇の花びらの餡を包んだ蕎麦粉入りのお焼きも登場。ひと口食べると、ふわりと広がる薔薇の香り。きのこと花を組み合わせる発想も、この土地ならではだなあ。

黒い高級きのこのチャーハン
大人気だった黒い高級きのこのチャーハン

さらに感動したのが、超高級きのこ「干巴菌」のチャーハン。その値段を聞いて驚いたけれど、一口食べれば納得の味わい。香りとうま味が格別で、みんなおかわりが止まらない……、円卓が手動でくるくる回る~。

でも、やはり一番感動したのはきのこ鍋です。まずは、その日の鍋に使うきのこが大ザルに盛られて運ばれ、お披露目からスタート。ところが店員さんから告げられたのは、「鍋に入れてから20分間は絶対に食べないでください」というひと言でした。

きのこ鍋に入るきのこ
本日のきのこ鍋に入るオールスター

天然きのこは生煮えだと毒素が残る可能性があるため、しっかり火を通すことが何より大切なのだそう。おいしさのためだけでなく、安全のためにも20分! まさに命がけのきのこ鍋。

ベースは烏骨鶏と干しきのこで丁寧にとったスープ。フレッシュなきのこを加えて良く煮たら、まずはスープだけを一口いただきます。……うわー、なんだこれは。味つけはひとつまみの塩だけなのに、じんわり染みわたるような滋味深さが口いっぱいに広がります。

十数種のきのこが入ったスペシャル鍋
十数種のきのこが入ったスペシャル鍋

思わずみんなで顔を見合わせ、「おいしいねえ」とため息まじりの笑顔。ああ、ここまで来てよかった~。

スープを堪能したら、お次は具材のきのこへ。もはや煮込まれて種類の見分けはつきませんが、一口ごとに楽しい食感と味わい! お店の方によると、おいしさの秘訣は「できるだけ多くの種類のきのこを使うこと」と、「余計な具材や調味料を入れないこと」。いやはや、きのこだけでここまで奥深い一杯になるとは。さすが雲南省、おそるべし。

そして、翌日。「庶民派のきのこ鍋を食べに行こう」と連れていかれたのは、下町にある地元客でにぎわう一軒でした。昨日とは違う顔ぶれで円卓を囲み、ザリガニや魚料理を楽しんだあとの主役は、やはりきのこ鍋。

みんなでワイワイ囲むのが楽しい庶民派円卓
みんなでワイワイ囲むのが楽しい庶民派円卓

ベースは昨日と同じく、鶏のスープに具材はきのこだけ。それなのに、味わいはまるで別物。「どうしてこんなに違うの?」と聞くと、友人は笑いながら「入っているきのこが全然違うからね」とひと言。なるほど、これだけ種類が豊富なら、毎日食べても飽きないわけだ。

ちなみに、日本では「火鍋」といえば真っ赤な激辛スープを思い浮かべますが、中国では火にかけながら食べる鍋料理全般を「火鍋」と呼ぶそう。このきのこ鍋も立派な火鍋の一種で、一年を通して親しまれています。夏でも人気なのは、「汗をかいて体の熱を逃がす」「冷房で冷えた体を温める」「夏バテを防ぐ」といった、薬膳の考え方が根付いているからなのだとか。

そして締めは、具材を食べ終えたスープに中華麺を投入。これがまた、思わず唸るおいしさ。きのこのうま味をたっぷり吸ったもちもちの麺は、この旅でいちばん忘れられない一杯になったかもしれません。

キノコ市場
またあのキノコ市場へ行ってみたいなあ

帰国後もすっかりハマってしまい、お土産在庫が尽きてからは「自家製干しきのこ」を仕込むほどに。日本の太陽でおいしくなあれと、汗をかきかきシメジや舞茸を干しています。きっとこれからも、きのこ鍋を作るたびあの雲南のにぎやかな円卓を思い出すはず。そして、みんなと分け合ったあの感動の一杯を食べたくなるのです。

【レシピ】雲南風きのこ鍋

鶏肉ときのこのみの、シンプルな鍋が現地流。きのこは生のもの数種と乾物を組み合わせるのがポイントです。ぜひ最初は滋味深いスープだけを味わい、あとから具材を召しあがってください。

雲南風きのこ鍋

<材料>2人分

舞茸……1パック
しめじ……1パック
エリンギ……2本
干し椎茸……3~4個
好みの青菜(小松菜など)……1株
鶏手羽元……4~5本
鶏もも肉……1枚(約300g)
にんにく……1かけ
水……1.5リットル
冷凍うどん(細いもの)……1玉
塩、粉花山椒……各適宜

<作り方>

1.舞茸、しめじは食べやすくほぐす。エリンギは長さを3等分に切り、薄切りにする。干し椎茸は1カップの水でもどす。青菜は3㎝長さに切る。鶏手羽元は、骨の間に切り込みを入れる。鶏もも肉は皮を取り、一口大に切る。にんにくは包丁の腹でつぶす。

2.鍋に鶏手羽元、にんにく、水を入れて中火にかけて沸騰させる。弱火にしてあくを取り、5分ほど煮たら戻し汁ごと椎茸を加えて40分ほど煮る。

雲南風きのこ鍋をつくる様子

3.きのこ類、鶏もも肉を加え、5分ほど煮てから青菜を加えてさっと煮る。まず器にスープだけをとり、塩を入れて味わう。次に具材を入れ、塩、粉花山椒を加えていただく。シメは具材をすべて取りのぞき、うどんを入れて煮る。

雲南風きのこ鍋の完成

【編集部おすすすめ】このレシピに合わせたい一杯

ミネラリーな白ワイン「ピエトラドルチェ・エトナ・ビアンコ」

エトナの火山性土壌由来のミネラル感と引き締まった酸が、きのこと鶏の旨味を引き立ててくれます。

ピエトラドルチェ・エトナ・ビアンコ

ノンアル派には鍋が無限に進む「タグソバー レモンジンジャ」

じっくり出汁が出た「雲南風きのこ鍋」には、無糖の「ウィルキンソン タンサン タグソバー レモンジンジャ」が相性抜群です。

タグソバー レモンジンジャ

商品の詳細はこちら
ピエトラドルチェ・エトナ・ビアンコ
ウィルキンソン タンサン タグソバー レモンジンジャ

ツレヅレハナコの満腹アジアごはん旅歩き【2】中国

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