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shine AS YOU ARE【4】新しいリーダー像は自分で作ればいい

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shine AS YOU ARE【4】新しいリーダー像は自分で作ればいい

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1904年3月8日、アメリカ・ニューヨークで婦人参政権を求めて行われたデモを起源に、1975年に国連が3月8日を「国際女性デー」に制定しました。日本でも、3月は女性の生き方を考えるさまざまなイベントが開催されています。

今回は、アサヒグループ3事業会社の女性部長に、リーダーとして心がけていることや課題への立ち向かい方など、リーダーとしての思いを聞きました。

プロフィール

林 未知香

アサヒ飲料株式会社 マーケティング一部 部長

1995年カルピス株式会社(2016年アサヒ飲料と経営統合)に入社。飲料の商品開発、飼料事業、輸入ミネラルウォーター事業、ギフト事業の事業管理などを経て、2013年9月アサヒ飲料営業本部。22年営業戦略部部長、23年8月から現職。

プロフィール

三神 依子

アサヒビール株式会社 新顧客創造部 部長

2001年ニッカウヰスキー入社。九州地区でコンビニエンスを中心とした営業、マーケティング本部、国際マーケティング部門、マレーシア駐在、2020年グローバルマーケティングを経て、24年9月から現職。

プロフィール

森野 祐希

アサヒグループ食品株式会社 マーケティング一部  部長

2003年アサヒビールに入社。首都圏エリアのスーパーマーケットを中心とした営業、マーケティング部を経て2008年からアサヒグループ食品でマーケティングを担当。21年4月から現職。

カリスマにはなれなくても伴走できるリーダーに

―森野さんは21年に、林さんは22年に、三神さんは24年に部長になっています。それ以前に、こんなリーダーになりたいと思い描いたリーダー像はありましたか?

三神 みんなが憧れるようなカリスマ的なリーダーや、迷いなく引っ張っていってくれるザ・リーダーと言える男性上司が数多くいたのですが、「自分はこのようにはなれない」と思っていました。そんな時、マレーシア赴任中に出会った中国人の女性上司は、仕事に寄り添って精神的に支えてくれるタイプのリーダーで、心理的安全性がとても高い状態で、このようなリーダーならば、なれるかもしれない、なれるといいなと思えました。

アサヒビール株式会社 新顧客創造部 部長 三神 依子

森野 たしかに、心理的安全性を担保してくれる上司の下では、いきいきと仕事ができますよね。私の場合は比較的女性が多い領域の部署だったので、男性と肩を並べて道を切り開く女性の先輩たちを尊敬していましたが、私はこのようにはなれないなとも思っていました。一方で、一緒に仕事をすることが楽しいと思える先輩が大勢いて、リーダーというよりもそういう存在になりたいと考えていました。

 私がこの人の居住まい、佇まいを見習いたい、この人がいる限りこの会社で頑張りたいと思ったのは、かつて人生最大の失敗をしてしまったときの上司です。叱責するよりも、どうやったらリカバーできるかを自分で考えるように指導してくれ、信じて任せてくれる一方、謝罪には同行し伴走してくれました。

メンバーの好きを生かすマネジメント

―そうした経験を踏まえ、現在自らがリーダーシップを発揮するうえで大切にしていることは何ですか?

森野 マーケティングの仕事は1つの正解がある仕事ではないので、メンバーが何を考えているのかをまず聞くこと、そして一緒に考え、道を探していく立場でいたいと意識しています。

三神 仕事をする上でも個々の持っている“好き”は、とても大切です。それをパワーに変えたい。一緒に働くメンバーの好きを最大限に生かせる形で仕事がサポートできたらと考えています。

 私もお二人と似ているのですが、メンバーがやろうとしていることを理解して、力を発揮しやすい環境を作ることが私のやるべきことだと思っています。カルピスでの商品開発をスタートに幾つもの部門を経験してきたので、マーケティングの専門性は、私よりむしろグループリーダーの方が高いんです。その代わり私には、会社全体の戦略への理解や事業管理などを担った経験があります。それらを生かして私なりの視点でアドバイスをするようにしています。仕事ができる人たちが揃っていますので、彼らがやりたいことが、事業としての採算性、挑戦する価値、そして何よりブランドを永続させるために「バランスが取れていて美しいか」を考えてサポートしたいです。

アサヒ飲料株式会社 マーケティング一部 部長 林 未知香

森野 まさにその視点でのアドバイスをもらって救われた経験があります。担当しているミンティアがコロナ禍で売上が6割に落ち込んでしまったときに、私はとにかく何かを変えなくてはという発想で提案をしたのですが、上司から「目先の売り上げのためにブランドが弱くなることはしなくていい。むしろピンチのときこそブランドのコアを掘り下げるべきではないか」と指摘を受けて、本質に戻ることができました。するとメンバーからもマスク専用や声の領域にフォーカスを当てるなど、新しい発想が出てきて、チャレンジングでスピード感のある商品開発ができたのです。課題を共有しながら進める良さを体感しました。

知ること、話すことでみんなの良さを引き出したい

―個々のメンバーの好きや強みを生かし、課題意識を共有するために心がけていることはありますか?

三神 私の部署は少人数なので、ことあるごとにみんなに自由に意見を出してもらって、多様な視点から生まれた点と点をつなぎながら、課題に向けて一緒に組み立てるようにしています。インプットやアウトプットのために、新しいものを見に行ったり体験したりする「イノベーション・デー」を活用して、外部の刺激も取り入れています。

 今の部には3つのグループがあって、それぞれグループリーダーが1on1をしているのですが、私も2カ月に1回の割合で全員と実施しています。直属の上司に面と向かっては言いにくいけれど、それとなく伝えてほしいことでもいいし、聞くだけにとどめてほしいことでもいいから話してと。
誰かが知ってくれているだけですっきりすることがありますし、グループの中で閉じるのではなく、部の運営として考えるべきことなどは全体の活性化にもなっています。

森野 メンバーの資質をチームとしても生かせるといいなと思って、ここ3年くらいは自己診断テストを使って自己分析をしてもらっています。新たなメンバーが加わったら、結果を自己分析してプレゼンしてもらい、みんなで共有しながらチーム全員の資質をプロットします。思い当たるエピソードやチームとしての強み・弱みを話すと盛り上がりますし、お互いを知るきっかけにもなっています。

 私も自己診断テストをして、公平性へのこだわりが強いという発見がありました。公平に接し公平に評価することを意識するあまり、メンバーの得手不得手に対する配慮が足りなかったのではないかと思い当たることがあったのです。

三神 評価は難しいですよね。マレーシアで初めて部下を持ったときに痛感しました。マレーシアの評価制度をまだ理解していない中、赴任から2カ月のタイミングで評価をしなければならないことがあって。
評価対象は試用期間の方。私以外の現地職員2人はやめさせたいという判断に対して、最終決断するときは本当にストレスフルでした。育成はまた別の難しさがありますね。

森野 私が育成で心がけていることは、メンバーと大事な意思決定で意見が分かれたときにまず聞くことです。私自身が失敗した経験から、同じ道を辿ってしまうのではないかと思うこともあるので、私の意見や経験もメンバーに伝えます。でも、2回話し合ってもまだ意見が変わらず、3回目にやはりこれで行きたいと言われたら、腹をくくってメンバーのやりたいことを上にも押し通すことを意識しています。うまくいけばもちろんいいし、うまくいかなかったとしても、必ず大きな学びになって次につながると思います。

アサヒグループ食品株式会社 マーケティング一部 部長 森野 祐希

三神 たしかに3回同じ意見を言ってくる時は部下も本気の時ですよね。結果がどうであれ、とてもいい学びになります。育成面で言うと私は、自分たちが扱っている商品がすごく楽しいと思える人を1人でも多く育てたいですし、商品の楽しさを世の中に伝えられる部にしたいですね。

 楽しさを伝えるためには、仕事にも楽しんで取り組んでほしいですよね。私が入社した当時に比べると、社会全体の傾向として失敗することが許されない、着実さが求められているように感じます。でも、少しだけ“いい加減”に、楽しくてもいいんじゃないと思いますね。自分らしくshine AS YOU AREで、図々しいぐらいの態度で臨んでいいし、そういう方たちをサポートしたいです。

誰かの期待を自信に変えて、やれることを数える

―女性管理職はまだまだ少なく、企業の課題になっていますが、一方で、リーダーになることを躊躇する人もいます。次世代のリーダーたちにアドバイスをお願いします。

三神 私自身が、リーダーなんてならなくていいと思っていたタイプでした。自己肯定感が低く、自信がないことが欠点と自覚しているのですが、新しい立場や新しい担当、新しい仕事をすることで、小さな自信を1つずつ増やしていけたのかなと思います。リーダーの形は1つではありませんし、自分らしいスタイルでいいと思います。その立場やポジションになったことで初めて見える世界があったり、知ることがあったり、変われるきっかけになります。

林 今でも悩むことはありますね。私自身、マーケティング一筋でやってきた人が部長なら、メンバーがもっと動きやすいこともあったりするのかなと思うことはあります。でも、人と比べてできなかったことを数えるのではなくて、できたことを数えることを心がけています。私がメンバーや組織に貢献できることはこれ!ということを毎日1個でも見つけていけたらと思います。

森野 リーダーになりたくなければ、ならなくてもいいと思うのです。ただ、なりたいと思っていなかったとしても、あるいは向いていないと思ったとしても、チャレンジしてもいいかなと少しでも思えるのであれば、チャンスが巡ってきたときに乗ってみたらいいと思います。チャンスを与えてくれた人がいたら、その人は何かを感じて期待してくれたのだと思うので、そこを自信にして、一歩踏み出してもらえたらと思います。

text 中城邦子

shine AS YOU ARE【4】新しいリーダー像は自分で作ればいい

考える

shine AS YOU ARE【3】育児とキャリア、両立の壁を乗り越えて

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