ハレの日ごはん【3】華やかな”ちらしずし”でひなまつりをお祝い

2025.02.25

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「ハレの日」とは、お正月や節分などの年中行事、成人式などの人生の節目にあたる日を指します。
このような「ハレの日」には、その日にちなんだ特別な料理を食べることがありますよね。そこでこの連載では「ハレの日」に食べる食事について、レシピとともに紹介します。日本ならではの年中行事やその日に食べるごはんを知る１年にしてみませんか？

第3回はひなまつり。ひなまつりに食べる料理はいろいろとありますが、今回は“ちらしずし”について紹介します。

INDEX

風習と流行から生まれた「ひなまつり」

旧暦の3月3日は桃の花が咲く時期であることから、ひなまつりは別名「桃の節句」とも呼ばれ、女の子の幸せや成長を願ってお祝いをする日です。

平安時代の「上巳節（じょうしせつ）」という風習と、当時の貴族の女の子の中で流行していた「ひいな遊び」に由来しています。「上巳節（じょうしせつ）」とは3月最初の巳（み）の日に災いを人形に移して厄払いをするもので、中国から伝わったもの。「ひいな遊び」は人形で遊ぶおままごとのようなもので、この2つが結びつき、災いを移した紙人形を川に流して身を清める「流しびな」が生まれ、後にひな人形を飾る形に変化しました。

「お家で祝うひなまつり！」(農林水産省) を加工して作成

とっても華やかな行事食！それぞれに込められた想いとは

ひなまつりの行事食と言えばひし餅やひなあられなど、カラフルでかわいらしいものが多いですよね。それぞれに込められた意味を紹介します。

ひし餅

ひし餅の色には意味があります。諸説ありますが、下段の緑色は木の芽、中段の白は雪、上段の桃色は生命を表しています。雪（白色）の下から新芽（緑色）が芽吹き、桃の花（桃色）が咲く様子を表現していて、自然のエネルギーを取り込む意味合いがあります。一説には、ひし形のモチーフはヒシの実。繁殖力の強さから子孫繁栄や長寿の願いを込めているとか。ヒシの実はその尖った形から魔除けの意味もあると言われています。

ひなあられ

元々はひし餅を砕いて作っていたため、ひし餅と同じように桃色、白色、緑色で構成されているものが多いとされています。地域によって味わいが異なり、関東はお米の形で甘く、関西では丸くてしょっぱいものが一般的です。

白酒

元々邪気を払い不老長寿を与えるとされている桃の花を酒に浸した「桃花酒（とうかしゅ）」を飲む風習がありましたが、江戸時代頃から次第に白酒（しろざけ）が使われるようになったのではないかと言われています。ただ、白酒にはもちろんアルコールが入っているので注意が必要です。お子さまには代わりに米麹で作った甘酒やカルピスがおすすめです。